南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
 





 熊本市立熊本博物館のプラネタリウムで上映されている特別プログラム「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」を見に行ってきた。

 先日(11/23~27)まで、ここ熊本市立熊本博物館で「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの展示があり、その時に一緒にプラネタリウムも見たかったのだが、あまりの人気でチケット完売となり見ることができなかったのだ。

 実はこのプログラムが上映されるのはこの日が最終日。
 7月くらいから上映されているのに、いつも何をするにもギリギリになってしまうのは、私の悪いクセでもある(汗)。


 熊本博物館はあの建築家・黒川紀章の設計であり、屋根に特徴がある、正直ちょっと変わった形の建物だ。
 ここには何度か訪れたことがあるが、プラネタリウムに入るのは今日が初めてだ。
 プラネタリウムは今年3月にリニューアルしたばかりだ。国内でもかなり最新式の設備なんだそうで、従来型の光学式と最新のデジタル技術を組み合わせたハイブリッド型の投影装置が設置されているらしい。

 「はやぶさ」プログラム最終日なので、込み合うのかと思ったが、席にかなりの余裕があった。
 職員さんに「どの座席がお勧めですか?」と訊ねると「最後列から2~5番目の中心側の座席」との返答だったので、その辺りに陣取った。


 プログラムは60分だが、はじめの15分は今夜見える熊本の夜空の星座のお話。
 アンドロメダ座やペルセウス座、カシオペア座、ペガスス座、くじら座の話は知っているが、いま、星空を見上げても明るすぎてとてもそのような星座の姿には見えない。きっと、これらの星座と神話が生まれた頃は、夜空が綺麗に見えたんでしょうね。

 そしていよいよ「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」のプログラムが始まった。
 何故わざわざ小惑星「イトカワ」まで行って帰ってくるのか、その砂を持ち帰ることにどんな意味があるのか、と言うような根本的な話から、「はやぶさ」自身の能力やリモートコントロールの技術など、非常に分かりやすい構成となっており、同時に日本の誇る高度な科学技術力の素晴らしさを感じることができた。
 また、篠田三郎のナレーションの声が心地よい。
 そして、もうすっかり毎度のことになってしまったが、満身創痍の「はやぶさ」が、最期に母なる地球の姿をカメラに収めた後、大気圏に突入して太陽電池パネルがもぎ取れ、パラボラアンテナが吹き飛び、次第に粉々に砕けながら流れ星となる映像にまたまた思いっきり泣いてしまった…。

 いやあ、よかったです。



 夕方、携帯でニュースを見ていたら、少し残念な記事が載っていた。
 「はやぶさ2」開発関係予算が大幅に縮小されるかも知れないのだそうだ。
 確かに東日本大震災の被災地の復興や同じ宇宙開発でも気象衛星や通信衛星の更新のための費用の方が優先されるべきだというのは、素人でも正論であると分かる。
 しかし、しかしですね、こういう「夢」にもお金をかける必要があるのではないでしょうか?

 宇宙開発は、惑星間の距離などのタイミングがあり、今年ダメだから来年にしようなんて簡単に行かないんですよ。いま予算を削られると、1年とかじゃなく数年も遅れてしまうんです。
 そしたら、この分野も欧米に先を越されちゃいます。


 政府のみなさん、どうにかして「はやぶさ2」が実現できるよう、予算を回してください!
 暗いニュースしかない現在「日本の技術力、ここにあり!」と、われわれ日本人が勇気が出るよう、日本に生まれたことに誇りを持てるよう、日本はまだまだ捨てた国じゃないと再認識できるよう、お願いします!

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のち

 あの「はやぶさ」が熊本にやってきた!

 11/23~27の日程で、熊本市立博物館にて特別展示が行われるのだ。

 「はやぶさ」が自分を犠牲にしてまで持ち帰り、日本中…いや世界中を感動させたサンプル入りのカプセル。その実物がやっと熊本でも展示されるのだ。
 日本人として、これは見に行かない訳には行かないだろう!



 朝からあいにくの雨だったが、昼前にようやく天気が回復したので、早速行ってみることにした。
 今日は公開初日だから、並ばないといけないかと思ったが、意外や意外、予想していたよりは人出は多くなかった。やっぱり雨上がりだからだろうか。
 それでも会場入口ではさすがに人が並んでいた。まあ、待ち時間5分くらいだけどね。

 「はやぶさ」のニュースを知って以来、いろいろ情報を調べたり勉強したりしたので、展示パネルや説明文は既に知ってる内容ばかりだった。

 「はやぶさ」の開発からサンプル採取までを15分程度にまとめたビデオが流れていたが、「はやぶさ」が最期に地球を撮影する場面と大気圏再突入して燃え尽きる場面は、何度見ても思わず涙が溢れてくる…。もう、すっかり条件反射のようになってしまった(汗)。
 ふと、周りを見ると、私と同様に目頭を押さえたり、ハンカチで目を覆う方がちらほら…。
 彼らは既にプラネタリウム映画「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」を観たのだろうか? それとも、映画「はやぶさ/HAYABUSA」の方かな?

