忘我とは芒の真似をすることなり 塩野谷仁
忘我とは
夢中になって、我を忘れること。心を奪われうっとりすること。「忘我の境に入 (い) る
と辞書にある
作者は芒の真似をすることに似ている という
風に揺れ冬に向かう芒原にいる作者はそこに我を忘れたのか
おそらくは無常の事だろうと推し量る
(小林たけし)
芒】 すすき
◇「薄」(すすき) ◇「花芒」 ◇「芒野」 ◇「糸芒」 ◇「尾花」 ◇「芒散る」 ◇「尾花散る」
イネ科の多年草。日当たりの良い山野のいたるところに自生する。秋、桿頭に中軸から多数の枝を広げ、黄褐色か紫褐色の花穂を出す。風が吹くと一斉になびく姿は風情がある。花穂が獣の尾に似ていることから「尾花」ともいう。冬近くになると花穂は開ききって光沢を失い、散りこぼれる。
例句 作者
折りとりてはらりとおもき芒かな 飯田蛇笏
山越せば海荒れて居る芒かな 阪井二星
穂芒の白き土蔵は一茶の地 角川源義
大佐渡も小佐渡も風の花芒 福島壺春
その辺の薄を剪りに行くところ 大岡芙久子
永劫の日輪渡る芒かな 松根東洋城
恭順の芒刈らるゝ演習地 西田紫峰
手のすすき車中を祓ひ了りけり 岡田一夫
手はすこし映画のように芒原 あざ蓉子
手を振つて芒の波に沈みゆく 長部多香子
投入れのすすきかるかや神隠し 岩永佐保
抱きたる胸のうちそと芒原 久保純夫
折りとりてはらりとおもき芒かな 飯田蛇笏
山越せば海荒れて居る芒かな 阪井二星
穂芒の白き土蔵は一茶の地 角川源義
大佐渡も小佐渡も風の花芒 福島壺春
その辺の薄を剪りに行くところ 大岡芙久子
永劫の日輪渡る芒かな 松根東洋城
恭順の芒刈らるゝ演習地 西田紫峰
手のすすき車中を祓ひ了りけり 岡田一夫
手はすこし映画のように芒原 あざ蓉子
手を振つて芒の波に沈みゆく 長部多香子
投入れのすすきかるかや神隠し 岩永佐保
抱きたる胸のうちそと芒原 久保純夫