WESTWOOD -手作りビンボー暮らし-

持続可能な社会とは、必要なものはできる限り自分(達)で作る社会のことだ。衣食住なんでも自分で作れる人が偉いのだ。

2007びわこ環境ビジネスメッセ

2007年10月25日 | 環境・エコ・共生・持続・温暖化とか・・

10月24-26日開催中の「2007びわこ環境ビジネスメッセ」という環境産業総合見本市を見て来た。
会場は滋賀県北部、長浜市の長浜ドーム。


会場周辺の芝生には温暖化の影響か?タンポポが咲いていた。愛知万博(愛地球博)の払い下げ?ベロタクシーも。駅との送迎はお約束のBDFバス。


出展をパンフレットで数えると268もあるから相当な数だ。NTT、ナショナル、キャノン、大阪ガスといった大企業から、中小企業、ベンチャー、自治体・公共団体、大学、NPO、海外と実に多彩だ。

内容件数では多い順に、省エネ・新エネルギー関連、リサイクル関連、廃棄物処理・浄化システム、ソリューション・コンサルティング・支援事業、啓発事業、その他といったところ。以下、個人的に興味を引いたものを紹介します。その他は「2007びわこ環境ビジネスメッセ」のHPを参照ください。

バイオマス発電

木質、家畜排泄物、食品廃棄物から熱・電気エネルギーを得るシステム。天候に左右されないが、初期投資低減と効率アップが課題か。家庭用ではない、小地域共同利用には有望かもしれない。

風力発電
 
展示は2社のみだった。太陽光発電と併用して電池に蓄電し、無風・夜間でも継続使用可能なシステムとしていた。1社は風速12.5m、300Wで60万円(風力のみ)、1,500Wシステムもある。もう1社は電力200W程度で太陽光併用システム価格120万円。発電量的に外灯など小電力機器専用でしか使えないだろう。

小水力発電
 これも意外に少なく1社のみだった。効率不明。まだまだ研究段階で実用レベルではないということか。

太陽光発電
最多、といっても風力との併用含めて3社のみ。すでに普及しているのであえて展示宣伝するところもないのだろう。太陽光専用システムの1社は3kwと一般家庭なら実用レベルでシステム価格200万円程度とのこと。やはり現状では太陽光発電がコストパフォーマンス的にも最も実用レベルか。

ガス発電

ご存知、エコウィルだ。 うちの学区周辺でも2、3見かけた。設置している人の話では以前に比べてガス代が倍、電気代が1/3くらいになったそうだが。エコキュートに対抗できるか。快調の余裕か電力会社系では、エコキュートは展示の一部で前面に押し出してはいなかった。

地中熱利用システム

井戸水でよく知られているように、地下数10mでは年中温度が15℃くらいで一定している。この地熱をヒートポンプで熱交換して空調などに利用しようというもの。アイデアとしては面白いと思った。ただ、ヒートポンプを動かすのにやはり電力がいるのでどうだろうか。

地域熱供給事業

べつに応対のお姉さんがきれいだったからというわけではないが、エネルギー有効利用対策として最も現実的かつ効率的だと思われた。一定の小地域ごとに太陽光、風力、水力、廃熱、各種廃棄物処理熱などを総合的に管理し利用するシステム。「地域総合エネルギー利用協同組合」といったところだ。遠くへの送電や運搬による損失を抑えられるし災害などの場合でも被害を小地域に限定できる。地域間格差を生じやすいだろうから、そこをどう少なくするかが課題だろう。

エコかどうかアヤシイが、個人的にはツボにはまったオモシロ「環境」グッズ達

エコ将軍
ペットボトル減容機 リング・ラベル切取り装置付(特許出願中)!

PETボトルをつぶす機械。同時に口金とラベルも切り取ってくれる優れもの。「一家に1台どうぞ」ってか。ナイフで切った方が断然安上がりだし早いぞ。でもこういう発想大好き。

自然流炭焼き窯 炭焼き達人

 移動式炭焼き機。右下のが家庭用T105型、容量105L、定価378,000円。左奥の丸い五右衛門風呂みたいのは業務用?、405L。電気やガス、石油などは一切不要。要するに昔ながらの「炭焼き窯」と原理はいっしょ。移動式なのがミソ。また容量5L分のハンパがいかにも関西のり。メーカーは職人の町東大阪のとある小企業。あのNASA御用達、宇宙開発になくてはならない優れた技術を持った小企業がある町だが、一方で浪速の職人魂には常に遊び心がともなってうれしい。数ある展示品の中で唯一、即買いしたくなった逸品だ。

ソーラー和船
和船は櫓で漕ぐのが風情あるしエコでしょうが。

エコ花火

 花火大会用の大玉と並んで、ロケット花火が展示してあった。「ロケット花火は環境に良くないでしょう」とからむと「いや、プラスチックを使わず、生分解性の材料を使っているからどっかへ飛んでいってもいずれ自然に帰るので、環境にやさしいロケット花火なんです」ときたもんだ。笑いをこらえるのが大変だった。まさにエコ便乗商品の典型、商魂たくましい。

練習用和太鼓

なにがエコなのか?というと、タイコの胴が電線か何か巻いてあった紙管、皮がブルーシートの廃物利用。リサイクル、リサイクル。値段次第では買いたくなった。が、思い直した。自分でも作れそうだし。音は意外にタイコっぽかった。

滋賀県版 ペレットストーブ

 昨年11月、高取森の感謝祭でプロトタイプが展示されていたが、あれから1年、ついにベールを脱いで華々しく?登場。予価40万円はまあ、スウェーデン製に比べれば格安だ。今日、NHKの番組で、政府の補助金をもらって立ち上げた木質ペレット事業が、売れなくてどこもうまくいっていない、と。なんという皮肉。

不法投棄監視システム

べつにエコちゃうやん、アホらし。

マイカップ自販機

「マイ箸」と同じ発想、悪乗り。んなもん売れるかい。売れるようではエコは遠いね。
しかも「環境」をうたう会場は自販機だらけだしPETボトルだらけだし...。

災害対応型自動販売機

 コカ・コーラはじめ飲料業界は環境ブームではむしろ逆風企業、と思っていたらこんな手があったか。なかなかしぶとい。環境とは関係ないと思うけど、ま、災害時にタダで飲み物が出るようになるのは、よいわな。取り合いにならなきゃいいけど...。
この間テレビでもやってて、主婦風のオバサンに「それはありがたいですねえ、地震の時まず欲しいのは飲み物ですから」と言わせていた。展示ブースも出してリキ入ってた。

最後に、USAミシガン州、インドネシア、韓国などの外国ブースの中でひときわ異彩を放っていたのが中国湖南省ブース。

「中国湖南省は、環境に配慮して産業開発に力を入れており、経済活動も急進中です。魅力ある投資市場ですよ、日本の皆さんぜひ投資を」とヘンな中国版略漢字と日本語で呼びかけていた。中国はたくましい!

 全体の印象として、環境、エネルギー問題に対する危機感といったものが感じられなかった。やはり、環境ブームに乗っかって新しいビジネスを開拓し、環境問題さえも経済拡大の原動力にしてしまおうという、いささかマッチポンプ的な貪欲さばかりが目に付いてしまうのは「ビジネスメッセ」だから仕方ないことなのかもしれない。しかし、これでは本当の環境問題解決は遠のくばかりだ。
 実際、「余計なことをしてかえって環境負荷を増大させている」印象の展示も多かった。そもそもこのイベント自体、環境に余計な負荷をかけているとも言えるかもしれない。


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