竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

忘我とは芒の真似をすることなり 塩野谷仁

2020-10-11 | 今日の季語


忘我とは芒の真似をすることなり 塩野谷仁

忘我とは
夢中になって、我を忘れること。心を奪われうっとりすること。「忘我の境に入 (い) る
と辞書にある

作者は芒の真似をすることに似ている という
風に揺れ冬に向かう芒原にいる作者はそこに我を忘れたのか
おそらくは無常の事だろうと推し量る
(小林たけし)


芒】 すすき
◇「薄」(すすき) ◇「花芒」 ◇「芒野」 ◇「糸芒」 ◇「尾花」 ◇「芒散る」 ◇「尾花散る」
イネ科の多年草。日当たりの良い山野のいたるところに自生する。秋、桿頭に中軸から多数の枝を広げ、黄褐色か紫褐色の花穂を出す。風が吹くと一斉になびく姿は風情がある。花穂が獣の尾に似ていることから「尾花」ともいう。冬近くになると花穂は開ききって光沢を失い、散りこぼれる。

例句 作者

折りとりてはらりとおもき芒かな 飯田蛇笏
山越せば海荒れて居る芒かな 阪井二星
穂芒の白き土蔵は一茶の地 角川源義
大佐渡も小佐渡も風の花芒 福島壺春
その辺の薄を剪りに行くところ 大岡芙久子
永劫の日輪渡る芒かな 松根東洋城
恭順の芒刈らるゝ演習地 西田紫峰
手のすすき車中を祓ひ了りけり 岡田一夫
手はすこし映画のように芒原 あざ蓉子
手を振つて芒の波に沈みゆく 長部多香子
投入れのすすきかるかや神隠し 岩永佐保
抱きたる胸のうちそと芒原 久保純夫

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