 私はプラネタリウム映画の方はまだ観ていないが、映画「はやぶさ/HAYABUSA」の方は先日観てきたところだ(→こちら参照)。この映画、どうやら賛成・反対意見が真っ二つに分かれているようだ。
 しかし、普通の映画と違って、ストーリーをみんな知っている。
 具体的に言えば「途中で通信が途絶えたこと」「その後奇跡的に通信が回復すること」「壊れたイオンエンジン同士の回路を繋げて復活させること」「最後に地球の姿をカメラに収めること」「はやぶさ本体は燃え尽きてしまうこと」「帰還したサンプルケースにイトカワの砂が無事入っていたこと」これらすべてみんなニュースなどで知っているのだ。だから、映画を見ていて、正直ドキドキワクワクする場面は皆無に近い。
 したがって、ドキュメンタリー映画のように作るしか方法がないはずだ。そこにあえて架空の人物(正確に言えば、複数の実在人物のミックス)を主人公に持ってくるあたり、よく練られた作品だと、私は思うんだけどね。



 …。
 話がちょっと逸れちゃったので元に戻す。

 さあ、パネルコーナーや模型コーナーを通り過ぎれば、いよいよ実物の展示ブースだ。
 どんな感じなんだろう??? ドキドキワクワク…。


 あれ?
 展示ブースの前は思ったほど人は多くなかった。
 きっと説明パネルを読んだりビデオを鑑賞することに時間を掛け過ぎているのだろう。博物館側の動線というかレイアウトもよくないのかも知れないな。


 ついにカプセルとご対面!

 へえ、カプセルって、意外と小さいんだね。
 でも、こんな小さいのが、7年間、60億キロもの旅をしてきて地球に戻ってくるなんて…。日本の科学技術力の高さに、改めて感銘を受けました。
 大気圏再突入の熱からカプセルを守った黒焦げのシールドは、残念ながらレプリカの展示。諸事情で実物が展示できないのは仕方ないにしても、せめて実物の写真くらい、横に展示してもよかったんじゃないかな??

 でも、透明のケースに入れてあるのだから、カプセルにもう少し顔を近づけて見られるように展示してほしかったかなあ。
 警備員や博物館職員が「立ち止まらないでください」などと何度も何度も繰り返し注意を促すが、ごった返している訳でもないんで、ちょっと立ち止まってもいいと思うんだけどね。
 マニュアルどおりの対応なんだろうけどね。


 で、もう1つ残念なことが。館内、すべて「撮影禁止」なんだそうで…。
 でも、何で撮影禁止だったんだろう?
 撮影したところで、何の迷惑にもならないと思うんだけどね。押すな押すなの大盛況ならば、立ち止まって撮影なんてされると混雑を引き起こすから意味分かるけど…。

 以前、ヨーロッパ旅行に行ったとき、どこに行ってもカメラ撮影OKで、パリ・ルーヴル美術館のあの「モナリザ」ですら、撮り放題だったんだけどね。
 あ、バチカン・システィーナ礼拝堂の「最後の審判」の絵画だけは撮影禁止だったけど、それくらいじゃなかったっけ?


 まあ、いずれにしても「はやぶさ」の遺産の実物を見ることができてよかった。
 感動をありがとう!


【写真1】カプセル展示の看板


【写真2】プラネタリウム券は完売…


【写真3】おまけ:びぷれす広場にくまモンが!

