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誰が日本の広告を変えていくのか?【消費者】

2008年01月17日 | 誰が日本の広告を変えていくのか
NIKKEI NETの年明けのコラムに國領 二郎(慶應義塾大学総合政策学部教授)氏が「自律する人間」と「依存する人間」というエントリーを入れられて、私の近しい関係者で話題になり、それを含んだ議論をMLでしておりました。

[一部引用]
 「自律する人間観」と「依存する人間観」の違いは、恐らく通信放送融合などの議論にも影響する話なのだろうと思う。テレビは「依存する人間」に心地よい指示を与えてくれるものだし、依存の可能性を踏まえ、危険なことが起きないように(機能が十全であるか否かは別として)ジャーナリズムの原則など、一定の基準をもって運用されてきているメディアだといえる。これに対してネットメディアの方は、基本的に自律する個人が、自己責任のもとに協調するモデルを前提としている。

[引用以上]

こういった文章を読むと、日本においては「人って二つの側面を同時にもっているからねえ」といった一言で、予定調和的に過ごしてきたと思います。

確かにその側面は否定しませんし、そういった日本の"均一性"がこれからも続いて欲しいと思うのは私がどっぷりと一億総中流の日本で育ってきたからであることも間違いないと思っています。

しかし、そういった均質化な日本はすでになくなってきているように思えるのです。

MLでの議論を元にしておりますので、詳しくは書けない状況もありますので端折りますが、

「依存型、因習型、低生きがい」という人達
「自立型、自律型、高生きがい」という人達

日本に住む人たちが(国籍・民族をとわず)2層化する状況が今の日本にはっきりと見え始めてきているように感じています。

そして、前者はますます低収入、後者は高収入といういわゆる"格差"が明確に(広がるとは言いません)なっていくのがこれから5~6年日本の社会状況じゃないかと思っています。それは、「もう、世界の投資資金は日本には回ってこない。日本国内は完全にゼロサム経済に移行した。」と感じているからです。今期(平成19年度)日本の国際的企業は最高の収益を上げています。しかし、その儲かった金はそのまま投資効率の良いと思われる、bricsやNEXT11に再投資されていくでしょう。それは、経済的に富むことで幸せになっていく(消費生活を送る)人たちが、世界中にたくさんいるからにほかなりません。

さて、そういった日本国内状況において、広告の変化を、現存する「動画メディア」をベースに考えると、

地上波TVは "低関与度" 型の商品広告メディア、YOUTUBEは "高関与度"型商品広告メディアと分けて考えることができると思います。(ニコ動がそういった市場構造を実装したすぐれたメディアだと思います。)

ちょっと論理の飛躍を感じられる方もいらっしゃると思いますが、たしかに説明不足なところはありますので、皆様それぞれに思うところをコメントなりいただけると幸いです。

で、ネットメディアに上記のような区分けが出来るかという考察については、私は結論を持たないのですが、近しい人たちとの議論の中である方が書いた一文が参考になると思います。

「誤解を恐れずに言うと、生きがいを持っていない人(非情報的)は情報に受動的で“広告出稿料”モデルであり、(そうでない)情報的な人がレベニューシェアモデルを引っ張るということになるかと思います。」


誰が日本の広告を変えていくのか?【媒体社】

2008年01月14日 | 誰が日本の広告を変えていくのか
広告は、メディアに乗ってターゲットに届いていきます。

これは、ニュージェネレーション系でも、レガシー系でも広告業界にいる方なら否定する方はあまりいないと思います。(逆に、広告が広告として単独にターゲットに届く仕組みを作ったとしたら、多分一儲けできますね。)したがって、日本の広告を変えていくプレイヤーの一人にメディア=媒体社が位置づけられます。

そこで、日本のメディア環境を考えてみます。

昨年(2007年)の末に日本マーケティング協会関西支部の月例会ランチョンセミナーに織田浩一氏が講師として招かれて、「テレビCM崩壊を超えて・・マーケティングは対話になる」といった題で講演されました。

私は、こう見えて(どう見えて?)「マーケター」ではありませんのであくまでレガシー系広告マンとして下のような考察をいたしました。


「日本において、テレビCMは崩壊しているのか」

テレビCMのクラッタリングは今まさに始まろうとしていると感じる。今はまだ、その状況がどのようになっているか、見る人もなく、多くの伝統的広告会社には見たい人もいない。(CMクラッタリングについては当駄blogのこちらをご参照ください。)

しかし、そんな思惑とは関係なく、地上波、BS、多チャンネルCS、VOD、動画共有とますます多チャンネル化する動画メディアは、そのチャネル毎の利用者層が、メディアごとに分離し始め、動画チャネルそれぞれが、クラスメディア化し始めているように感じられる。

さしずめ、地上波テレビは貧困層の娯楽メディアとなる様相を呈していはいないか?

