ホリデイ現役添乗員日記

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「集積の美」~メルヘンチックなアルベロベッロ

2011-11-06 15:15:31 | ホリちゃんイタリア
ホリちゃんです。トンガリ帽子の屋根のトゥルリの家は、南イタリアのプーリア州では、特に珍しいものではありません。バスで走っていると、のどかな田園風景の中にも単独でポツンと、トゥルリの家が見えたりします。

      

      

しかし、アルベロベッロが近くなると、標識でわかるのです。そして、何かわくわくするような、待ちきれないような期待感を覚えます。この胸のときめきは、何なんだろう?

      

単独とか、数か所だけでは感じない「集積の美」、もっといえば、「集積と総和の美」が感動を与えてくれるからではないでしょうか?

      

      

      

そうです。南イタリアらしい、抜けるような青空のもと、銀色と灰色と白が混在して周密に立ち並ぶと、単独では考えられないハーモニーを奏でるのです。ソロとオーケストラの違いです。しかし、その魅力の質は圧倒的です。

      

      

旧市街の中心のポポロ広場に立って、高いところから見てみると、「集積の美」は、放射状となって、さらなる芳香を放つようです。

      

      

家ばかりではなく、「ピナクル」と呼ばれる屋根の上の尖塔、それに、屋根に描かれたシンボルも魅力的です。何やら宗教的ですが、東方から伝わった異教的なもので、魔よけや占いなど、きちんとした意味をもつのです。

      
      
石灰岩の岩層から、陶器も名産品として生れます。テラコッタがギフトショップに並んでいます。ギリシャ神話の「メドゥーサ」を表す怖いものもあります。

      

      

恐らく、このおとぎの国のような、世の中に二つとないような「集積の美」にユネスコは「世界遺産」にする価値を見いだしたに違いないでしょう。 ポポロ広場から降りて行って、今度はアイア・ピッコラ地区、モンティ地区などと色分けされた、上り坂と家並みをゆっくり散策すると、魅力は倍加します。普段の日常性の中に埋没した現代人が忘れ去っている異次元の、おとぎの国を「体感」させてくれるのです。

      

      

       

散策中、一匹のワンちゃんと仲良くなったので、アルベロベッロの「綺麗どころ」として紹介します。人なつこいです。

        

しかし、メルヘンチックなたたずまいの背景には、厳しい現実が存在することも忘れることはできません。徴税人を兼ねた役人が見周りに来る時は、家屋に課せられる税を逃れるように、漆喰やモルタルなどの固定剤を使わない、そして屋根のない、空積みの乾式工法を工夫したのです。当時の課税方法の裏をかいて、税金をのがれようとした庶民の知恵が、「集積の美」を生んで、世界遺産にもつながった、と考えれば、中々興味深い町ではありませんか?

      

      

      

モンティ地区を代表するサン・アントニオ教会は、希有なトゥルリの教会です。

      

これからの冬場でも、観光客に優しい青空のもと、アルベロベッロのトゥルリは「集積の美」となって私たちの目を楽しませてくれることでしょう。ホリデイツアーでは、一年通じていつでも、南イタリアへ行くツアーを催行していますよ。

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