硝子戸の外へ。

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君はなぜ福祉の職業に就いたのか。その2

2013-06-12 09:05:38 | 日記
新聞を開き記事を読む。情報が更新されている。どうやら一年半の間に3つ施設を変わり、最後に落ち着いた施設での勤務態度は良好で関係者は今回の報道を受け「信じられない」ようであった。

記事を読むと、入居者からの反応も良好で普段は本当によい人であった事が窺える。

しかし、事件が起こった施設に身を置いていた数日の間にいったい何があったというのだろうか。

その動機は「目立ちたかった」からだという。どういう事だろうか。急変の第一発見者になれば目立つのであろうか。

おもわず頭を抱えてしまう。

高齢者ならば急変は普通であるし、それがその人の寿命かもしれない。老健等 終身でない施設ならば、早期発見も大切かもしれない。しかし特養ならば、静かにその人の人生の最後を看取る事が特養職員がやるべき事なのではないかと考える。

人生の最後の最後に誰かに寄り添ってもらえる事が出来る。それが施設の唯一のよいところなのではと思う。

しかし、そうではないようである。今回の事件が自身のスキルを他の職員に認めさせる為に行ったのは、おそらく誰よりも早く急変に気づくことが仕事ができる事を示す材料となると思ったからである。だとすればあまりにも短絡的である。 

入社して数日でそういう経路に至った理由は何であろうか。ひょっとすると施設の体質が彼をそのように思わせたのかもしれない。しかし、それでも人の命を引き換えに行う事ではないし、彼の中の正義感がそうさせていたのだとしたら、傲慢極まりないと思う。

しかし、その施設での出来事を彼なりの成長の糧と考えると現在の職務に対する態度も頷けるように思う。

彼はどう思いどう考え、この事件を引き起こし、上手く切り抜けようとし、次の職場にどのように生かそうと思ったのだろうか。

真相は分からない。


また、この事件は少し特殊であるように思う。

報道はこの事件を一見最近のように思わせるが、三年も前の出来事で、施設のある関東地方では5月末に報道されていた。

このズレは何を意味するのだろうか。

彼の言動も含め、施設の対応、地元警察や死亡診断を行った病院の判断、そして報道。身近で起こっている出来事なのに、霧がかかっていて大変見通しが悪い。

不信感が募るばかりである。

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