「八咫鏡」
盾を繰り出し、真正面から付きで攻め入ると、その者は、いとも簡単にふらりと右へかわした。澪は、そこに死角が出来ると読み、その者の側面に回った瞬間、突いた剣を水平にして右腕だけで、横へ振りぬいたが、その者は、巧みな剣さばきで、澪の剣を受け止めると、剣を交じ合わせたまま、身体を右へ流し、草薙剣を上にはねのけ、そのまま剣を振り下ろし澪に襲い掛かった。
バランスを崩した澪は、すぐさま八咫鏡で身を守ったが、その者の剣は、強固であった八咫鏡から蒼白い火花を舞い上がらせ、叩き割ってきた。
澪も反射的に草薙剣で防御し、ぎりぎりでいなしたが、背中に冷やりとした汗が噴き出していた。 防御した剣を素早く突きに転じてその者を引かせると、素早く間合いを取りなおすと、その者は、不敵な笑み浮かべ、
「絶対や完璧など、思い込みに過ぎない。」
と言った。完全な盾があっさりと破壊されたことに驚きつつも、その者との間には、精神的な心持に雲泥の差があるのを痛感した。これは歯が立たないと思いながらも、感覚としては、稽古をつけてもらっているかのようでもあったが、真剣の戦いに理屈などないのだった。
「考えるよりも、感じろだ!」
気合を入れなおすと、すぐさま反撃に出た。
「おおっ。楽しませてくれるね。」
その者は澪が全力で打ち込む剣を軽くいなしてゆく。
「くそっ! まだまだだっ ! 」
東京の上空で剣と剣が交わるたびに、甲高い金属音と波動が地上に伝わった。助かった人々は、がれきの街の中から、その様子を静かに見守っていた。
盾を繰り出し、真正面から付きで攻め入ると、その者は、いとも簡単にふらりと右へかわした。澪は、そこに死角が出来ると読み、その者の側面に回った瞬間、突いた剣を水平にして右腕だけで、横へ振りぬいたが、その者は、巧みな剣さばきで、澪の剣を受け止めると、剣を交じ合わせたまま、身体を右へ流し、草薙剣を上にはねのけ、そのまま剣を振り下ろし澪に襲い掛かった。
バランスを崩した澪は、すぐさま八咫鏡で身を守ったが、その者の剣は、強固であった八咫鏡から蒼白い火花を舞い上がらせ、叩き割ってきた。
澪も反射的に草薙剣で防御し、ぎりぎりでいなしたが、背中に冷やりとした汗が噴き出していた。 防御した剣を素早く突きに転じてその者を引かせると、素早く間合いを取りなおすと、その者は、不敵な笑み浮かべ、
「絶対や完璧など、思い込みに過ぎない。」
と言った。完全な盾があっさりと破壊されたことに驚きつつも、その者との間には、精神的な心持に雲泥の差があるのを痛感した。これは歯が立たないと思いながらも、感覚としては、稽古をつけてもらっているかのようでもあったが、真剣の戦いに理屈などないのだった。
「考えるよりも、感じろだ!」
気合を入れなおすと、すぐさま反撃に出た。
「おおっ。楽しませてくれるね。」
その者は澪が全力で打ち込む剣を軽くいなしてゆく。
「くそっ! まだまだだっ ! 」
東京の上空で剣と剣が交わるたびに、甲高い金属音と波動が地上に伝わった。助かった人々は、がれきの街の中から、その様子を静かに見守っていた。
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