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 今日未明、ペルセウス座流星群を観測してみた。

 今年は残念なことに、お月様が満月に近く、深夜でも空全体が薄明るい。ハッキリ言って、観測条件は最悪だ。
 仕方がないので、月が西の空に傾く、午前3時頃に外に出てみた。月を背中に東の空を向く作戦だ。

 結論から言うと、30分くらい空を眺めてみて、流れ星を見ることができたのはわずか3個だった。
 うち1個はハッキリ見えたが、あとの2個は「あ、光ったかな?」という程度だ。

 まあ、こんな感じだが、何とか今年も無事に見ることができたので、よしとするか。

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のち

 今日は「ふたご座流星群」が観測できる日だ。

 わが家では、流星群が出現する度に、妻と一緒に夜空を眺めるようにしている。
 今回の「ふたご座流星群」の他にも「しし座流星群」「ペルセウス座流星群」「しぶんぎ座流星群」など、毎回とても楽しみにしている。

 それにしても2001年(平成13年)の「しし座流星群」は圧巻だった。
 実際、流れ星なんて年に数個観れればいい方なのに、この日は1分間に10数個、1時間では何と数百個も観ることができた。
 それも夜空を大きく横切って、切り裂くような明るい大流星をいくつも観ることができた。あの感動は今でも目に焼きついている。
 また、再びあのような流星雨を観ることができるのだろうか? それとも、私が生きているうちにはもう無理なのかな…。


 さて、夜23時過ぎ頃に外に出てみた。
 上弦の月が西の空高くに位置しており、まだまだ見頃とは言い難かった。しかも、家の近くでは街の明かりで星があまり見えない。
 そこで、熊本市の北東部に位置する立田山に行ってみた。実は、流星群が来る度に登っていたりする。

 ところで、ふたご座は星座占いにも登場する有名な星座だが、意外とどこにあるのか知らない人が多いのではないだろうか。
 まずオリオン座を見つけて欲しい。オリオン座は小学校の理科の教科書にも載っているくらいなので、すぐにわかる人も多いと思う。で、ふたご座は、簡単に言えば、オリオン座のすぐ左上にある。
 したがって、今回の「ふたご座流星群」は、オリオン座の少し左上に目線の中心をおいて、夜空全体をなんとなく眺めていれば、観ることができると思われる。

 実際、この方法で夜空を眺めていたら、30分くらいの間に5~6個の流れ星を観ることができた。
 もっと観ていたかったが、山の上ということもあり、さすがに冷えてきたので、そろそろ帰ることにした。


 流れ星が消える前に願い事を3回言えば…なんて言われているが、実際、そんな暇はないよね。
 でも、そう信じていれば、何か願いが叶うような気がする。うん。

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 今日の未明4時(日本時間)にアメリカ航空宇宙局(NASA)から、新生命体に関する発表があるという。
 ついに宇宙人の存在が明らかに(正式発表)されるのか? それとも…?
 まあ、半信半疑ながらもそういう情報があったので、眠い目をこすりながら朝まで起きて待つことにしてみた。明日も仕事なのに何やってんだろうという自問自答をしながら…。

 そしてついに午前4時。
 テレビのチャンネルを回すが、それらしい番組はない。うーむ。日本ではそれほど話題になってないのか?

 次にパソコンを起動してみる。どこを見ればいいのかな?
 とりあえずNASAのサイトを覗いてみる。おおっ、何か生中継されているぞ。英語なんでよく分からないが、ときどき「細菌」みたいな映像が挟まれるのだが…。もしかして、これのこと…?

 予想的中。
 どうやら、アメリカのどこかで新型バクテリアが発見されたらしい。生物にとって猛毒といわれる砒素(ヒ素)を取り込んで生きることができるらしい。


 ところで、このニュースよりももっと驚いたことがあった。
 なんと、NASAの発表と同時刻(4:00)付けで、産経新聞のサイトに『NASA「ヒ素を摂取し生命維持できるバクテリア発見」と発表』という記事が更新されていたのだ。

 ということは…。
 NASAが発表する前に全世界にのメディアには既に情報が行っていたということじゃないのだろうか。
 なんか、踊らされた私ってバカみたい。

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のち

 小惑星探査機『はやぶさ』が自らの命と引き換えに持ち帰ったカプセル内に、小惑星イトカワのものと思われる地球外物質の粒子が入っていたことが発表された。しかもその数、1500個以上だという。

 これは月以外の天体の物質を持ち帰った世界初の快挙だ!
 暗いニュースがほとんどの中、よくぞやってくれた! 日本もまだまだ捨てたもんじゃないかもね!


