CHESTNUTS's Living

Living・・・意味は「暮らし」
(なるべく)手作り、平穏で安心できる暮らしを目指しています・・・

「のだめカンタービレ最終楽章前編&後編」サウンドトラック

2009-12-27 00:06:15 | のだめ&クラシック
*注意!!
前回に引き続き、これもネタばれあり…かもです。
曲それぞれのエピソードは、原作・映画・私の考察が混ぜこぜになってます。
ご了承のうえ、お読みくださいませ…




のだめの新しいクラシックCDについて、まだ書いてなかったですね。

映画公開の10日前、12月9日にオリジナル・サウンドトラック版の「のだめカンタービレ最終楽章 前編&後編」が発売になりました。
前編だけでなく、後編の曲も収録されています。
そしてブックレットに、ショパンのピアコンを弾くのだめの姿が…うひゃ~豪華!贅沢!
しかも3枚組の大ボリュームなのですよ!
映画を観る前の予習としては勿論、映画を観た後に思いを馳せながら聴くのが、また良いのです…
全部新録音、しかもDisk2の「のだめ篇」は全てがラン・ラン氏によるパフォーマンス。
この全曲が彼のレパートリー曲だそうで…すごいですよね…



Disk1 千秋篇 オーケストラ

01.ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92より 第1楽章
02. 同上      第4楽章
  …毎度お馴染みの「ベト7」。
   映画のオープニングを飾りつつ、「楽友協会」での千秋ガラコンサートへと続く導入部にて登場。


03.デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
  …千秋がマルレオケ常任に就任する前、ピンチヒッターとして指揮する曲。
   リハーサル中の「決壊」シーンと「のだめ池ポチャ」シーンにリンクしています。

04.ラヴェル:「ボレロ」
  …上と同じく、千秋が就任前に指揮する曲。リハではなく本番にて登場。
   ソロの音がいちいちヘタッぴで、苦悩する千秋が面白い!(ひどい)

05.J.S.バッハ:ピアノ協奏曲第1番二短調BWV1052より 第1楽章
06. 同上      第3楽章
  …千秋が就任後、初めてのコンサートで、指揮振りする曲(2曲目)
   オケの信頼を勝ち得るために、千秋のピアノを団員に見せつけるために選曲された。
   だけど この成功が、のだめを絶望の入口へと追い込んでいく。

07.チャイコフスキー:序曲「1812年」
  …上と同じく、コンサート1曲目で披露される。
   千秋VSコンマス、頑張るオケ団員(民衆)、繰り広げられる闘い…最後には高らかに勝利の鐘と大砲が鳴り響く!
   映画の中で最も盛り上がり、まさに映画館がコンサーホールへと変わる!


Disk2 のだめ篇 ピアノ

01.モーツァルト:ピアノソナタ第11番イ長調K.331より 第3楽章「トルコ行進曲」
  …コンバト試験の曲。
   ラン・ランのピアノが、ラストで炸裂!!本人も「モーツァルトに怒られそう」とコメントしてるとか。
   マングースも頑張って太鼓叩いてます!

02.ショパン:ピアノソナタ第3番ロ短調作品58より 第1楽章
  …この曲が出るのは後編。
   オクレール先生の課題曲はどれも大曲ばかり。これは一体なぜなのか?
   焦っているのはのだめだけでなく、先生もなのかもしれない。
   
03.ドビュッシー:「映像」第1集より 「水に映る影」
  …後編にて登場予定。オクレール先生の課題曲。
   のだめより先に千秋がさらってしまい、のだめの闘争心をあおってしまう。
   千秋…やりすぎだよ。思いやりが足りなかったね。

04.ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番イ長調作品110より 第1楽章
05. 同上  第3楽章から
  …後編にて登場予定。オクレール先生の課題曲。
   「じゃじゃじゃじゃ~ん!」で有名なベトベンなのに、この曲ははっきりしてない!と悩むのだめ。
   千秋はベートーヴェンの実験的な面白さを諭す…奥深いシーン。
   第1楽章は慈愛に満ちた愛らしい曲、徐々に絶望へと進み、第3楽章は「裏切り」「苦悩に満ちた試練」「落胆」人の嘆きの全てがある。
   最後は疲れ果て、心もない。(byオクレール先生)
   べートーヴェンの苦悩が のだめの苦悩・嘆きとリンクする。
   第4楽章のフーガは「全ての悲嘆の色を一掃するかのような高揚感(by千秋)」だが、演奏されることはない。

06.ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調より 第1楽章
  …この曲を先輩と一緒に演奏したい!のだめが清良のコンクールで出会って愛した曲。
   なのに、Ruiが先に、千秋と演奏してしまい、のだめの絶望は最高潮に達する。
   明るく可愛く楽しい曲なのに…

