master of the life  - blog -

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長谷川潾二郎展

2010-06-12 | デザイン&アート
平塚美術館で開催されている
「長谷川潾二郎展」に行ってきました。

長谷川潾二郎(りんじろう)は、戦前から戦後にかけて活躍し
画壇の世界に属さず、流行にも迎合せず自分の納得する絵を書き続けた画家。

今まで、1枚や2枚は見る機会はあったのですが、
初期からパリ留学時、帰国時から晩年にかけてまとめて見ることがなかったのでとても興味がありました。

作品を仕上げることが遅かったと言われる潾二郎なので、完成した作品も
画家として活躍していた年月が長いとはいえ、少ないはずです。
これほど多くの作品を集められたことは、奇跡的なことなのかもしれません。




実際の展示室は撮影禁止なので・・・感想を。
「とっても良かった」やはり彼の取り巻く環境や年齢による作品に
対する変化や喜び葛藤を初期から晩年までを続けてみることで
少しだけでも感じることが出来た気がします。

時代や流行にながされず、自分のスタイルを貫く作品は、一つ一つ見るごとに
なんとも言えない不思議な感じがしました。
全ての作品を見終わった時には少しの間、拘ることへの楽しさと美しさが心に残り続けていました。

画壇的な世界に属していないことなど関係なくもっと評価されてもよいのでは
勝手ながら思います。






帰りには画文集を思わず購入してしまいました。
画文集には、展示されていた作品、猫のタローとの日々を綴った思いでや詩などが掲載されています。
潾二郎が考える「絵画について」「詩と感想」など興味深く面白い文章もありました。


その中の一説を。
 
 よい画はその周囲をよい匂いで染める。
 よい画は絶えずよい匂いを発散する。
 よい匂い、それは人間の魂の匂いた。
 人間の美しい魂の匂い、それが人類の持つ最高の宝である。




「master of the life」になった人がここにもまた一人、見つけました。

心を優しい気持ちにさせる展覧会でした。


長谷川〓二郎画文集 静かな奇譚
長谷川 〓@56FD@二郎,土方 明司
求龍堂

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