 でもこの時期の発表はちょっと意図的に狙ってるという気もしなくもないが…。
 というのは、まもなく宇宙開発関連事業の事業仕分けが行われるからだ。この快挙に対し、さすがの蓮舫さん以下も、この分野の予算を削る訳には行かないだろう。

 何はともあれ、世界初の快挙を成し遂げた日本。今はこのことを喜びたい(単に他の国と向いている方向(ベクトル)が違うだけかも知れないが…)。

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 小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還したニュースを見た。

 2003年5月に打ち上げられて、地球と火星の軌道の間あたりにある、わずか500メートルくらいの大きさの落花生のような形の小惑星「イトカワ」に着陸し、そこから離れて今夜地球に帰って来たという。
 実に7年間、60億キロにも及ぶ長旅…。
 その間に、4つあるイオンエンジンのうち3つが壊れ、姿勢を安定させる装置3つのうち2つが壊れ、7週間にわたって行方不明(音信不通)になり、そのせいで帰るのが3年も遅れ、本当に満身創痍で、帰って来れたこと自体が奇跡だそうだ。ちょくちょくニュースで取り上げられていたので、私もとても気になっていた。

 でも、遠隔操作で壊れたエンジン2つの回線をつなぎ合わせて1つを復活・機能させるなど、その辺はさすが日本の技術だなと感じた。遠隔操作といっても、地球から電波で送った命令が届くのに最大30分とか掛かるそうで、探査機が自分で考えて行動したところも多かったらしい。
 イオンエンジンも地球上では1円玉を持ち上げるくらいの出力しかないそうだが、真空の宇宙空間では超高速の出力となるらしい。すごい技術だ。

 正攻法でのサンプル採取は失敗したとかで、あとは持ち帰ったカプセルに小惑星「イトカワ」の砂が1粒でも入っていれば万々歳なんだが、もし、たとえ空っぽだったとしても十分だと思う。
 本当ならば、地球の近くまで戻ってきたところでそのカプセルを地球に向けて切り離し、「はやぶさ」自身はそのまま気ままに宇宙の旅を続ける予定だったらしい。しかし、あまりに故障だらけなので、地球への大気圏再突入処理されることになり、「はやぶさ」本体は燃え尽きて消え去る運命となった。
 そのけなげさ、儚さにはとても心を打たれた。

 ボロボロの体なのに、最後の力を振り絞って地球の写真を撮ったのだが、お世辞にもあまり鮮明じゃなく、しかもデータ送信の途中で通信が途絶え(大気圏再突入してしまった?)、写真は一部が欠けたままだった。
 くっ、泣けてきます…。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)のスタッフは、7年間毎日ずっと見守り続けていた「はやぶさ」が無事に帰って来たことに感動して涙し、また最後に燃え尽きて、まるで自分の子どもを失ったかのような気持ちになり、その悲しさで泣いている方がたくさんいたそうだ。中には「明日から何を見て暮らしていけば分からない」と嘆いていた方もいたとか…。

 ここ数年、日本は政治も経済も大混乱し、明るいニュースはほとんど耳にしていない。しかし、今回、久しぶりに技術大国日本の真骨頂を見せてくれたような気がした。
 事業仕分けなどで宇宙開発関係の予算もかなり削られているらしい(17億円→3千万円?)。
 ま、確かに、この事業には120億円とか掛かっているそうなので、「小惑星なんかに行ってきて、砂なんか取ってきて何になるの?」という考え方の人もいるでしょう。同じお金をつぎ込むのなら、「福祉や景気や雇用対策にお金をかけるべきだ」という考えの方が本当は正しいのかも知れない。
 しかし、やはりこういう夢のある事業を続けて欲しい、この分野をないがしろにはしてほしくないと思うのは私だけでしょうか?

 是非、「はやぶさ」の後継機を!
 宇宙ヨット「イカロス」もガンバレ!

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 明けましておめでとうございます!

 さて、今年の元旦は、皆さんに宇宙からお年玉があるらしい。なんとなんと、元旦早々、未明から部分月食が見られるとのこと。しかもしかも、これは“日本史上初”らしい! う~ん、ロマンティック。
 まぁ、これにはちょっとしたカラクリがあり、明治4年(1872年)に日本が太陰暦→太陽暦に変更したからなんだけど。というのは、太陰暦では「毎月1日は必ず新月、15日が満月」と決まっており、1月1日に月食は起こらない。つもり、もっと端的に言えば、月食は地球の影がお月さまに映る現象なので、月食は満月の夜にしか起こりえないのである。
 だから“日本史上初”というよりは、“明治4年よりあとに初めて起こった”あるいは“太陽暦を導入して初めて起こった”と言うのが正しいだろう。
 と、ずいぶん前置きが長くなったが、そんな訳で午前4時頃、外に出てみた。うう、寒い…。曇り空だが、何とか月が確認できる。おおっ、確かに左下部分が微妙に欠けている!!
 急いでカメラのシャッターを切る。うーん、撮影が難しい…。

 その後しばらくすると雲が厚くなり、お月さまはまったく見えなくなってしまった。
 そして、そのまま曇天は続き、結局初日の出は拝めずじまい…。クスン…。


【写真1】部分月食。向かって左下部分がわずかに欠けている

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 今日は日本中が待ちに待った皆既日食の日だ。
 日本で見られるのは実に46年ぶりとのこと。

