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レバレートは、直接作業時間で決まる!

2010年02月05日 | 経営・オピニオン全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、レバレートは直接作業時間で決まるです。

さて、昨日の続きになるが、直接作業時間は、「労働時間×稼働率×作業効率」によって求められる。3つの要素が改善できれば直接作業時間は長くなり、コストは下がる。そこで、労働時間を長くすることを検討してみよう。

労働時間そのものを長くすることは、週40時間の縛りの中では、限界がある。出来るとすると、欠勤や遅刻・早退など減らすことである。ただ、これもあまり期待はできない。それというのも、整備工場のメカニックの場合、それほど勤怠が崩れていることが少ないからだ。

では、稼働率はどうだろうか。平均的な稼働率は、50%を下回ると予想する。多くの整備工場では、入庫車両の殆どが引取し納車をする。この多くの仕事をメカニックが担当する。朝礼後、工場の中が空っぽなってことが当たり前になっている。全員がそろって作業するのは、おおよそ10時前後だ。

したがって、この稼働率は大いに改善の余地がある。例えば、代車を出すのにお客さまに届けることは止めること。工場に来てもらって貸し出すようにすることだ。引取や納車についても、極力取りに来てもらうようにすること。

ある会社で、引取・納車を「有料」にしたところ、7割のお客さまがご自身で行っていただけるるようになったという実績もある。残りのお客さまは、有料を希望した。意外とお客さまはクールなのだ。

自社内においては、指示待ちや部品待ち、外注待ちなどを減らすこと。そのためにもフロント主導の現場コントロール体制を構築することだ。作業時間を現場任せにしているようだと生産性は何時までたっても上がってこない。

そして、最後は「作業効率」だ。作業効率とは、標準作業時間に対する実作業時間の比較だ。仮に標準作業時間が1時間で、実作業時間が1時間だったら効率は100%。1時間を40分で行ったら150%となる。

作業時間だから、社内の努力と意識によってかなり改善が期待できる。改善の一つは、工具の改善にある。個人工具を最小限に削り、探す時間を減らすこと。同様に共用工具も改善することだ。使用頻度が高い共用工具は、複数用意し分散配置にするなどの工夫をすつこと。

次に、作業工程(手順)だ。例えば車検整備をリフト一往復で完了させる作業工程にすると。また、エアー工具を多用することだ。特にエアーラチェットは必修工具として、メカニックに常備させること。

こうしたことを通じて、メカニックの作業技能の向上も、作業効率には欠かすことが出来ない要件である。技術は「盗め」といはれたが、盗む技術がお粗末であっては盗んだ者も、お粗末なメカニックになってしまう。

そうならないためにも、会社としての「標準化」を構築し、それで教育することだ。この点の改善は殆どの工場でやられていない部分だから、早急な取り組みを促したい。

この作業効率を改善することで、計算上は直接作業時間を長くすることが可能だ。この作業効率の改善は、メカニックの意識を変えることに直結することでもあるので、是非チャレンジしてほしい。

顧客争奪戦が厳しくなる中、集客のあの手この手も必要だが、整備経営の基本であるレバレートは、集客にも大きな効果をもたらすことになる。その意味でも、是非自社の経営事情に沿ったレバレートを使うこと。計算して地域相場より高い場合は、それぞれの要素を検討することだ。結果、そのことが経営の品質を高めることになる。

私は、整備工場の経営が今一つ近代化しきれていないのは、自社のレバレートを使っていないからだと確信している。マンネリ経営の諸悪の根源は、地域相場レートを使うところにあるのだ。


株式会社ティオ
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