マクロ経済そして自然環境

経済的諸問題及び自然環境問題に感想、意見を書く事です。基本はどうしたら住みやすくなるかです。皆さんのご意見歓迎です。

イラク派兵自衛官自殺26人・・これって”戦死”ではないのか???

2013-03-31 12:48:15 | Weblog

某野党機関紙日刊あ○○た 3月21日号によるとイラクへ派兵された自衛官の内3月14日現在26人の自衛官が自殺している事が防衛省から同党議員に明らかにされたとの事である。内訳は陸上自衛官19人、航空自衛官7人、陸自は2004年から06年まで約5600人が派兵、空自は20003年から08年まで約3400人が派兵されている。

 陸自の”平均”の自殺は10年度で2551人に一人、空自の”平均”の自殺は3562人に一人でありそれぞれの平均を大きく上回っている。当然一般国民の自殺から考えても格段に多く(約4000人に一人)であり、陸自で言えば国民平均の14倍にもなる。この数字は極めて異常な現象である事を物語っている。

 

そもそも論に於いてもアメリカを主体にした”有志連合”と言う形で侵攻したもののその理由は、”大量破壊兵器を持っている”、”アルカイダの要員を含めテロリストをかくまっている”と言う2点でしたがその両方とも根拠が無かった事はアメリカ自体が後日認めざるを得ませんでした。また”有志連合”と言っても欧州のアメリカ同盟国のドイツもフランスも参加せず34ヶ国が参加したに過ぎず、そのような状態の中、当時の小泉内閣が先頭を切って賛同を表明する中での派兵であった。

 

米軍自体も11年12月14日に一部を残して撤兵し、では残されたイラクはどうなったかと言えば各部族の対立が激化し治安は悪化していると言われています。

 

 

 

 

 一般には戦後の日本で”自衛隊で戦死者は未だ居ないと言うのが定説かも知れませんが上記の数字は明らかに自衛隊のイラクでの任務がいかに過酷な物であったかを示すもであり、事実上の戦死とも言える状況である事を示しています。侵攻の”大儀”等全くいい加減な物であった事か明白である。まして我が国は憲法9条により武力での問題解決は放棄されています。このような侵攻命令を出した内閣の責任は非常に重く重大問題として考える責任がある。

 

そのような事が自公等から何ら反省も無い中、昨日行われた某維新とかの”綱領”とかは自民党等と組んで憲法の改悪を目論んでいる。その改悪の標的が9条に有る事は言うまでも無いでありましょう。自衛官にしても中東の戦地にまで送られる等想定外とも思われ、流血を回避して国家間の話し合と言う方向性こそが現実的方向性であり、19世紀には欧州の多くの諸国間で戦争をしていた状況を考えるならその方向性こそが歴史発展の方向性にあっているというべきでありましょう。

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景気政策史―58 19世紀イギリス対外商業政策と不況 その15  英仏通商条約と“自由貿易”

2013-03-29 13:27:50 | 景気政策史

 

 

一般的に19世紀“自由貿易”が欧州的に完成されたのは1860年の英仏通商条約の締結によりそれが最恵国条約により欧州全体に広がる事により完成されたとされるのが一般的見解であるが、やや詳細に見るならこの英仏通商条約の成立そのものがかなり政治的なものであったと見ざるを得ない(この事は多くの欧州以外での貿易が力により広められたのと照応するが これは今後、触れるが)イタリア独立戦争の中(井上幸治編 フランス史p405~)で、フランスがニース等の併合により領土的野心を表した事等により欧州内の緊張が強まり、それは当時のイギリス大蔵大臣のグラッドストーンが、英仏条約が好戦的感情や侵攻へのパニックに対する唯一の薬であり(Page 227)“選択はコブデン条約(1860年条約の事)とフランスとの戦争の高い危険性の間にある”(Morley:The Life of Gladstone vol.2 p23 前掲 Ashleyによる引用 p 361) との表現、叉それらの状態から軍備予算の増額への動きも出ていたような事からも明らかであるが、そのような中、1859年の終わり頃にはフランスの立場はかなり難しくなっていた。

そのような欧州での孤立を英国との商業条約で打開しようとナポレオン三世が考える中、“かかる政策により英仏両国間の永久的政治関係を改善せんとする以外に何らの希望を持たない”(前掲 北野p449)と考えていたコブデンが、初め非公式にフランス側の政治経済学者のシュブァリエとの間で交渉を行い後、公式の物になった。これは当初、秘密裏に行われしかもフランス側の立法部の承認を必用としなかった(皇帝の条約締結権による)。(フランス側には有力な自由貿易派はおらず、保護貿易派がより力を持っていた)(前掲フランス史p408  Ashley p360-361、Page.p225 )