 父親の影響もあり、天文ファンの私にとっては(普通の)日食ならば何度も見たことがあるので、ちっとも珍しい現象だとは思っていない。
 しかし、マスコミの影響からか、日本中で猫も杓子もみんな観測をという流れになっている。正直、「何だこりゃ」という気もするが、まあ、関心を持ってもらうのはいいことだ(実は妻も今まで一度も見たことがないらしく、日食グラスを買ってまでして見たいらしい)。
 でも、わざわざツアーまで組んで、トカラ列島の悪石島や奄美にまで行くのはどうなんだろう?鹿児島に10年間住んでいた私としては、外部の人がやって来て荒らして帰る光景は見るに堪えない。
 外国に行けば毎年のように見られるのに…。

 当日、残念ながら天気はよくない。
 南に行けばより太陽が大きく隠れるので、熊本在住の私としては鹿児島方面に向かいたいところだが、九州の天気予報では福岡・佐賀・長崎のみ晴れで、熊本や鹿児島は曇りや雨だとのこと。
 仕方がないので福岡へ向かうことにした。

 福岡といっても、特に土地勘がある訳でも、行き慣れた場所がある訳でもない。天気予報の情報では福岡市よりも北九州市の方がより天気がいいということなので、北九州を目指すことにした。
 しかし、大宰府インターを過ぎた辺りで日食の開始時間を迎えてしまう。仕方なく福岡インターで高速を降り、車を停車できる場所を探すことに。
 粕屋町をさまよっていると、駐車場が広いスーパーを発見。お店には悪いけど、ここに駐車させてもらう。

 空を見上げるとあいにくの薄曇りの天気。太陽はよく見えない。
 日食グラスをかざして太陽を見てみる。うんうん、右上が部分が欠け始めているようだ。
 そのあとも、曇ったり晴れたりのヤキモキさせられる天気が続く。
 太陽の約9割が欠ける、最大食の10時56分になった。周囲が真っ暗になるのではと期待したが、わずかに暗くなったような気はしたが、実際はほとんど変わらなかった。たった1割しか顔を出ていなくても、これだけ明るい太陽はやっぱり偉大だなと思わされた。

 テレビで、日食時は木陰に写る木漏れ日が日食の形になるといっていたので、実際に確かめてみるとその通りだった。
 その後も天気はあまりよくならず、このままここに何時間もいる訳にも行かないので、移動することにした。

 駐車させてもらったお礼に、スーパーで昼食などを買い物をする。ありがとう、まるたか生鮮市場粕屋店さん。

 ちなみに、鹿児島に住む親戚によれば、最大食の時には周囲がかなり真っ暗になったという。しかも、思ったより天気がよく、観測ができたらしい。うーん、見誤った。不覚…。
 また、トカラ列島は大雨で観測どころじゃなかったらしい。現地住民にとっては残念だが、ツアー客は、まあ、大金払ってかわいそうなことで。

 次は2035年9月2日だそうだ。えーと、26年後か。
 見られるのは北陸~北関東地方らしい。健康に注意してまた見られるように頑張らなきゃね。



 次に、ちょうどいま、九州国立博物館で「国宝・阿修羅展」をやっているので、大宰府を目指すことにした。
 国宝の展示ということもあり、平日だというのに、大盛況。

 各仏像の背中を見ることができるのは、なんと今回が初めてらしい。確かに、興福寺に安置しているときは、一般参拝客は正面からしか見ることができないはずである。うーん、貴重な体験だ。
 これらの仏像、木製かと思ったが違うらしい。粘土の原型に布を巻いてそれに漆を塗って固めたあと、粘土を取り除くという非常に手間のかかる方法で製作されているとのこと。だから、思ったより軽いらしい。

 いろいろな仏像がある中で、とても印象に残ったものがあった。
 それは「迦楼羅(かるら)像」である。別名ガルーダ。仏教を守る天竜八部衆の1人(神)。
 頭部が鶏のようで体は人間という異様な格好。嘴と鶏冠を持つ顔は一見かわいらしい。しかし、その眼差しは威厳すら感じさせる。


 最後に太宰府天満宮に参拝し、筑紫野のゆめタウンで食事と買い物をして帰宅。
 いろいろ疲れたけど、有意義な一日だった。


【写真1】日食。欠け始めている


【写真2】日食。かなり欠けている


【写真3】日食グラスを通して見た様子


【写真4】阿修羅展

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