前回の投稿の中で所得税の累進構造に付いて述べましたが、所得税の累進制自体は日本では明治20年に所得税が導入されましたが、その時点で既に累進制となっており、最高税率こそ低かったが、5段階と今と同じ程度に累進構造が明確であった。(現在は6段階)そして欧州においても、所得税はイギリスで19世紀半ばに導入されましたが、19世紀後半になると多くの国で、累進制が主張され、それが取り入れられ、日本においても1926年には最高税率36%、20段階と今より明らかな累進制が既に出来上がっていました。戦後もそれは引き継がれ、所謂、ビルトインスタビライザーとして景気政策の本命的存在でした。しかし、80年台半ばから、サッチャー、レーガン、中曽根の“新自由主義トリオ“によりなし崩しとなり、最高税率はドンドン引き下げられ今日に至っていると言うのがその経過です。最高税率の引き下げは当然財政欠損を生み、今日の国債大量発行に結びついていると言うのが今日までの経過です。国家の支出が最低限は決まったものですからそれをどういうふうに賄うかは財政の基本問題ですが、高額所得者の負担を減らしてゆくなら残された道は、福祉等の経費の削減か、または低所得者の負担を増やすかの選択しか無いのは自明の理と言えるでしょう。
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