ナポレオンはその公表した見解の中で“国際交易の恒常的増大無くしては貿易は栄えない、増大する工業なくしては農業も未開発のままである”と述べ綿、羊毛等の関税の廃棄を主張し、保護主義者からの大きな反発があったが英仏両者の最終的決断の理由は政治的なものであったが1860年1月に条約は締結された。(前掲Ashley p361)

条約の骨子は、詳細は後の交渉に任されたが(Ashley p362~)、(levi:p420)

① 相互的な最恵国待遇の付与

② 相互の国で賦課される内国消費税分に応答する追加的関税の付加権

③ フランスは“禁止的関税”を無くし、多くの輸入品の関税を減じ、輸入製品に対する税率を30%限度とする事。

④ イギリスは多くのフランス製品に対する関税を廃棄する事、ワインや外国製の火酒に対する関税を減ずる事

⑤ 両者は石炭の輸出の禁止を禁ずる事

とされ詳細は後の交渉による事となっており、有効期間は10年でその後通知が無ければ延長されるとした。

また“自由貿易の原則”を壊さないためイギリスでの関税削減は全ての他の国に適応するものとした。(Page 226) 

 1820年代にハスキソンによって導入された“互恵関税”の方向性(前述)はその後、30年代以降イギリスの穀物法による農業保護制度や大陸諸国の後発産業保護の考えから徐々に廃棄され(Page p90)、また40年代関税引下げを断行したR.Peelは[私は他の国々が我々の例に直ちに従うだろうと言う保証を諸君にする事はしない。外国は我々の例に従わなかっただけでなく実際は之まで以上に高い関税率をイギリス製品の輸入に対し課してきた。しかしこのために諸君の輸出にどのような事が起こったというのだろうか。諸君の輸出貿易は大いに増加したではないか・・敵対的関税に対抗する最善の方法は自由な貿易を奨励する事である]と“一方的自由貿易”を主張した。(前掲熊谷:マンチェスター派経済思想史研究p98 によるSpeeches of Sir Robert Peel p601からのの引用)

(但しこの英仏条約も英国の“過激な自由貿易派”からは他国の譲歩に拘らず我々のゲートを開けておくと言う基本からの逸脱であり、“互恵的である”として批判を受けた)(前掲 Page p227)

 その条約から他の欧州諸国はフランスに対しイギリスのみにそのような優位が与えられる事に対し憂慮していたが、まずフランスとベルギーが条約を結びそれは相互に最恵国待遇を与える事と相互的関税引下げが内容であったがそれがその後の欧州諸国の条約のモデルとなり、(Page、p234)フランスは1861年にベルギー、1862年にドイツ関税同盟、1863年にイタリア、1864年にスイス、1865年にスエーデン、ノルウエー、ハンザ、スペイン、オランダ、1866年にオーストリア、1867年にポルトガルと条約を結び、(Ashley p365)他方、イギリスは1862年にベルギーと、1865年にドイツ関税同盟と、1863年にイタリアと条約を結び、最恵国条項により第3国に与えた特恵が自動的に相手国にも適応され、これにより欧州の“自由貿易体制”が確立した。

 

参照:条約締結の詳細はA.L.Dunham: The Anglo-French Treaty Commerce of 1860、及び北野大吉:英国自由貿易運動史p446以降に詳しい

 

 

 

以下次回

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”大幅人口減”の見通し。そんな事、当たり前でしょ。こんな日本に誰がした??

2013-03-28 11:38:48 | Weblog

27日、厚労省が2040年までの人口の見通しを明らかにした。それによると7割の市町村で20%超の減の見通しだという。殆どの今朝の新聞の一面トップの記事である。しかしながらこれは今わかった分けではなく、投稿者も別に人口問題の研究者ではありませんが以前にも触れましたが、全く因果関係が明らかなわけで、それに何の対処もしない特に自民党政権の政策にその原因が有るとしか言いようが無いでありましょう。

 

まずデータ的にはっきりしているのは30代男性で年収300万円未満になると婚姻率が格段に下がる(内閣府、結婚家族形成についての意識調査)2010年でそれは26.5%→9.3%である。http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2451.html

 

 

また雇用形態で言えば30-34才男性の婚姻率は

正社員:59.6% 、非典型雇用30.2%(内閣府[子ども・子育て白書]2011年版)であり、非正社員の婚姻率は圧倒的に低い。

 

また

子育てにかかる負担として大きいと思われる事は何か?と言う問いに

①学校教育費(大学、短大、専門学校)が68.9%

②学習塾など学校以外の教育費47.2%

③保育所、幼稚園、認定子ども園にかかる費用34.8%

④学校教育費(小学校、中学校、高校)31.5%

⑤学習塾以外の習い事の費用17.0%

となっており教育に関する費用が大きいことを伺わせる。内閣府[子ども・子育てビジョンに係わる点検、評価のための指標調査 報告書](2012年3月 資料全労連春闘白書p89)

