おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、指定整備の法令順守ー4.点検ハンマーがない、です。
ある整備工場で、完成検査の作業風景を見させてもらった。
手際よく検査をこなしていたが、点検ハンマーを一度も使っていなかった。
で、検査員に点検ハンマーは使わないのかと聞いたら、使わない、という。
検査場を見ても点検ハンマーが置いてない。
この工場では、検査後の車輪の脱落、エレメント交換後のエレメント外れなどが
たびたび起きている。
こうしたボルトやナットの締め付け状態を確認するには、点検ハンマーで叩いて
打音や指に伝わる振動で、判断をするのが正しい点検方法である。
それなのに点検ハンマーを使っていないとは、どのようにして締め付け具合を
確認しているのだろうか。
多分、点検をしていないのではないだろうか。
そういえば、ピットに潜って下回りの点検をしている作業を見たことがない。
一日中ついていることもできないので、その時は後から行うのかと、性善説で判断
いていたが、何のことはない、何も見ていないのだ。
検査員に言わすと、点検ハンマーでは緩みは分からない、という。それは、点検ハンマーの
柄の握り方、指の添え方、叩き方、音の聞き方などが適切でないからであって、点検ハンマーの
せいではない。使い方なのだ。
ここでも「基本」をないがしろにした作業を行っている。
本シリーズの1回目に伝えたように、法令違反のミスを軽くとらえていることが、連続して起こす根本
原因である。
たかが点検ハンマーと思ってはダメなのだ。
むしろナゼ点検ハンマーを使うのか、という発想が必要である。
そこの回答が出て、初めて点検ハンマーを使わないでもいい点検方法が出てくる。
この手順を踏まずして、最初から点検ハンマーを使わないのは、もってのほかである。
指定整備において、ペナルティー点数は会社の存続まで危うくする。
だから、1点でも貰ってはダメなのだ。
基本を大事にし、忠実に行えばペナルティーを受ける確率は、限りなく「0」になる。
この「0」を自慢し、「0連続何日」などと挑戦して欲しいものである。
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