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2月11日の奇祭・砂かけ祭で知られる廣瀬大社(河合町)/毎日新聞「やまとの神さま」第70回

2024年01月20日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。早いもので、今回(2024.1.18 付)で70回を迎えた。今回は〈河川群交わる地に水神/廣瀬大社(河合町)〉、執筆者は同会会員で、京都市在住の砂田信夫さんだった。
※トップ写真は、廣瀬大社の拝殿=河合町川合で

廣瀬大社は古くから「水の神」として知られ、「風の神」の龍田大社(三郷町)と合わせて祭られ、かつては2つの神社に毎年4月と7月、勅使が遣わされていた。では、全文を紹介する。

廣瀬大社(北葛城郡河合町)
廣瀬大社(河合町)は、大和川、飛鳥川、曽我川など奈良盆地を流れる多くの河川が合流する地に鎮座します。このため、主祭神は水をつかさどる若宇加能売命(わかうかのめのみこと)(大忌神=おおいみのかみ)です。山谷の悪水を良水に変え、河川の氾濫を防ぐ神であり、五穀豊穣(ほうじょう)と人々の食物を守る「御膳神(みけつかみ)」としても信仰されています。

大社の縁起では、紀元前89年、龍神から「沼から去る」とお告げがあり、一夜にして沼が陸地に変わり、橘(たちばな)の木が数多く生えたため、崇神(すじん)天皇が社を創建されたと伝わります。今でも砂地の境内にご神木の橘があります。

日本書紀によると、その後、天武天皇は「風水を治めれば天下が安泰する」との信仰から、朝廷より官人を遣わし、龍田大社(三郷町)の龍田風神(たつたかぜのかみ)と一対の神として大忌神をこの地「廣瀬乃河曲(ひろせのかわはら)」に祭りました。これが「大忌祭(おおいみのまつり)」の始まりです。かつては毎年4月4日と7月4日に行われましたが、現在は8月21日に開かれています。

大忌祭の中で砂を掛け合う一行事が、2月11日に行われる奇祭「砂かけ祭」(御田植祭)として今に継承されています。何度も激しく宙を舞う境内の砂は、恵みの雨水に見立てられ、田植えの無事を祈る人々の強い祈りが込められています。(奈良まほろばソムリエの会会員 砂田信夫)

(住 所)北葛城郡河合町川合99
(主祭神)若宇加能売命(わかうかのめのみこと)
(交 通)近鉄池部駅から北東へ徒歩約20分、JR法隆寺駅から南東へ徒歩約20分
(拝 観)境内自由
(駐車場)あり(無料)
(電 話)0745・56・2065


コメント (2)
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