硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

落語のようなクリスマスのお話を一石。

2015-12-23 21:08:48 | 日記
これだけでも、十分神々しい話であるし、伝説にもなりそうなんですが、実はクリスマスのクリスマスたるゆえんはこの後にあるんですな。
さて、愛する二人が一息ついている頃、この近くで羊飼いたちが野宿で羊の番をしておりましたところ、突然天使が現れて光輝いたもんだから、羊飼いたちは恐ろしくなって羊をほったらかして逃げようとしたんです。

「うわぁ、なんや、なんや、まぶしいぃ。これあかんやつや。おいっ、はよ逃げよ」

それはそうでしょうな。今まで見たこともない物が空から現れてお天道様のように光るんですから。でも、天使さんは恐れて逃げ出そうとしてる羊飼いを呼び止めます。

「恐れる事はありません。私はこの民全体の為の素晴らしい喜びを知らせに来たのです。今日、この街であなた方の為に救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。あなた方は布に包まって飼い葉おけで寝ておられるみどりごをみつけます。これがあなた方のしるしです」

そう言い終わると、今度は天からたくさんの天使たちが現れて、「いと高きところに、栄光が、神があるように。地上に、平和が御心にかないますように」と、神を賛美しました。

そんな映画みたいな出来事が目の前で起こったら羊飼いでなくても驚きます。でも、そんなことがあっても本当かどうか知りたくなるのが人情ってもんで、羊飼いたちは天使の言っていた赤ちゃんを探しに出かけたそうです。そして程なくすると家畜の為の洞窟の中から赤ん坊の泣き声が聞こえてくるではありませんか。

「おおっ。赤ん坊の泣き声や。どれ、ちょっといってみるか」

羊飼いたちは洞窟に駆け寄ると、天使の言った通りの状態の赤ん坊がいたもんですから二人は顔を見合わせて驚きました。そして思わず、

「あのぉ、もしもし。 ちょっとお休みの所すいません。けっしてあやしいもんではありません」

夜中に突然やってきて怪しいもんではありませんといわれても、十分怪しい。それでも優しいヨセフさんは彼らに応えます。

「だれです」
「いやね、僕らこの辺に住んでる羊飼いやけどね、さっき天使に会いましてな、救い主が生まれたというててね。ほんまかいなぁと思って、探してたら赤ん坊の声が聞こえてきて、まさかなと思たんですけど、ほんまのことでびっくりしました」
「そうでしたか。それは幸いです」
「その・・・。それで、ついでと言うては何ですが、その子を拝ましていただけませんやろか」

普通知らん人からいきなり子供を拝ませてくれと言われても困るところですが、やっぱりヨセフさんお優しいんですな。マリアさんもええ人なんです。

「ええよ。どうぞ拝んでいってください」
「ほな、失礼します」

羊飼いたちが近寄ると、神々しい光を放つ小さな救い主がそこにいたものですから、彼らは驚きながらも拝み、賛美したんですな。
                               
                                      つづく


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