tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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横大路と中ツ道の交差点に立つ「三輪神社」(桜井市西之宮)/毎日新聞「やまとの神さま」第67回

2024年01月03日 | やまとの神さま(毎日新聞)
今朝(2024.1.3)の毎日新聞朝刊一面を見て、目を見張った。そこには「能登で震度7 死者55人」。昨日の同時刻ではわずか「8人」という発表だったが、被害の内容が分かるにつれ惨状が明らかになりつつあるのだ。

昨日(1/2)の夕方、羽田空港で日航機と海上保安庁の航空機が衝突し隊員5人が死亡したが、この海保機は能登半島地震の救援物資を新潟航空基地に輸送するところだったというから、これは二次災害と言うべきものだろう。徐々に義援金の受け付けも始まっているので、これはぜひ協力しなければ…。

さて昨日に引き続き、毎日新聞「やまとの神さま」の年内積み残し分を紹介させていただく。今日は12/14付の〈古代の交通路 交わる地/三輪神社(桜井市)〉、執筆者は奈良まほろばソムリエの会会員で、桜井市にお住まいの梅田加都(うめだ・かづ)さんだった。地元の神社として、三輪神社にはよくお参りされているようだ。

この神社は、横大路と中ツ道の交差点、つまり交通の要衝に立っている。万葉集に「海石榴市(つばいち)の八十(やそ)の街(ちまた)に立ち平(なら)し結びし紐(ひも)を解(と)かまく惜(を)しも」(⑫ 2951)とあるが、この街(ちまた=道股)は交差点(交通の要衝)のこと。三輪神社は、ここで旅の安全を見守ったのだろう。では、全文を以下に紹介する。

三輪神社(桜井市西之宮)
三輪神社は、橿原市との境の桜井市西之宮に鎮座します。主祭神は大物主櫛甕玉命(おおものぬしくしみかたまのみこと)で、北東にある三輪山の大神(おおみわ)神社と同じです。

当社はその三輪山の方角を向き、三輪の集落の南西角を守る神さまとして奈良時代に造られたと伝わります。その後、内垣内(うちがいと)という所にあった白山神社の祭神、菊理姫命(くくりひめのみこと)が合祀(ごうし)されました。

この地は古代に葛城市と桜井市を東西につなぐ官道「横大路」と、藤原京と平城京を南北に結ぶ大和三道の一つ「中ツ道」が交差する要衝でした。そのにぎわいを感じさせる巨大な花こう岩(直径140㌢)が境内の南西隅の水路の中に残っています。「面堂の礎石」と呼ばれ、古代寺院の遺構か、藤原京の寺院から持ち出した物なのかは明らかになっていません。

また、境内の入口にはケヤキの御神木があります。江戸時代、伊勢神宮に参詣する「おかげ参り」の人たちが横大路を通る際の目印となり、江戸時代のガイド本「西国三十三所名所図会(ずえ)」にも、この大樹を見上げる旅人が描かれました。

2019年10月、住民や参拝客が御神木の下で休息できる交流拠点「緑の一里塚」が設けられました。歴史ある祈りの場として、西之宮の地域住民から親しまれ、大切に守られています。(奈良まほろばソムリエの会会員 梅田加都)

(住 所)桜井市西之宮135
(祭 神)大物主櫛甕玉命(おおものぬしくしみかたまのみこと)
(交 通)近鉄大阪線耳成駅、またはJR桜井線香久山駅から、いずれも徒歩約5分
(拝 観)境内自由
(駐車場)無し
(電 話)無し


コメント (2)
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