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軽自動車に注目ー1.軽自動車の販売&保有構成比が伸びている

2011年09月07日 | 経営・オピニオン全般



おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、軽自動車に注目ー1.軽自動車の販売&保有構成比が伸びている、です。

今月の26日からトヨタのエンブレムが付いた、軽自動車が販売される。
全国のカローラ店とネッツ店が主たる扱い店になるが、地域の軽自動車の販売シェアが50%を超える、
福岡県を除いた九州6県、、四国は全県、その他に鳥取、島根、秋田、青森、計15県などが、トヨタ店、トヨペット店も扱うという。

トヨタの軽自動車扱い店の名称は「PIXIS STATION(ピクシスステーション)とし、他のトヨタ店との差別化を図る。
これで、乗用車系の日本の新車ディーラーは、セルシオ店を除いて基本的に全て「軽併売店」になる。

ダイハツからOEM供給される車種として決まっているのは、乗用車の「ムーヴ コンテ」で、トヨタの車種名
「PIXSI SPACE(ピクシススペース)と、商用車の「ハイゼット」。もう1車種は2012年に投入される計画で、
どうやら「e:S(イース)」になるようである。

3車種揃った時点の販売台数計画はMAX6万台。この数字は、供給元であるダイハツの製造事情によるとのこと。
ということは、製造の事情が許せば、計画台数は大きくなる可能性もある。

因みにニッサンの2010年の軽自動車の販売台数は141,487台(シェア8.7%)である。ニッサンよりもはるかに
拠点数が多いトヨタであれば、10%のシェアを目指してもおかしくないが、ダイハツやスバルとの兼ね合いもある
ので、低めの台数計画に抑えているのだろう。

で、軽自動車は2010年で 1,726千台(乗用+貨物)販売され、シェアは34.9%になる。乗用車だけでは30.5%、
貨物は60.4%のシェアになる。自販連の予測では、2020年の全乗用車に占める軽乗用車の割合は、
41.1%としている。実に約10%も高くなるとしている。

軽自動車の魅力は何と言っても「経済性」である。マツダのデミオの燃費が、ハイブリッドでもないのに30km/L
という素晴らしい10・15モード燃費を実現したとはいっても、税金や自賠責保険料などのトータル維持コストで見れば、
軽自動車に軍配があがる。

最近のユーザーは、「軽で十分」といって平気で小型車や大衆車から移行してくる。
定年を迎えた年齢であれば、乗せる家族は奥さんだけだろうし、長距離ドライブだって年に数回程度である。

であれば、駐車場が狭いに日本では、軽自動車の方が使い勝手がいい。
こうしたユーザーニーズの変化などもあって、トヨタも軽自動車を無視できなくなっているのだ。

もう一つ軽市場参入の理由がある。
それは、現在のトヨタの4チャネルを維持していくには、登録車でのシェア40%超えしても、登録車の全需が
縮小していくので、軽自動車を取り込んでいかないと厳しくなっているからだ。

ご承知の通り、登録車の乗用車販売台数は、10年前の2000年では2,978千台であったが、09年では2,640千台
と338千台も減っているのだ。

逆に、軽自動車は2000年に1,281千台だった台数が09年では1,283千台と、僅かであるが増えている。
この軽を台数に入れていかなければ、4チャネル維持が出来ないという、お家事情も絡んでいるではないだろうか。

また、軽と言えども台数が嵩めば「保険」「用品」「メンテナンス」などの、バリューが付いてくる。つまり、ディーラー経営の全体を
より健全化することになるのだ。

トヨタのエンブレムーが付けば、仕切り販売が出来る。となれば、営業マンの営業実績にカウントされ、インセンティブの対象になる。
こうなれば、営業マンの気合も俄然違ってくる。秋以降の軽市場の動きから目が離せない。

秋商戦から年末商戦と、これからの3.5か月は息抜く暇はない。
整備工場や中販店は、軽ユーザーを奪われないように、今からしっかりと関係強化を図っておくことだ。


株式会社ティオ
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