 

またそれを裏付ける調査としてはOECD諸国の中で”一般政府支出中に占める公財政教育支出”は加盟国中、最下位である。(同白書p88)

 

これを見れば何故、人口が急減に向かっているかは全く一目瞭然である。90年代半ば以降急上昇してる非正規の拡大(現在も”雇用流動化”等言ってそれを拡大するつもりである)

本音では最低賃金制度の廃止等唱える某維新等も同罪である。

 

更に”景気対策”と称して公共事業に毎年20兆円も使おうとしているその見通しの無さ加減、公支出は究極的にはその国の産業構造に影響を与えるわけであり、このままの方向で行けば日本は悪い意味で”土建国家”に向いているとしか言いようが無い。教育や福祉は”無駄金”、”消費的”と一部では捉えられているが、それは当然その分野の雇用を増やし”産業”になるわけであり、上記需要に適うものであり、公教育分野への公的支出の増はその分家庭の支出が削減され、他の分野の個人消費へと資金が向かい全体としての個人消費の拡大になる。その辺の理解がないと2040年には上記報告書のとおりになるでありましょう。

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経団連の”社会的存在意義”とは???

2013-03-25 12:19:33 | Weblog

この日本国において何らかの形で存在する”団体”は法によるものよらないものを問わず基本的には何らかの社会的福利に寄与するのがその存在意義というものでありましょう。身近な所では町内会、地方公共団体、自治会、学生の自治会、NPO法人等々、と思うのでありますが最近些か疑問に思うのは大企業経営者を中心とする”経団連”と言う組織の社会的存在意義である。戦後の1946年に旧経団連、1948年日経連から出発しその意義からするなら説明にはこう書いてありますが、(以下HP引用)

 経団連は、貿易の自由化、自由競争の促進、行財政改革の推進、環境問題への取組み、民間経済外交の推進など、経済界が直面する内外の重要課題の解決と、自由主義経済の維持・活性化を通じ、わが国ならびに世界経済の発展に寄与してきました。一方、日経連は「経営者よ 正しく強かれ」をスローガンに、労働問題を専門的に扱う経営者団体として、一貫して「人間」の問題に軸足を置き、春季労使交渉をはじめとする賃金交渉への対応など、安定した労使関係の構築に貢献してきました。

そういった中、2002年5月に旧経団連と旧日経連が統合し現在の経団連が発足した

 

しかしここにおいて些かと言うよりかなり注目しなければならないのは、前にも投稿した事がありますが、統合前の旧日経連が1995年5月に出している”新時代の[日本的経営]”と言う文書であります。(之について現経団連は否定もしていませんからそのまま有効であると思われますが)

そこには今後の勤労者(労働者)の処遇として三つに分類し、それは

①長期蓄積能力活用型グループ

②高度専門能力活用型グループ

③雇用柔軟型グループ

 

と三区分しその②、③については雇用形態が”有期雇用契約”(終身雇用の廃棄)、また退職金、年金については”なし”となっている事であります。(なにやら最近の労働者の処遇にぴったりしていると思われますが)ここで考えなければならないのは一般国民は生産手段から切り離されえているので大人になればどこかの会社に雇われるかあるいは公務員になるか、または自ら”起業”(自営業)するか、しかその選択はありません。

そこで問題になるのが上記報告であります。ここで勤労者が②または③と位置づけられたら即その人はその老後を退職金なし、年金なし、の状況に追い込まれることになります。若いうちに何らかの形で①グループに入らなければそれは必然的にそうなります。

 

ここで始めの提議に戻りますが、果たして経団連は自ら雇う労働者を定年前に①グループに処遇するつもりはあるのでしょうか?昨今政府の部内でも一層の”雇用流動化”が叫ばれていますが、それは要は②、③の労働者を増やすと言う事でありましょう。もしそうなら経団連はそのような労働者たちの老後についてどう対処すべきか明らかにすべきでありましょう。90年代半ば以降非正規労働者が増えそれと並行して生活保護受給者が増えているのはこの方針と無関係ではないでしょう。それは自然現象ではない。

労働者は企業に雇われなければその生計費は取得できないのであり、従って企業特にその中心的団体は労働者の生活にビジョンを出す責任があり、それ抜きに単に②と③のみを増やす方針ならある意味”社会的存在意義”は相当疑問があると思うのは投稿者だけでありましょうか?こういう方々を○○○○と呼ぶのも不適当とは言えないのではないでしょうか?

 

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