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万城目学さんの『悟浄出立』(2014年新潮社)
を読みました。
俺はもう、誰かの脇役ではない。深化したマキメワールド、開幕! 砂漠の中、悟浄は隊列の一番後ろを歩いていた。どうして俺はいつも、他の奴らの活躍を横目で見ているだけなんだ? でもある出来事をきっかけに、彼の心がほんの少し動き始める――。西遊記の沙悟浄、三国志の趙雲、司馬遷に見向きもされないその娘。中国の古典に現れる脇役たちに焦点を当て、人生の見方まで変えてしまう連作集。
『悟浄出立』 西遊記の沙悟浄
『趙雲西航』 三国志の趙雲
『虞姫寂静』 項羽と劉邦の虞姫
『法家弧憤』 荊軻と同名の京科
『父司馬遷』 司馬遷の娘栄
どれも中国の古典を題材にし、
本来物語の脇役である語り手から見た歴史の一片を描いてあります。
西遊記と三国志以外の話はよく知らなかったのですが十分楽しめました。
短編なのですぐ読めてしまうんですが、どれも読んだ後に
心にひっかかりのようなモノがいつまでも残る感じがしました。
後ろ3篇が特に面白かったです。
淡々と静かに話が進んで行くのかと思ってたら、いきなり激しく
揺れ動く展開にすっかり引き込まれてしまいました。
最近、『三国志』を読んだトコでして、
次は『水滸伝』でも読んでみようかと思っていた矢先だったので、
しばらく中国史モノにはまりそうな気がします。
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