竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな 芥川龍之介

2020-07-24 | 今日の季語


蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな 芥川龍之介

蝶の伸びきった舌をだれが見たのだろうか
誰も見たことのないその様を暑さについに伸びきった舌と言う
人も他の哺乳類も暑い時には舌を出して熱を放射する
蝶もきっと同じだと作者は知っている
ぜんまいの例えもユニークだ
(小林たけし)


【暑し】 あつし
◇「暑さ」 ◇「暑き夜」 ◇「暑き日」 ◇「極暑」(ごくしょ) ◇「酷暑」(こくしょ) ◇「溽暑」(じょくしょ) ◇「炎暑」(えんしょ)
夏を通じての気温の高さをいう。「暑(しょ)」と音読した場合、「大暑」「小暑」の時節の意味も含む。「極暑」は極めて暑いこと、「辱暑」は蒸し暑いこと、「炎暑」は炎えるような暑さ、真夏の太陽による炎えるような熱気をいう。

例句 作者

敗れたる土の熱さよ甲子園 黛 まどか
荒縄をとぐろに巻いて炎暑かな 外川正市
極暑の夜父と隔たる広襖 飯田龍太
暑き日を海に入れたり最上川 芭蕉

鬱の字に毛ほどの隙間むし暑し 安済久美子
裏湿りをり炎熱の麦筵 豊田 昇
朴の葉に金蝿を置く蒸暑かな 富安風生
暑き日のこれまた熱き団子汁 有馬朗人
静脈の浮き上り来る酷暑かな 横光利一
つよき火を焚きて炎暑の道なほす 桂信子
下北の首のあたりの炎暑かな 佐藤鬼房
炎暑去る地中にふかく樹の根満ち 桂信子
牛の身の山越えてゆく炎暑かな 桂信子

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