硝子戸の外へ。

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フィンセントの「ひまわり」

2022-10-15 21:44:45 | 日記
ロンドンにあるナショナルギャラリーで展示されている「アルルのひまわり」が環境活動家の手によって汚された。

余りにもショッキングな出来事だったので、その続きを観ていたら、環境活動家の一人が「芸術と命、どちらが大事なんだ?」「絵の保護と、地球と人々の保護とどっちをより心配している?」と述べていたので、少しばかり考え込んでしまった。

彼らがなぜ抗議しているのか。その動画だけでは何も見えてこない。
よく知らなければ「子供じみた事をしているだけではないか」で終わってしまう。
せっかく、デジタルネットワークと言う便利なツールがあるのだから調べなければもったいないので、少しだけ調べてみると、ざっくりとではあるが、彼らは「このまま石油を使い続ければ大きな気候災害に見舞われるから、新たな石油ライセンスを止めるために抗議している」のだそうである。
21世紀のこれからを生きていかねばならない若者たちにとっての気候災害は、少し先の未来の出来事になるかもしれないが、石油マネーで富を得ようとしている人々の、少し先の未来は、この世には存在しない確率が高い。だから、そこには埋めがたい溝が横たわっている。

難しい事はわからないが、大富豪が大富豪で居続けるためには、歴史が示しているように犠牲は顧みてはならないという事であろうか。

富豪たちの手によって、絵の価値が上がったフィンセントの作品。
環境活動家の手によって、汚されてしまったフィンセントの作品。

心身を削りながら筆を持ち続けたフィンセントは、この事象をどう思うだろうか。

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