メディア遊歩道

さまざまなメディアに接触した記録。映画、本、博物館、展示会など

映画:太陽(ロシア・フランス・イタリア合作)

2007-11-26 08:28:20 | Weblog
イッセー尾形が昭和天皇を演じた一部で話題になった映画。私の中で幻の映画になりかけていたところで、近所の映画館で会員七百円の上映をしていたので出かける。
しかし、イッセー尾形:昭和天皇の唇もごもごの演技以外のイベントがないため睡魔が襲いかかり、終戦の夢の中をただよう。
その演技のため、画面上で誰がしゃべっているのか分からない。しかも画面がとても暗いしコントラストも無くて、暗闇でまさぐる感じ。
映画館で防空壕を体験させようというのだろうが、睡眠を先に体験してしまう。チケット買うとき
「フィルムに見苦しいところがあります」と念を押されたがこのことか。ほぼ全編見苦しい。

天皇は宮中ではオカミと呼ばれていたのね。
自分で筆記具を持つことなく、口述だけで思考をまとめる。いろんな可能性を比較検討して最善を選ぶという方法には適さない。
そうして、終戦、人間宣言などを検討し発表したというわけだ。
凄い論理構築力らしい。ソクラテス的なわけでもないが。これは天皇の孤独さを表現したかったのだろう。
そして、人間宣言を記述した青年の自決。
口述筆記で人も殺せる。いかに戦前の軍部の洗脳が凄いか。
映画のルックは「ヒトラー最期の13日間」に似ている。防空壕の場面が多いからだろう。でもヒトラーの最期の方は見せ場もあり………
この映画の見せ場はマッカーサーとの会食なんだろう。
会食で、世の中には自分の命令を聞かない人がいることを初めて知る。自分の判断力じたいもコップの中での思考に過ぎないこと。
帰宅して自分で着替えを試みる。

ということで第二次大戦のイタリアの政権機能の最後も映画化されたことがあるのだろうか?