宮本輝さんの『青が散る』(1982年 文藝春秋 刊)を読みました。
燎平は、新設大学の一期生として、テニス部の創立に参加する。炎天下でのコートづくり、部員同士の友情と敵意、勝利への貪婪な欲望と「王道」、そして夏子との運命的な出会い―。青春の光あふれる鮮やかさ、荒々しいほどの野心、そして戸惑いと切なさを、白球を追う若者たちの群像に描いた宮本輝の代表作。 (上巻「BOOK」データベースより)
退部を賭けたポンクと燎平の試合は、三時間四十分の死闘となった。勝ち進む者の誇りと孤独、コートから去って行く者の悲しみ。若さゆえのひたむきで無謀な賭けに運命を翻弄されながらも、自らの道を懸命に切り開いていこうとする男女たち。「青春」という一度だけの時間の崇高さと残酷さを描き切った永遠の名作。 (下巻「BOOK」データベースより)
宮本輝さんの作品は
随分と前に読んだ『蛍川・泥の河』以来2冊目になります。
登場人物それぞれが活き活きとしていて、とても眩しかったです。
青春小説って、かつて若者だったヒトが
昔の情景を美化して書いてるイメージがあり、
そのクサさが気恥ずかしくって好きになれないんですが、
『青が散る』は、そういったクサさを全く感じず
とても楽しく読めました。
昭和40年代前半の大阪が舞台というコトで、
半世紀も前の若者たちの思考や行動なのに
今読んでもまったく古さを感じません。
多分、現代の学生が読んでも共感できる部分が多くあるような気がします。
登場人物の中では、ひねくれモノの貝谷が気に入っています。
1983年にはドラマ化(TBS)もされており、
石黒賢さん、二谷友里恵さん、佐藤浩市さんなど
二世俳優が多く起用され、話題になったそうです。(見てませんが)
貝谷を演じるのは若き日の遠藤憲一さん!
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