2009年の本屋大賞で2位になった
和田竜さんの『のぼうの城』(2007年 小学館 刊)を読みました。
時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州・忍城。周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた。城主・成田長親は、領民から「のぼう様」と呼ばれ、泰然としている男。智も仁も勇もないが、しかし、誰も及ばぬ「人気」があった―。(「BOOK」データベースより)
和田竜さんの作品は
『村上海賊の娘』、『忍びの国』についで3冊目となりますので、
以前は気になっていた作中に頻繁に登場する引用も
今回はまったく気にならなくなりました。
これは作者による創作だと思っていたら、引用を見ると史実として残っていたり、
どこまでが史実でどこからが創作なのかわからない巧みさと
歴史に埋もれたマイナーな戦い(ボクにとってはですが)にスポットを当て
壮大な物語に仕上げる技量は素晴らしいですね。
主役の長親こそ掴みどころのない人物ですが、
丹波、和泉、靱負の家臣たちや、光成、大谷吉継、領民のたへいに至るまで
みなキャラクターが生き生きと描かれており、
それぞれに感情移入できて楽しめました。
これは映画(2012年 東宝・アスミックエース)も見なくてはいけませんね。
野村萬斎さんがイメージと違うんですが。
歴史小説って史実に基づくという制約があるので、面白さという部分では
限界がある気がして、これまであんまり読んでこなかったのですが、
こういった作品ならいくらでも読みたいです!
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