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夕占(ゆふけ)

2014年09月24日 | なごみ
夕占をご存知だろうか。

言霊(ことだま)の 八十(やそ)の衝(ちまた)に 夕占(ゆふけ)問ふ 占(うら)まさに告(の)る 妹は相寄らむ(巻11ー2506)

言霊の宿る幾重にも分かれる道辻で、夕占を尋ねてみた。すると占いでは、はっきりと「あなたの思い人はきっとあなたに寄ってくるでしょう」という。



玉桙(たまぼこ)の 道行き占(うら)に 占(うらな)へば 妹は逢はむと 我に告(の)りつる(巻11-2507)

玉桙の立つ道で、道行く人の言動で占った所、「あなたの愛しい人にきっと逢えるでしょう」と、私にきちんと告げてくれた。


古代、八十の衝(ちまた)には、言霊が宿ると考えられていた。
その辻に立って、通りすがる人の言葉の端々から吉凶を占うのが、夕占。

夕方は言霊が活動すると考えられていたようだ。
現代においては、辻占という。

その辻占の総本社が、大阪にあることを以前から知っていたが、この度ようやくその機会に恵まれた。

瓢箪山稲荷神社という。




(賑わいをみせるアーケード街を抜けてむかう)


(参道)




(瓢箪山稲荷神社)

現代は、夕方でなく、昼間行なわれおり、事前予約時に生年月日と何時に産まれたのかを告げる必要がある。

当日は社務所にて、受付をすませ、指示に従い辻占の占い場で道行く人を手順に従い観察し、その後社務所で筆記内容を手渡す。


(鳥居向こうの辻が、占い場となる)

そしていよいよ宮司による辻占のはじまりとなった。

占いの結果云々というよりは、民俗学的視点から辻占を知る絶好の機会となったのである。

現代において多少形を変えているものの、万葉びとの生活をほんの少し垣間みることができたように思えたのが幸せの瞬間であった。

万葉びとになりきった私はそのまま、レコーディングに。



こちらは練習不足、いや、練習の仕方のまずさを露呈した時間となり、早々にお開きを決めて次回リベンジとなった。

日々修行。