マスマーケティング、マスインタラクティブコミュニケーション、マスカスタマイズマーケティング(なんじゃそりゃ?)の時代において、"対話"のメディアをターゲットごとに設定(敷設)、再構成する必要がある。

そして、対話によって、ブランディングの先にあるエンゲイジメントを獲得することが出来る。

エンゲイジメントの計測方法開発途中であるが、単に起想する(思い出す)というブランディング計測手法でなく、絆を感じるといった、一歩進めた領域にコーポレートコミュニケーションは進まなくてはならないと感じる。絆を感じる相手なら少々の悪材料がでても、繋がりは変わらないのであろうから。


ブランディング広告に最大の力を持つであろうテレビ媒体が大きく変わるときに、日本の広告も変わっていくことも間違いないことだと思っています。

それは、ことテレビ媒体だけにとどまらず、新聞、雑誌、屋外広告などの旧来メディアも大きく変わりつつある現状において、その変化が日本の広告の変化を作っていくことだろうと考えています。

では受け手である消費者はどう変わっていくのでしょうか。

つづく・・・

誰が日本の広告を変えていくのか?【広告会社】

2008年01月13日 | 誰が日本の広告を変えていくのか

写真は東海道新幹線の多摩川鉄橋から


「誰が日本の広告を変えていくのか」に関する考察の第1回は、広告そのもので生活している、広告会社についての簡単な分析です。

年収ラボという日本の平均年収・平均給料情報をまとめたサイトと各企業のwebサイトを参考にしました。

ネット広告を代表するサイバーエージェントと日本の広告業界を代表する電通の年収関連情報をまとめてみます。これは、広告業界ではニュージェネレーション系とレガシー系(あえてオールドとはいいませんが)の企業の比較にもなると思います。


企業名


総売上


従業員数


平均年収


平均年齢


平均勤続年数


サイバーエージェント


760億円



1,508人



541万円



28.0歳



1.8年


電通


2兆939億円



16,224人



1,334万円



39.1歳



14.0年




この表の平均年収だけをみて、その多い少ないを考えてはいけません。まずは平均年齢と平均勤続年数に注目することが重要です。ネット系広告会社がいかにコンサバ系の広告会社と働く環境が違うかがわかると思います。

では、財務面から見て、ニュージェネレーション系広告会社がレガシー系と違った企業構造を持っているかというとそうでもないようです。

上の数値を基に労働分配率を試算してみました。

今回は
労働分配率=(平均年収×従業員数)÷総売上

という式を使いました。


サイバーエージェント 10.7%
電    通  10.5%


となり、『広告業界は人』という定義を基にすれば、人に対する企業としての金の掛け方はあまり変わらないように見えます。

ただし、これからの広告業界を企業経営という目線で考えると大きな違いが出てきます。

同じ労働分配率をこれからも維持するという条件の元に考えると「すでに結構な年収のある社員たちを喰わしていく」会社と「これから年収を高めていく(今は低年収の)社員が多くいる」会社とは、おのずと経営姿勢が違うということをおさえておかなければならないと思います。
「来年も今年と同じ給料を"払わなければならない"と考える経営者」と「来年は今年より多くの給料を"払いたい"と考える経営者」と、どちらがダイナミズムを持っているでしょうか?

言うまでも無く後者ナノデス。

レガシー広告会社にいる私(特に来年も今年と同じ年収をもらいたいと思っている人)としては、それは、悲しいほどに・悔しいほどに事実として認めざるをえません。

しかし、また、同時に多くのレガシー系広告会社にこういった現在の広告業界の構造を理解して、次代の広告業界を作っていこうとしている人も多くいると思います。

では、ニュージェネレーション系広告会社はどう立ち振る舞ったらよいのでしょうか?レガシー系の私には議論できないことですが、そのあたりのお話を聞いてみたいものです。

誰が日本の広告を変えていくのか?

つづく・・・

先日の広告ブロガー新年会に参加されていた「汐留通信Ⅱ」さんが『総合広告会社と専業広告会社の摩擦と経営【adtech Beijing】』としてレポートを上げられています。ぜひ参考にしてみてください。