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自整業のビジョン2を読み解くー4.整備要員の動向と対策

2011年07月07日 | 業界動向

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、自整業のビジョン2を読み解くー4.整備要員の動向と対策、です。

整備要員の平均年齢は、モータース店で46.3才、ディーラーで32.5才、業界全体では42.1才だ。
モータース店では、前年よりも0.1才若返った。これは、整備白書の調査以来初めてのことだ。

ビジョンでは、この若返りは「高齢整備要員の退職」が本格化したのではないかと、推測している。
私も、多分そうだと思う。

若年整備要員(30歳未満)の採用は、モータース店の66%がリクルートし、そのうち90%が採用に
至っている。一工場当たりの平均採用者数は、1.2人(06年~08年の3年間の平均)。3年間で退職
したのは0.9人で、定着率は25%であった。

ディーラーは、一工場当たりの平均採用者数は8.1人、退職者は3.9人となり、定着率は51.9%と
なっている。

モータース店とディーラーの定着率の差が倍以上ある理由は、ビジョンでは触れられていないが、
待遇面である「賃金」や「福利厚生」などの差が大きいのではないかと、私は見ている。

平成22年度版の整備白書で、一才あたりの賃金を見てみると、モータース店は、75.7千円に対して、
ディーラーは124.6千円と48.9千円の大きな開きがある。モータース店は、この差を縮めることが、
ビジョン作成においては絶対条件になる。

次に、整備専門学校・大学校の「一種要請施設」への就学者数は、2004年をピークに減少が続いていて、
2010年度の学生数は2万人を下回ったとしている。

ある専門学校では、定員に対してここ数年20%も不足しているという。
当面は、学生数の減少が大きな懸念材料にないが、中長期的には人材確保面で、経営課題に
なると警告している。

こうしたことから、「ES(従業員満足度)」に対しても、対策が必要だとしている。
その一つに待遇面の改善が必要だ。待遇面は、不満要因で改善しても満足を得るには、
難しい側面もあるが、そのままにしていたら「不満」が大きくなり、退職の引き金を誘発する
要因にもなる。

認証や指定工場の整備要員数の基準を確保することが前提になるが、人材派遣による
要員確保も検討に値する。これは、単に人手不足を解消することだけではなく、人件費の流動化
にも効果がある。

したがって、自社のビジョンにも待遇面の具体的な改善対策を明記することと同時に、
雇用の多様化や賃金制度の改革も含めて策定するといい。

その他、休暇取得についても「取得することを評価」する風土がほしい。
休暇は、明日の労働意欲を高める効果がある。また、自己啓発のためにも休暇が必要な
ことも多々ある。笑って休暇が取れるようになりたいものである。


株式会社ティオ
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