気ままな旅


自分好みの歩みと共に・・

何事も急ぐなかれ!

2015-05-21 09:17:34 | エッセイ

 私が会社に入社した頃、湿式の複写機があった。

   名は一般的にはコピーと呼ばれていた。 当時は何て便利な機械だと思った。ただ、湿式のため当時の写真の印画紙と同じく乾かさなければならない。 事務室の隅に置いてあるとは言え狭く通路に大体面していた。 

 数枚ならともかく、会議資料ともなると乾きが間に合わず床に広げて乾かす始末。社員も迂回して通る始末。そして、複写をする熱源が眼に悪く、眼を悪くした女子社員がでたくらいだった。それが、何時しか乾式になり機械自体も小さくなった。 

 また、テレファックスと言う伝達する画期的なものが世にでて、その後しばらくするとファックスに革新され家庭にまで入り込み生活の一部になった。

 次に、ワープロと言うタイプライターを進化したものが生まれ、あれよあれよと叫ぶうちにパソコンのワードにエクセルにと姿を変えて生まれてきた。

 自動車も鍵は持つだけ、追突も黙って止まってくれる。バックも前進するようなものだ。そのうち、行き先を言えば連れて行って呉れるかも・・。

 身近で感じたこれらの技術革新は、私が知ってから55年もかかてきた。 

 実は、我が家の車にも人身事故は元より新車を痛めてはならないとばかり、大枚を払い車の四隅に衝突防止のセンサーを付けた。それなのに自損事故が連発。 全て、かつて無事故を誇っていた私である。

   証拠隠滅のため大枚を払い泣く泣く修理をした。なのにまた、センサーがぶつかるよ!と、警告にも拘わらず大丈夫が大丈夫でなく車庫でまたまた擦る始末。まだ、5000キロ走行で4回も。軽自動車が買えた。

 ほとんどお世話にならなかったJAF40年のカードが泣くよ。

 昨晩も、証拠隠滅が終えた車が届けられた。話に夢中になり、帰った後に車を車庫に信用にならない私でなく妻が入れた。旨くなったものだ。私にはもう自信がなくなってきた。

   この時、車の鍵を使わずに車庫入れた事に気付いた。 

 「鍵は・・。」「何処に」「ドアが閉まらない・・。」ふたりして、車内を探すが辺りが暗くなり、しかも車内は黒基調で益々行方不明。探すこと20分は過ぎた・・。遅まきながら、懐中電燈で再度念入りに、鍵は中央の処に鎮座していた。 車が昔のように鍵を刺さなければ動かなければ直ぐに気づいたのに・・。

 この頃の進歩は余りにも早い。 年寄りの過ごす日常生活時間も何やらバージョンアップしたのか、若い現役時代と比べて早く冥土へ向かっているような気がする。

死んで花見が咲くならば冥土の道は花盛り 急ぐなかれ!

終わり