消費税引上げをめぐり政治がやや”混迷”しているように見える昨今でありますが、改革の対象が行政機構であるように”仕向ける”一部マスコミもありますが、それはやはり昨今の経済問題を正面から捕らえきれない些か的外れ的論評でありましょう。前回も書きましたが現段階での主要問題は消費税と財政、社会保障さらに不況の打破がどの様に可能なのかと言う事であり、他の諸問題はその次に考えるべき物と思われます。
その様に考えた場合、一部ネット上において某市の労使問題がわざわざ取り上げられたりしていますが、やはりそれは一地方の自治体での問題でありなんらか国政に関することではありえないと思われます。其の点に付き投稿者が国政上の改革すべき問題と言えばそれは経団連の問題ではないかと思われる事であります。何が問題であるかと言えば、
①前にも投稿者は取り上げましたが、旧日経連(現経団連は旧経団連と旧日経連が統合して発足した)が1995年に纏めた、新時代の”[日本的経営]”と言う文書であります。これは当時以降の勤労者を3分類し其のうちの2類型については年金、退職金なしとするものでありますが、しかしながらこの”年金無し”は厚生年金保険法に違反する疑いが強いものでありその様な違法、脱法行為を勧める行為を公文書で出していると言うものであります。(その様にする為には年金関連法規の”改正”が必要と思われるが何ら触れていない)(2011.7.26付け投稿)又、それは当然にも今日の非正規労働者の大幅増にも繋がっている物であります。
②前経団連会長企業であるキャノンが2006年に”偽装請負事件”を起こしており、本来順法精神を持つべき参加企業のトップ企業がそのような問題を起こしている事。
③前副会長企業である東京電力が周知のように大規模大災害を起こしその根底になったのは電力業界が当局に取り入り安全神話等を振りまいてきた事にあることを経団連として何らか深刻に反省したなどということは聞いていません。反省が無いと言う事は今後も再発する可能性を残すものではないでしょうか?又この間言われているのは東電に付き、民営→公的資金注入→官営→(料金値上げ?)→民営と言うような構図が描かれている様でありますが、あまり言いたくありませんが、前社長は責任を取るといって5億円もの金額を退職金として受け取った事であり、これら全体は東電自体のモラルハザードを示すものではないのか、経団連自体その様な民間企業としての存立に関しどの様な見解を持っているのか表明すべきでありましょう。
④現状の社会で非正規の問題は既に社会問題化しています。つまりは統計上も年収300万円未満では婚姻率が下がると言う事であり(内閣府 子ども・子育て白書 2011年版)、又既に首都圏でも千葉県等で人口減が報告されています。中でも男性の3割、女性の5割が年収200万円未満と言われており、これは健全な国内市場の形成にとって問題であると言うような認識は無いのでしょうか?単に海外に展開すれば良いなどと言う事では無いでありましょう。経過をたどって行けば①で挙げた”日本的経営”のとおりになっているというべきでありましょうか?マクロ的に考えるなら今年のベースアップ無しと言うような行動が国内消費市場を峡般化して長期的不況の原因となっている事には思慮がいかないのでありましょうか?
簡単に考えても上記のような問題があるわけであり日本での代表的経営者団体である経団連がそれらにかんし何ら貢献する意思が無いと言うのであればやはりそれは”改革の対象である”と言うべきでありましょうか?