竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

おそるべき君等の乳房夏来る 西東三鬼

2020-05-05 | 今日の季語


おそるべき君等の乳房夏来る 西東三鬼

良く知られた句である
だれもが同じ思いを持つのだが
はっきりとこう言い切った三鬼の思い切りに脱帽する他はない
季語は動きそうにも思えるが
中七の措辞が全てを圧倒して付け入らせない
これが俳句、これも俳句と思わされた一句である
(小林たけし)


【立夏】 りっか
◇「夏立つ」 ◇「夏に入る」 ◇「夏来る」
二十四節気の1つ。暦の上、また俳句ではこの日から夏となる。

例句 作者

六十年目の夏来る君は少女のまま 中村重義
切り放すうしろ三輌夏に入る 杉本かずみ
古唐津は父の重さや夏来る 佐川初江
四方に水勢高千穂人に夏来たり 堀之内長一
夏に入る太き針目の畳店 三條由美子
夏来たりをんなやさしき色嫌ふ 松本光子(水明)
夏来たる虚弱児たりし通信簿 水島純一郎
夏来る人格二つたずさえて 恩田皓充
夏来る父は昭和の噴火口 佐藤成之
夏立ちぬ書斎の壁に芋銭の絵 秋山石声子
夏立つとあたりはらつて申されし 松澤昭
妻の掌をこぼれ立夏の米光る 小川星火
子を発たす立夏の駅の草の丈 石井直子
小さな村の小さな祠夏来たる 加地英子
少年等瞳に潮棲ませ夏が来る 中尾和夫
山頂に立夏の雲が燒けにくる 雨宮抱星
晴々と透きゆく心地夏に入る 丸田和子
松籟や百日の夏来りけり 中村草田男
毒消し飲むやわが詩多産の夏来る 中村草田男
渓川の身を揺りて夏来たるなり 飯田龍太
百匹に二百の眼ン玉夏来る 瀧春樹
矢を放つ残身凜と夏来る 佐藤勲
碑を拝し仏を拝し夏来る 大谷早苗
積分は覚えなくても夏がきし 村山陽出於
笹の香の神酒ほの辛し夏に入る 安澤静尾
講堂に夢いつぱいの夏が来て 芦川美津江
透きとほる一番星や夏立ちぬ 山岡ゆうこ



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