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チビデビル ルックと
天使キャラ セントの日記です。

「童夢」  敢えて夢と

2007年07月03日 | 本と雑誌

「童夢」を知らない方でも、その後発表した「AKIRA」はご存知かも。
大友克洋のコミックです。「童夢」の初版は1983年でした。

<ちょっとあらすじ>

都会の大規模団地で、不可解な事件や事故が頻発し、
3年で死者の数は30人になろうとしていた。

ある日、小学生の女の子が両親と団地に引っ越してきた。
その時、まだ歩くことも出来ない赤ん坊が、高層階のベランダから転落する。

(真赤なトマトになっちゃいな…。)
ベンチで、うつらうつらしている
子供のように小さな、じいさんの口元がゆるむ…。悲鳴が聞こえる。

しかし赤ん坊は、何かに抱かれたように空中で止まってから、静かに落ちる。

「なにがトマトよ。あんなことしたら赤ちゃんが死んじゃうでしょ。」
ツカツカとベンチのじいさんに近寄り、怒る女の子。
じいさんの目が見開き、汗がふきだす。
「なんていたずらっこなのかしら。」

立ち去る女の子に石が飛んでくるが、にらまれて落ちる。
「ほんとにもう。」
振り返り、腕組みをする女の子。
じいさんの足元に転がっていた、ゴミが炸裂する。

<樹庵の感想>

世の中に数ある不可解な事件や事故。
科学捜査が発達したとはいえ、まだ迷宮入りは多い。
もし、そのいくつかに、人間の超能力が加担していたら…。

歪んだ心が、恐ろしい力を持つことの恐怖は、
別に超能力に限ったことではないけれども、
超能力は、超能力のあるものにしかわからない。

普通の人間の及ばないところで、壮絶なエスパーの戦いが繰り広げられる。
ぼけて子供になったじいさんが
人間をおもちゃのようにもてあそぶのに対して、
仲良しを殺された女の子の怒りは、ビルをも破壊するすさまじさだ。

20年以上前の漫画なのに、
建物の崩壊シーンは9.11をほうふつとさせる。
人が破裂したり、建物の下敷きになる瞬間がある。
血が飛び散り、壁一面に付着しているシーンもある。
激しい表現ではある。しかし、けして過激とは思えない。
それだけ、この中身がすごいということ。

でも、子供は見ちゃだめ。特に最近の子供はね。
…実は、そこが怖かったりする。

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