おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、指定整備の法令順守ー2.法令違反を助長する業務体制、です。
昨日の指定整備工場の業務の流れの概要は、
1.受入点検:B整備主任者が同一性の確認とともに実施し、
受入点検用紙(同社オリジナル)に確認・計測内容を記入し、
A検査員に用紙を提出し内容の報告を行う
2.指示書作成:用紙記載内容に基づいて、A検査員が「点検の結果及び整備の概要」
にチェック印(点検・検査良)を記入し、作業内容を決め、見積書
および作業指示書を作成する
3.整備作業:作業指示書に基づいて、B整備主任者が作業を行う
作業完了後、A検査員に作業完了報告を行う
4.完成検査:A検査員が検査ラインに車両を移動し、ライン検査および目視検査を行う
測定値を「検査機器等による検査」の各項目に記入する
5.適合証交付:全ての書類の不備・有効性を確認し、適合証をA検査員が
交付する
大よそ上記の流れである。多くの整備工場で目にする業務の流れだ。
因みに、A検査員は事業場管理責任者または代務者に選任されていない。
何か所か「審査事務規定」から逸脱している。つまり、法令違反の状態なのだ。
しかし、長年この状態を続けてきているので、適法であると誰もが信じているのだ。
法令を曖昧にしたまま、自分たちのやり易いように業務の流れを変えてしまう。
したがって、自分たちの業務流れが、指定整備違反であると、気づいていないのだ。
ある意味、業務の効率化にとっては、その方が合理的なのかもしれないが、
指定整備の場合は、非効率であっても法令に沿った業務体制を維持して
いかなればならない。
業務体制とは少し違うが、自動車検査員研修、整備主任者技術研修、指定自動車整備事業者等講習など
への出席が義務付けられている。
しかし、この講習会に出席しない者もいる。
事業場管理責任者を担当しているある役員に、このことについて聞いてみたことがある。
その時の返事は「エヘヘ、実は代返なんですよ」ということである。
手帳を出席する人に預け、出席したことにしているのだ。
実際に適合証の交付をしていないとはいえ、参加して変わった法令などを理解して
おけば、ミスを防ぐこともできる。
しかし、代返ではこうしたこともできない。
このように、指定整備の業務体制の不備や当事者意識の希薄さなどが複合的に重なって、
起こさなくてもいいようなミスを犯し、違反点数を貰うことになる。
基本に忠実に行う。これが違反を「0」にする唯一の対策なのだ。
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