道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

焼玉エンジン

2022年10月20日 | 人文考察
人は眠っている間は、呼吸数も呼吸量も最低になり、血流量も減って、代謝量が基礎代謝量近くにまで下がる。睡眠中はそれで足りるからだ。

したがって、目が覚めたからといって、老人は直ちに行動スタンバイとはいかない。
体中の筋肉は寝ている間に拘縮し、内臓諸器官は未だ働かず、頭はぼんんやりしている。

唐突ですが、ここで話を小型船の機関に飛ばさせていただきます

ガソリンエンジンやディーゼルエンジンが小型軽量化されるまで、60年ほど前の沿岸漁業の小型船舶には、焼玉エンジンという内燃機関が使われていた。
そのエンジンは「ポンポン」と独特の排気音をたてるので、それを搭載した船は「ポンポン船」と呼ばれ、人々に親しまれていた。私も高校生ぐらいまでは、ポンポン船に幾度か乗ったことがある。

焼玉エンジンは、エンジンのシリンダーヘッドに鉄球が装着されていて、これをバーナーで赤熱し、シリンダー内に吹き込まれた燃料(軽油)と空気の混合気を燃焼させる構造だった。焼玉とは、この点火プラグの機能をもった鉄球のことである。

未明の出漁前、日本中の浦々の船溜まりでは、焼玉の予熱が一斉に始まる。漁師さんたちの朝は、出漁前の焼玉予熱で始まっていたのである。
現代の小型漁船は、自動車同様スターターボタンを押すだけで始動する。

前置きが長くなりましたが、これからが本旨です。

老人の身体は、この焼玉エンジンに似ている。肉体を機械に置き換えてみると、老化とは旧式機関に還ることに似る。
身体の始動に時間がかかるようになってきたのである。寝起きですぐ運動したり寒気に触れるのは、老体には無理であり禁物でもある。

朝目が覚めたら、猫のようにベッドで手足を思い切り伸ばす。続いて立ち上がり、踵の上げ下げを100回ほどして、脚の筋肉を目覚めさせる。

それから自称亀仙人の秘技中の秘技「コブラスクワット」に入る。
筋肉に刺激を与えながら、自動的に深呼吸をして酸素の取り込み量を増やす。エネルギーの90%を産むといわれるミトコンドリアに、少しでも多く酸素を送り届けようという魂胆である。起きて30分、さしもの老体も漸く目醒める。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (etegami0101)
2022-10-20 10:06:23
こんにちは😃
猫のようには、わかりやすい表現
ですね。やわやわ、ゆるゆる
慌てず騒がず、、ばあばの身体に言いきかせながら、今日も一日
頑張りましょう♪
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Unknown (tekedon638)
2022-10-20 20:01:08
@etegami0101 コメント有難うございます。
身体が痛いと動きたくなくなります。
モグラ叩きのように、次々と痛むところを見つけ、伸ばしたり引っ張っています。
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Unknown (ozuma-bass)
2022-10-21 19:44:27
リハビリが必要な自分にはとてもいいお話です。
ポンポン船も、初めて理屈を知りました。
いつもありがとうございます。
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Unknown (tekedon638)
2022-10-23 20:36:40
@ozuma-bass コメント有難うございます。
リハビリ、大変でしょうが、
頑張ってください。
継続が大切なのでしょうね。
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