医大生・たきいです。

医大生的独言。

それはおつらいですね

2015-02-28 23:59:59 | 医大生的生活

患者さんへの「共感」を示す安直な言葉として医学部生のなかで広まっているものの中に、

「それはおつらいですね」

というフレーズがある。はっきりいって試験対策のための言葉に近い。こう言っておけば「共感の態度を示しました点」を獲得できる見込みが高いわけだ。医学部生が連呼し過ぎて言葉の持つ意味が軽くなっているきらいがある。そんな「それはおつらいですね」。風呂に浸かっていて思い返したのだが、先日のOSCE本番で自分もこのフレーズを使った。そのとき、模擬患者さんと目を合わせずにカルテを書きながら「それはおつらいですね」をかましてしまったことを思い出した。ミスった気がする。自分が患者になったと考えてみて、医者から上の空で「それはおつらいですね~」とか言われたらむかつきそうな気がする。「それはおつらいですね」の氾濫は医療業界における日本語の危機に他ならない!と高尚なことを考えていたら、「それはおつらいですね」という言葉を一番貶めていたのは自分だったわけです。コミュニケーションって難しい。医大生・たきいです。



恐らくこのブログの知名度は「西低東高」っていう言葉が正しいのかどうかは知らないが、そういうことになると思う。東に住んでいるからだ。わたくし根っからの東日本人間で大学に入るまで、北海道から静岡にまでしか足を踏み入れたことがなかった。静岡以西は異国の土地だったのだ。大学入りたての頃はまるで海外旅行のような感覚で西日本に行きたがっていたくらい。西の言葉になじみがない東北人にとってそれらは外国語のようなものなのである。

西日本の医学生と会議で会った。医学部業界というのは非常に世界が狭いので、はじめましての人が友達の友達ということも珍しくない。けれども自分の守備範囲というものがあるので、自分の場合はそれが東日本に留まるのであろう。西日本の彼らとは共通の友人がどうやらいないよう。早速ブロガーであることを明かして宣伝した。西日本はまだ開拓できる可能性を秘めているに違いないと確信した。

西日本。きっとまだここに自分の可能性が埋まっているはずだ。来月会議に行くのが楽しみになってきた。昨日突然召集命令がかかって「え?」と思ったけど人生楽しみながら生きたほうが幸せなのである。






(電話口で「声がどもって聞こえません」と言われがちな人(笑))