メディア遊歩道

さまざまなメディアに接触した記録。映画、本、博物館、展示会など

007慰めの報酬(ネタバレ少しあり)

2009-01-18 15:07:42 | Weblog
超大作の先行上映
(なんでお正月第1弾でないのが不思議だが、陰惨な内容がクリスマスに相応しくないという興行の判断か?)

THXシアターで、劇場もサービスしてかボリューム高めで、破裂音キリキリと来ます。

今回はやたらガラスが割れて、それを手づかみで刺したりする場面が三回以上あり、先端恐怖症、ガラス破片恐怖症のひとには呪わしい作品となっています。


前作からというか911以後からと言うか、戦闘中の「痛み」を見せる演出が多く、刺したり骨を折る時はしっかり効果音が定位しますし、通行人の負傷者の苦しむ描写とか、スパイ活動がいかに市民生活に迷惑なものかを丹念に描いています。

アクションシーンは一貫してレトロな乗り物を操縦するボンドが敵をツールのレトロさまでも生かして叩くかというポリシーで面白い。


そして、今回のストーリーのカギは、極大射程やシリアナやらでお馴染みの石油パイプラインではない別の液体を巡る大陰謀なのだ。


(いまも)これから世界中で大問題となる液体だけにさすが目の付け所がいいと感心します。
敵役(人間)の魅力が乏しいのを補完している。

これでいわば眠狂四郎第2期完成、というか、ニヒルなボンドの完成と言うことで、

次回からはボンドガールたちと遊びまくりか??

Qも復活して欲しいよ~~竹中直人あたりを使って、泥縄式に新兵器の使い方教えるの。

次回作は証券会社破綻かパンデミックあたりか、バイオエタノールがテーマか?
また、各国の諜報期間に巣くう秘密組織もまだ明かされてないので、シリーズ続いたいけばいずれは決着つけるのだろうし。

(派遣村でボンドが大活躍というのはなしだろうけど)

これだけシリーズ長くて新たなファンも得て栄えるのも凄い。

時代を見ての脚色が上手いなと感心しました。

第三次世界大戦・四十一時間の恐怖

2009-01-13 21:36:37 | Weblog
京橋フィルムセンターにて鑑賞。

円谷英二の世界大戦争の前年に第二東映が放った作品だが、描写は丁寧、梅宮辰夫は熱血新聞記者のくせに公私混同し、その恋人の三田佳子はナース姿で歌う。
エキストラは地平線までCGなしに連なる、エキストラでは今のレベルでは超大作。

で、子役を使ってあざとく流せる。子役使えばわたしゃ泣きますよ。無軌道な高校生見ればわたしゃ嘆きますよ。

約五十年前の映画が切実に感じるのは、現実のイスラエルの戦争と日本政府の無能さがこの映画の状況とだぶるからだ。

28億の人間のうち生き残りは8億。
生き残りはアルゼンチンとアフリカか。

切ないが、中東の馬鹿どもにはこの映画も無力かとも思う。

ソビエト連邦のミサイルを吊るワイヤーが丸見えだからだ。
(そんなオチかよ!)


20世紀少年のエキストラを経験したら、あのエキストラの演出はさすがだと思う。
映画が娯楽の王様の時代に作られた作品、翌年の世界大戦争にマスキングされて知名度低いけれどこれできっちり再評価されるでしょうね。

ジョーカーの高笑いの前に脱力するダークナイトの心境ですだ。