昨年度末に閉鎖された「奈良少年刑務所」(国の重要文化財)が、国内初の「監獄ホテル」に生まれ変わる!産経ニュース(2017.5.26 17:15)「国内初の〝監獄ホテル〟閉鎖の奈良少年刑務所の活用事業、平成32年にも開業」によると、
※トップ写真は「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」のFacebookから拝借
法務省は26日、老朽化で平成28(2016)年度末に閉鎖された奈良少年刑務所(奈良市)の活用事業について、全国にホテルを展開する「ソラーレホテルズアンドリゾーツ」(東京)を代表とするグループを優先交渉権者に選んだと発表した。刑務所の建物がホテルになるのは国内で初めて。グループは32年のホテル開業を目指している。
■官房長官も「日本の観光が変革しつつある象徴…」
法務省によると、奈良少年刑務所は、明治政府が監獄の国際標準化を目指して建設した「五大監獄」で唯一現存。今年2月に重要文化財に指定され、閉鎖決定後に地域住民から保存を求める声が上がっていた。
グループの提案によると、旧監獄棟をリノベーションしたホテルや、刑務所の建物を眺められるホテルを新設する。宿泊料金は1万2千円から2万円台までを想定。レストランや天然温泉、刑務所の歴史を伝える史料館も併設する。史料館は31年10月にオープンする予定。菅義偉官房長官は26日の記者会見で「日本の観光政策が変わってきた象徴になるのではないか」と述べ、視察に前向きな姿勢を示した。
これは朗報だ。古都奈良に「監獄ホテル」とは、新たな「奈良名物」の誕生である。「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」を立ち上げた松永洋介さん(ならまち通信社)は、同刑務所の写真展のための解説(2010年3月)に、このように書かれている(松永さんのFacebookより)。
奈良市般若寺町の奈良坂の丘にそびえる奈良少年刑務所(旧・奈良監獄)は、明治41年に竣工した、五大監獄の一つ。欧米列強に国威を誇示するためにあえて壮麗に作られた明治の名建築です。設計は司法省の山下啓次郎氏。設計に至る経緯は、孫であるジャズピアニストの山下洋輔氏により詳しく調査され、同氏の小説『ドバラダ門』に記されています。
五大監獄のうち千葉・金沢・長崎・鹿児島では、完全に解体されたり、一部建物を残すのみ。全容が保存され、百年の歴史を超えて現在も使用されているのは唯一奈良だけです。わが国の貴重な近代建築遺産ですが、いまだ文化財指定を受けておらず、また、現役の刑務所という施設の性質上、見学の機会はほとんどなく、残念ながら、その文化遺産としての価値が周知されていません。
ならまち通信社の松永洋介と寮美千子は、奈良少年刑務所で2007年に始まった先進的更生教育「社会性涵養プログラム」で受刑者向けの童話と詩の講座を担当しており、刑務所の中に入って、その建物の美しさに感銘を受けました。どうにかして広く一般にこの明治建築の実像を伝えたいと考え、今回、撮影許可を申請し、プロカメラマンを東京から招いて、刑務所職員ですら目にすることがないという奥の奥まで、徹底的な撮影を行いました。
遷都1300年の奈良で、わが国が誇る近代化遺産として、また地域のシンボルとして、奈良少年刑務所の建物の魅力を再発見していただければと存じます。また、これを機に、刑務所に対する興味・関心をお持ちいただくことで、奈良少年刑務所と刑務行政への理解の一助となれば幸いです。2010年3月 ならまち通信社
「少年刑務所、ホテルにしたら面白いなぁ」とは、仲間内でもささやかれていたが、本当に実現するとは、すごい。これは「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」の松永さんや奥さんの寮美千子さんなどの熱い思いが通じたのだ。奈良の新たな観光資源の誕生、おめでとうございます!
※トップ写真は「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」のFacebookから拝借
空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― | |
寮美千子 編 | |
新潮文庫 |
法務省は26日、老朽化で平成28(2016)年度末に閉鎖された奈良少年刑務所(奈良市)の活用事業について、全国にホテルを展開する「ソラーレホテルズアンドリゾーツ」(東京)を代表とするグループを優先交渉権者に選んだと発表した。刑務所の建物がホテルになるのは国内で初めて。グループは32年のホテル開業を目指している。
■官房長官も「日本の観光が変革しつつある象徴…」
法務省によると、奈良少年刑務所は、明治政府が監獄の国際標準化を目指して建設した「五大監獄」で唯一現存。今年2月に重要文化財に指定され、閉鎖決定後に地域住民から保存を求める声が上がっていた。
グループの提案によると、旧監獄棟をリノベーションしたホテルや、刑務所の建物を眺められるホテルを新設する。宿泊料金は1万2千円から2万円台までを想定。レストランや天然温泉、刑務所の歴史を伝える史料館も併設する。史料館は31年10月にオープンする予定。菅義偉官房長官は26日の記者会見で「日本の観光政策が変わってきた象徴になるのではないか」と述べ、視察に前向きな姿勢を示した。
これは朗報だ。古都奈良に「監獄ホテル」とは、新たな「奈良名物」の誕生である。「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」を立ち上げた松永洋介さん(ならまち通信社)は、同刑務所の写真展のための解説(2010年3月)に、このように書かれている(松永さんのFacebookより)。
写真集 美しい刑務所 明治の名煉瓦建築 奈良少年刑務所 | |
上條道夫/寮美千子 | |
西日本出版社 |
奈良市般若寺町の奈良坂の丘にそびえる奈良少年刑務所(旧・奈良監獄)は、明治41年に竣工した、五大監獄の一つ。欧米列強に国威を誇示するためにあえて壮麗に作られた明治の名建築です。設計は司法省の山下啓次郎氏。設計に至る経緯は、孫であるジャズピアニストの山下洋輔氏により詳しく調査され、同氏の小説『ドバラダ門』に記されています。
五大監獄のうち千葉・金沢・長崎・鹿児島では、完全に解体されたり、一部建物を残すのみ。全容が保存され、百年の歴史を超えて現在も使用されているのは唯一奈良だけです。わが国の貴重な近代建築遺産ですが、いまだ文化財指定を受けておらず、また、現役の刑務所という施設の性質上、見学の機会はほとんどなく、残念ながら、その文化遺産としての価値が周知されていません。
ならまち通信社の松永洋介と寮美千子は、奈良少年刑務所で2007年に始まった先進的更生教育「社会性涵養プログラム」で受刑者向けの童話と詩の講座を担当しており、刑務所の中に入って、その建物の美しさに感銘を受けました。どうにかして広く一般にこの明治建築の実像を伝えたいと考え、今回、撮影許可を申請し、プロカメラマンを東京から招いて、刑務所職員ですら目にすることがないという奥の奥まで、徹底的な撮影を行いました。
遷都1300年の奈良で、わが国が誇る近代化遺産として、また地域のシンボルとして、奈良少年刑務所の建物の魅力を再発見していただければと存じます。また、これを機に、刑務所に対する興味・関心をお持ちいただくことで、奈良少年刑務所と刑務行政への理解の一助となれば幸いです。2010年3月 ならまち通信社
「少年刑務所、ホテルにしたら面白いなぁ」とは、仲間内でもささやかれていたが、本当に実現するとは、すごい。これは「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」の松永さんや奥さんの寮美千子さんなどの熱い思いが通じたのだ。奈良の新たな観光資源の誕生、おめでとうございます!