07.ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11より 第1楽章
08. 同上  第3楽章から
  …ミルヒー指揮による、のだめの演奏。
   最高潮に達したのだめの絶望につけ込み、メフィストミルヒーがのだめを誘惑する。
   「千秋なんか忘れて、僕と一緒に行きますか?」…悪魔の手を取るのだめ。
   耳が聴こえなくなりつつあるミルヒーの願望「のだめの初舞台が見たい。のだめの奏でる美しい音を聴きたい。」
   助けを求めた千秋にスルーされ、絶望と限界に追い込まれたのだめは、悪魔の囁きに身を委ねるしかなかったのだろう。

   千秋先輩との夢のコンチェルト。
   しかしそれとは比較にならないほどの大舞台で、のだめはこの曲で世界デビューしてしまう。
   その晴れ舞台を実際に目にするのは千秋ただ一人。(他の人はネット)
   千秋の心情と、のだめの演奏に注目するべし!!

   協奏曲とは、普通ソリストとオーケストラがバランスを取りつつ作曲されるものだが、ショパンはピアノ寄りであり、
   この曲はまるでオーケストラは添え物、あるいは不要であるかのように作曲されているらしい。
   ピアノ中心→ピアノがオケを振り回す!→のだめデビューは、この曲でなければならない。
   二ノ宮先生と大澤先生の選曲は、いつも本当に素晴らしい…
   また、全ピアノ演奏者にとって「コンチェルトするなら、やっぱりこの曲!」との憧れの曲でもある。
   
        
09.ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番作品「悲愴」より 第2楽章Adajio cantabile
   …のだめの日本編冒頭に登場する、でたらめの悲愴が、ここで本物へと進化を遂げる!
    本来、原作ではベートーヴェン31番だが映画では悲愴が登場。
    千秋が流す涙…うぅっ、見たいよー!

10.モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ 二長調k.448/375aより 第1楽章
   …これが正真正銘のラスト曲(オチ)になるので、内緒にしときたいとこだけど…
    千秋とのだめの演奏。
    日本で、千秋は「悲愴」でのだめの音に出会い、「2台ピアノ」で二人が本当に出会った大事な曲。
    2台ピアノは、2台ともラン・ランの演奏。

11.大島ミチル/松谷卓編:「もじゃもじゃ組曲」より
   第1曲「もじゃもじゃの森」から“のだめとヤドヴィ”ヴァージョン
   …のだめ作曲の「もじゃもじゃ組曲」がドラマSPで実際に作曲され、映画後編ではさらにアレンジされる。
    原作に出てきたテルミンをヤドヴィが演奏し、のだめのピアノとコラボする。
    テルミン演奏者って本当にいるんだね~! 
    ピアニカ演奏といい、のだめの音楽スタッフはすごいな!!

12.フランス民謡:「ァヴィ二ヨンの橋の上で」
    …多分、のだめが子供達にレッスンする曲だと思う。


Disk3 マルレオケと仲間たち篇 室内楽、オーケストラ BGM楽曲

01.モーツァルト:オーボエ協奏曲ハ長調K.312/285dより 第1楽章とピアノ伴奏版
    …マルレオケのオーディションに黒木君が参加。ピアノ伴奏はターニャ。
     前日に起こる「のだめカレー事件」!!!!!!
     お腹抱えて笑える~!(ターニャ、ごめん!)

02.サラサーテ:「ツィゴイネルワイゼン」ピアノ伴奏版
    …マルレオケオーディション、ノースリーブのソリスティックな演奏曲。
    
03.ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104/B.191より 第1楽章kらピアノ伴奏版
    …マルレオケオーディション、ダニエル(原作では「くるみ」)お坊ちゃまの演奏曲。執事付き。

04.ジョリヴェ:バソン協奏曲より 第1楽章ピアノ伴奏版
    …マルレオケオーディション、ポールの演奏曲。
     ポール・黒木・のだめの「ヤキトリオ」エピソードは、映画では削除。残念。
     ただし、ポールの家族は全員ポール顔。。。

05.ブラームス:ヴァイオリン協奏曲作品77より 第3楽章
    …清良のコンクール演奏曲。情熱的でかっこいい!!

06.ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」より 第4楽章
    …千秋の「ボロボレロ」で大爆笑した松田だが、「1812年」を聴き本気になり日本へ帰国。
    RSオケをしごく!!

