窓から直線距離にして約100mほど南の、比高約30mの台地の高みに、高圧送電鉄塔が立っている。その鉄塔敷の周りは、こんもりとした森になっていて、小鳥たちの住処があるらしく、毎朝のさまざまな小鳥の声は、其処から聞こえてくる。森の外周は人家が取り巻いているから、その辺りの住宅はさぞ賑やかなことだろう。
この季節、朝起きて窓を開けると、ウグイスの悠長な鳴き声が聞こえて来る。この鳥の鳴き声は「ホーホケキョウ」のほか、5つぐらいのパターンがあるようだが、スイカズラが咲くようになったのに、まだ「ホーホケキョウ」と鳴いてメスを呼んでいる。ウグイスの生態に無知なお節介老人は心配になる。「未だメスが見つからないのか?」「何をモタモタしている?」「もっと頑張れ!」と、ひと?ごとながら、気を揉んでしまう。ツバメなどは、もう雛を孵しているというのに・・・
20分ほど、ひとしきり鳴いた後、何処かへ移動したのか声は聴こえなくなる。しばらくするとまた元の場所に戻って鳴いている。ウグイスという種は、カップルになり損ねた逸れ鳥が出るものだろうか?キジバトなどは、アッという間にカップルが成立しているようだが・・・
鉄塔の森の約100mほど西には、街道に沿って孟宗竹の林が在る。春も早い頃、最初に聴くウグイスの鳴き声は、バス停に近いこの竹林の中から始まることが多い。
春から初夏へ季節は遷る。いったいウグイスはどこで営巣するのだろう?
考えてみれば、この鳥は垣根の上からでなく下から庭に出入りするような習性があり、いつも忍者のように隠密行動をする。外見も小鳥たちの中ではとりわけ目立ち難い。姿を隠して声だけで相手を見つけるのだから、その苦労は並大抵でないのだろう。
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