ひたひたと寒九の水や廚甕 飯田蛇笏
廚甕は台所に置かれる水甕のこと
寒の最中の廚甕のようすだ
おそらく水野音はしないのだろうが
よんどころない寒さを「ひたひたと」の措辞を用いたのだ
水と寒さにかかる絶妙な詠みといえる
(小林たけし)
【寒の水】 かんのみず(・・ミヅ)
◇「寒水」(かんすい) ◇「寒九の水」(かんくのみず)
寒中の水はとりわけ冷たい。その冷たい寒の水に古人は霊妙な効力があると信じた。特に寒中九日目の水を寒九の水と言い、それを飲めば、風邪や胃腸病に良く効き、身体を丈夫にすると信じられていた。
例句 作者
仏にも寒九の水をたてまつる 森 澄雄
焼跡に透きとほりけり寒の水 石田波郷
寒水に豆腐沈めしままの闇 赤尾恵似
焦土より寒水はしり出づるかな 加藤楸邨
寒の水飲めばたやすく心満つ 殿村莵絲子
米二合研ぎ澄むまでや寒の水 佐久間鮎子
寒の水ごくごく飲んで畑に去る 飯田龍太
金魚大鱗海の日に汲む寒の水 角川源義
仏にも寒九の水をたてまつる 森 澄雄
焼跡に透きとほりけり寒の水 石田波郷
寒水に豆腐沈めしままの闇 赤尾恵似
焦土より寒水はしり出づるかな 加藤楸邨
寒の水飲めばたやすく心満つ 殿村莵絲子
米二合研ぎ澄むまでや寒の水 佐久間鮎子
寒の水ごくごく飲んで畑に去る 飯田龍太
金魚大鱗海の日に汲む寒の水 角川源義
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