初詣に行った三宅八幡神社の絵馬を見に行ってきました。
元日は柵がしてあって休館だと思ったのですが、社務所で申し込めば入館できたそうです。というか柵は常時してあって、鑑賞希望者は社務所で申し込むシステムになっているようでした。この日も入館希望者は私だけだったようです。職員の方がマンツーマンで丁寧に解説していただき、とても興味深く鑑賞することができました。
絵馬というと文字どおり馬や干支などを描いたものが多いですが、ここの絵馬は一般庶民の、それも大勢の団体で遠足のようにお参りする様子を描いたものが多く、当時の庶民風俗を偲ぶことができ、民俗学的史料価値は高いと思われます。
下はその一例。館内は撮影禁止なのでパンフから写したもの。
中には100人以上の行列が描かれたものもあり、右の図のように服装や動きまで生き生きと表現されており、しかもその一人ひとりの名前まで記されているのです。名前から存命する子孫の方が判明した人もいるようです。子孫の方はそれを見てさぞ感慨深かったことでしょう。
絵馬群の整理研究成果を記録した冊子。2,500円ですが十分に価値はあると思います。
整理・調査研究は2005年に行われたようで、それまでほとんど注目されていなかったため、絵馬殿で野ざらしになっていて傷みが激しいものも相当あるのは残念なことです。
有名寺社のものは研究・保全も盛んに行われますが、地方の忘れられたような小さい寺社にもこのような貴重な文化遺産が日の目をみられることなく眠っているかもしれません。
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