モンゴル、フスタイ国立公園のタヒ(モウコノウマ)とアカシカの群落利用と食性
大津彩乃:高槻成紀
この論文は2020.12/21にWildlife Biologyに受理された。
モンゴルのフスタイ国立公園では1960年代に野生状態で絶滅したタヒをヨーロッパの動物園から復帰させ、その後順調に回復している。ここにはアカシカも生息しており、両種が高密度になると食物をめぐる競合の可能性があるため、食性の定性評価が必要である。そのため糞分析のより食性と生息地選択を調べた。タヒは主にイネ科を食べ、草原をよく利用したが、アカシカはイネ科と双子葉をよく食べ、森林をよく利用した。したがって現状では両種は住み分け、食い分けをしているといえる。今後どちらかあるいは両種が増加すれば競合の可能性もあるし、植生への影響も強くなることを考察した。

調査地

タヒとアカシカの群落利用

タヒ(灰色)とアカシカ(黒)のフン中の植物片の大きさ別の重さ

タヒとアカシカの糞中のタンパク質含有率
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