「カラマツ伐採顛末記」最終報告です。多くの方々を巻き込んでしまい、ご迷惑もたくさんおかけしてしまいました。本当に申し訳ございませんでした。
5月9日から17日の間、森の奥の出しにくいところにわずかずつ残っていた除間伐木と粗朶類を片付け、出した木は雑木も含めてすべて全て処分してきました。
業者さんの回収車。グラップルという巨大ロボットアームで丸太をわしづかみにして10tトラックの巨大な鉄箱にガンガン詰め込んでは処分場に運ばれていきます。
このグラップルつきのトラック、2,300万円もするそうです。のべ約60日とのべ約150人をかけてユンボと人力のみで搬出した木の山が、のべトラック9杯わずか3日!で片付いてしまいました。なんかむなし・・・。
木は全てチップに砕かれパルプの原料となります。いちおう買取ってはくれるのですが、今は相場も低迷状態で1円/kgという買い取り価格です。トラック1杯が約8tですから9杯で72t、72,000円といったところ。はぁ~~。
この森も含めて山梨はカラマツとアカマツが圧倒的に多い。次に多いのがヒノキ。杉はあまり見ません。
カラマツは“暴れる木”として嫌われ建材としては値がつかないため、ほとんどのカラマツ林は放置林のまま荒れ放題です。よしんば除間伐しても搬出費用の方が高くて割に合わないので、“林内処分”といって伐り倒したまま森の中に捨て置かれます。丸太が乱雑にごろごろ捨て置かれている、そんな森をあちこちで見かけました。人間の身勝手さを見せ付けられた思いでした。
搬出した木のうち細すぎたり節だらけだったり曲がっていたりといった不良材はチップ業者さんに引き取ってもらいますが、ログ材(建材)になりそうな木は少しでもお金にしたいと思い森林組合に相談しました。数日後、森林組合から連絡があり、「チップ業者さんにも相談されていますね。引き取り先もなかったのでそちらに引き取ってもらってください」と言われてしまいました。
森林組合にはチップ業者さんのことなど話もしていないのに、「なんでチップ業者さんにも相談していることが分かったんだろう?」と不思議に思いましたが、どうやら除間伐と木の処分も含めて、この地域を管轄している森林組合はチップ業者さんに丸投げしている様子。森林組合はチップ業者の単なる窓口?、いったいその存在意義は?。「森林組合がこれではそりゃ林業も立ち行かなくなるわな」と妙に納得。
このままではあまりにカラマツに申し訳ないので、せめてもの罪滅ぼしにとカラマツでカービングしてみました。富士山をバックに飛翔するノスリとそれを見上げるウサギ。
カラマツは杉よりずっと赤身の色が淡く、赤身の濃い杉でよくある変なコントラストの彫像にはなりにくい。半面毛羽立ちやすく、杉のような滑らかな彫り肌は出しにくいです。堅さは杉より少し堅いくらいで彫りやすいほうだとは思いました。ヤニが多いとよく聞きましたが赤松や杉に比べて目に見えて多いとは感じませんでした。チップや土木用以外の用途を見つけてあげれば、もう少しは立つ瀬もあるのかもしれません。