07.ベートーヴェン:交響曲第9番二短調作品125「合唱付き」より 第4楽章から
    …千秋からボレロのチェレスタを頼まれたのだめが歓喜いっぱいに弾ける!!
    原作では一コマしか登場しない「変態の森」を、ここまで膨らます必要が果たしてあるのか無いのか!?
    とにかく笑えるし、子供もきっと喜ぶこと間違いなし!のシーン。
    
08.エルガー:「エニグマ」変奏曲より 第9変奏「二ムロッド」
    …ハルモ二ーについて語るのだめと千秋のシーンで登場。
     音楽の謎を読み解くと同時に、宇宙を感じさせる壮大な曲。

09.マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調より 第4楽章 「アダージェット」
    …オクレール先生の言葉で、失意に追い討ちをかけられるのだめが彷徨ううちに雨が降ってくる。
    ただ悲しいだけではない。
    「憧れてやまないのに、千秋先輩に手が届かない。
     進む道さえ見つかれば、自分だって出来るのに。 ちゃんとやれるのに、自信だってあるのに…」
    
10. チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」より第4楽章ら
    …原作にはない、映画オリジナルの選曲。
     マルレオケコンサート3曲目に演奏される。
     練習の時はオケの不穏な雰囲気を醸し出し、本番では千秋のピアノを聴き、妬みに駆られるのだめとリンクする。
     奈落の底へ突き落とされるかのような重々しさ。

11. ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルーより
    …「ベト7」と並ぶ、のだめエンディングの看板曲。
     

「1812年」の人気が、じわじわと上がってきているようです。
映画を観ながら演奏が出来上がってゆく過程を共にするわけですから、思い入れも強くなるはずですよね。
長くて退屈なイメージの普通のクラシック曲に比べると、曲自体のテンポもよいし、受け入れられやすいのではないでしょうか。
とはいえ「のだめ」のパリのイメージからして、マイナスに働くのではないかと、相変わらず一人で勝手に心配しております…

またマルレオケの演奏、2回分が1回にまとまってしまい、時間の経過を省略してしまったことが残念です。
1回目で千秋の成功、2回目で成功から失敗→のだめとの別居へ続くのが本当であるのに、前編ラストで一気に話が進んでしまい、千秋の真意がちょっとぶれてしまっていて…
勿論、映画製作の事情も分かってます。仕方ないのでしょう。
SPの時もエピソードの入れ替えがあったため、同じような思いをしましたが…
映画は映画としての世界観があるのだ、ということです。

ランランのピアノ、ショパンのピアコンの技巧の素晴らしさには本当に驚きです!
のだめに出てくる曲は、原作に登場するとCDを購入して聴くようにしており、一通りは持っています。
が、クラシックは聴き比べが出来るのが面白い。
演奏者によって、ちょっとしたテンポの違いでさえも、違った表現になります。

自分が持っているショパンはピリスのものですが、ずっとそればかり聴いてると、そういうものだという思い込みが発生します。
それをぶっ壊すのがラン・ランの演奏。
ピリスも十分みずみずしくて素敵なのですけど、今回のラン・ランの演奏のすごさったら!!
速過ぎる!!
こんなにも早く弾けちゃうものなの!?
これが「のだめの演奏」になる…本当にすごいことだと思います!!


実は「のだめオーケストラ」のアニメ版コンサートも行く予定です。
演奏曲目は映画公開前のものとあまり変わりませんが、後編を先取りしてショパンのピアコンが入ってるのですよ。
「1812年」をまた聴くこともできるし…あ~押さえといてよかったぁ♪


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2 コメント

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もじゃもじゃ (non)
2009-12-27 13:53:30
私、長年音楽習ってるわりにはクラッシクが苦手で・・
でも、のだめの楽譜(簡単なね)が出たときには
すぐに買ってコピーに夢中になりました(*^^)
今度も楽譜が出るといな♪
とくに「もじゃもじゃ」!
あの大島ミチルさんと松谷卓さんのコンビですって 大好き!!
絶対弾いてみたいわ~。
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nonさんへ♪ (なっつ)
2009-12-27 23:52:22
nonさんもCDお聴きになったんですね♪
今回の「もじゃもじゃ」は大島ミチルさん作曲に松谷卓さんアレンジで、不思議現代感覚に仕上がってますよねェ!
来年早々にある「フィナーレ(アニメ版)コンサート」は、アニメ音楽を担当する松谷卓さんが登場予定なんですよ!

今までもドラマ版とアニメ版の演奏曲は基本同じで、アニメ版の方が更に原作に忠実だったんです。
ドラマに登場しない楽曲も、アニメ版だと演奏されたりね。
今回は「ウィリアム・テル」も演奏される予定、アニメのどこででるんだ~??
違いを探すのもまた楽し…なのです。
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