毎日新聞奈良版(7/30付)で、NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の取り組みが紹介された。同会の「保存・継承グループ」(担当:鈴木英一理事)が中心となり、県下市町村指定文化財の現状を調査しているのである。記事全文を紹介すると、
文化財 この手で守る 県内600以上の「市町村指定」 NPOが現状調査 適切管理へ情報発信
奈良の歴史や文化を生かした観光ボランティア活動などに取り組むNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が、建造物や史跡など県内の市町村指定文化財の現状調査に取り組んでいる。国・県文化財に比べて知名度が低い市町村の文化財に光を当て、適切な保存管理につなげる狙いだ。同会は奈良のご当地検定「奈良まほろばソムリエ検定」の最上級合格者らで構成。メンバーは幅広い知識を活用し、ツアーの企画やガイド、講師派遣などをしている。
活動の一環として2013年から始めたのが、県内に600件以上ある市町村指定文化財の調査。知名度が低いうえ、管理予算も少ないため、文化財の保全状況や各自治体の施策をメンバーが実地踏査などで調べることにした。13~14年度には建造物約110件を調査し、15年度は史跡や天然記念物などを踏査する予定だ。
今月26日には、同会のメンバー9人が大和郡山市内の史跡などを巡った。訪問地の一つ「稗田環濠」は、室町時代以来の姿を伝えるとされる集落史跡。水をたたえた濠に囲まれた集落内の道は防御しやすいよう複雑に曲がる。メンバーは丹念に集落内を撮影するなどした。また、郡山城で没した戦国武将・豊臣秀長の墓所「大納言塚」では、メンバーが五輪塔の周囲の石造物に刻まれた記述などを調べ、地元の町衆が維持してきたことを確認した。
参加した同会の関美耶子理事は「文化財は『守られる』のではなく、自分たちで『守る』べきものだ」と語る。今後は月2回をめどにメンバーが各市町村を訪ね、来年3月までに史跡・天然記念物など約100件を調査する。同会の亀田幸英理事は「現場に行き、歩いて見て分かることもある。地道な活動が大事で、市民レベルで現状を把握し、情報を発信していきたい」と話している。【矢追健介】
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が発足したのは2013年2月。それまでは任意団体「奈良まほろばソムリエ友の会」だったが、「社会に貢献しよう」と、NPO化を図った。合い言葉は「インプットからアウトプットへ」。そのとき発足したのが「保存・継承グループ」で、文字通り県下文化財の保存と継承が図れるよう、調査活動を行っている。
メンバーが調査活動を行った7/26(日)は、日陰でも汗が噴き出す暑さだった。たまたま私はツアーの下見で三宅町の環濠(伴堂~屏風)の辺りを歩いていたが、こんな日の調査はさぞ大変だったことだろう。県下で環濠が完全な形で残っているのは「稗田環濠」くらいだから、この調査はとても意義あることだ。
「保存・継承グループ」の皆さん、調査結果を楽しみにしています!
文化財 この手で守る 県内600以上の「市町村指定」 NPOが現状調査 適切管理へ情報発信
奈良の歴史や文化を生かした観光ボランティア活動などに取り組むNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が、建造物や史跡など県内の市町村指定文化財の現状調査に取り組んでいる。国・県文化財に比べて知名度が低い市町村の文化財に光を当て、適切な保存管理につなげる狙いだ。同会は奈良のご当地検定「奈良まほろばソムリエ検定」の最上級合格者らで構成。メンバーは幅広い知識を活用し、ツアーの企画やガイド、講師派遣などをしている。
活動の一環として2013年から始めたのが、県内に600件以上ある市町村指定文化財の調査。知名度が低いうえ、管理予算も少ないため、文化財の保全状況や各自治体の施策をメンバーが実地踏査などで調べることにした。13~14年度には建造物約110件を調査し、15年度は史跡や天然記念物などを踏査する予定だ。
今月26日には、同会のメンバー9人が大和郡山市内の史跡などを巡った。訪問地の一つ「稗田環濠」は、室町時代以来の姿を伝えるとされる集落史跡。水をたたえた濠に囲まれた集落内の道は防御しやすいよう複雑に曲がる。メンバーは丹念に集落内を撮影するなどした。また、郡山城で没した戦国武将・豊臣秀長の墓所「大納言塚」では、メンバーが五輪塔の周囲の石造物に刻まれた記述などを調べ、地元の町衆が維持してきたことを確認した。
参加した同会の関美耶子理事は「文化財は『守られる』のではなく、自分たちで『守る』べきものだ」と語る。今後は月2回をめどにメンバーが各市町村を訪ね、来年3月までに史跡・天然記念物など約100件を調査する。同会の亀田幸英理事は「現場に行き、歩いて見て分かることもある。地道な活動が大事で、市民レベルで現状を把握し、情報を発信していきたい」と話している。【矢追健介】
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が発足したのは2013年2月。それまでは任意団体「奈良まほろばソムリエ友の会」だったが、「社会に貢献しよう」と、NPO化を図った。合い言葉は「インプットからアウトプットへ」。そのとき発足したのが「保存・継承グループ」で、文字通り県下文化財の保存と継承が図れるよう、調査活動を行っている。
メンバーが調査活動を行った7/26(日)は、日陰でも汗が噴き出す暑さだった。たまたま私はツアーの下見で三宅町の環濠(伴堂~屏風)の辺りを歩いていたが、こんな日の調査はさぞ大変だったことだろう。県下で環濠が完全な形で残っているのは「稗田環濠」くらいだから、この調査はとても意義あることだ。
「保存・継承グループ」の皆さん、調査結果を楽しみにしています!