樹庵のお気楽ナビ

チビデビル ルックと
天使キャラ セントの日記です。

「フラガール」

2007年09月29日 | 映画

<ちょっとあらすじ>

昭和40年。
エネルギーは石炭から石油に取って代わり、
常磐炭鉱大量解雇の冷たい風が吹く福島県いわき市。
なんとか再興を図ろうと計画された
常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)の目玉、
フラダンスのダンサー募集が始まる。
SKD出身の平山まどか(松雪泰子)が東京からやってきた…。

<樹庵的感想>

いやー、泣けた泣けた。
とにかく泣けて、劇場で観なくてよかったとつくづく思いました。

それにしても、なんというか泣ける理由がよくわからない。
でも、ガラガラ泣ける。
そういう意味では、これも不思議な映画だ。

昭和40年。
閉山が迫る炭住に住む、極貧と呼んでもよいかもしれない人々。
冬枯れの東北の、田舎町の風景がまさにぴったりだった。
山で生まれ山で死ぬことが当たり前だった人たちに、
解雇の波が押し寄せる。
「俺達は変わらないのに、時代だけが変わってしまった。」
という紀美子(蒼井優)の兄(豊川悦司)の台詞がねぇ。意味深い。

ダンス教師平山の「プロを呼んできてやれば」の一言に、
方言で啖呵を切るハワイアンセンター営業部長(岸辺一徳)の、
内容はまったくわからないけど、切れちゃってすごい早口でまくしたてるところに、
炭鉱の人々の心の内が見えるようだった。
きっと誰でも同じこと(意味はわからないけど)思っていたんだろうな。

解雇された父親と弟、妹を連れて夕張に引っ越す紀美子の親友、早苗は、
ほんの短い間みんなと練習したフラの時間が、
今までで一番楽しかったと告げる。
早苗の家は本当に貧しくて、
中学を卒業した早苗が家族の面倒を見ていた。
「がんばれよ、あんたの人生これからさ」といいたくなる。

ハワイアンセンターオープン前の、フラガールキャラバンの途中に、
父親が落盤事故で亡くなるサユリ(しずちゃん)。
炭鉱の仕事は死と隣り合わせなのに、
そんなに危険な仕事をしている人たちが、
こんなに貧しくていいのだろうかと思ってしまった。
経済の仕組みというやつがね、恨めしい時があるよね。

でも、どうも泣けるのはそういう貧しさのせいでもなさそうだ。
でもいいや、これ以上分析しなくても。
あー、ガラガラ泣くと、すっきりしてよいわ。

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「マンダラ塗り絵 上級編」

2007年09月27日 | 本と雑誌

塗り絵です。
確かに去年あたりから、大人の塗り絵が流行っているというのは知っていましたが、
「塗り絵なんてね。
決められた形に色塗ったって、創造性も何もないじゃん。」と思っていました。

ただ、角川書店の「大人の塗り絵ノート 鳥獣戯画編」は、
あのウサギやカエルたちの動きが魅力的で、
塗り絵でもあの絵は手元に置いて時々みたいなと思っていましたので、
昨日本屋で見てみました。
鳥獣戯画は期待通りなかなか楽しくて、
塗り絵はしないけど買うことにしたのですが、
その隣に「マンダラ塗り絵」というのがあったのです。

おう、マンダラね。
これなら、パターンはあっても、塗り絵も楽しいかもしれん。
手に取ると、24パターンがありました。
見ていてちょっとやってみたくなりました。

そもそもマンダラという聖なる図形は、抽象性がとても高く、
その分、自由度も高いのです。
「マンダラ塗り絵」では、もともと高い自由度がさらに高められています。
最近の精神医学では、絵画を使った療法の場合、
自由度が高ければ高いほど、人の心身を癒す効果も高いといいます。

さらに、完成したマンダラ塗り絵を3~5メートルくらい離れたところから見ると、
まったく異なるパターンがあらわれることがあります。
ユング心理学の考えによると、
私たちが色を塗っているときに働いている心はエゴです。
エゴはエゴイズム(利己主義)という意味で使われるとおり、
自己保存や欲望をつかさどる表層的な心です。

それに対して、完成したマンダラを
離れたところから見た時に浮かび上がってくるパターンは、
セルフと呼ばれる心の深層の表現らしいのです。
このセルフは、広大な無意識の世界とつながっています。
仏教でいえば、「本来の自己」です。
「本来の自己」と出会うとき、
人はそれまでとは大きく変わるといいます。(抜粋)

ほほぅ、そうなの。
これはますますやってみなくてはならん。

…ということで、2パターンほどやってみました。
お恥ずかしながら樹庵作の2点でございます。 画面が汚くてすみません。

左は、上にある、この本の表紙と同じパターンですが、色によって変わるものですねー。
これ、そういうつもりで塗ったんじゃないですけど、
どうしてもギリシア神話のゼウスのおっさんに見えてしまうんです。
(いや、目の周りが赤いから酒の神バッカスの親父かもね)

右は、魚がいっぱいですが、これを遠くに離して見たら、これは感激!!
銀河宇宙の中に地球(らしい)星が浮かんで見えましたー。

みなさま、あまりお暇はないと思いますが、たまには、自分と向き合う塗り絵もよいですよ。

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「かもめ食堂」

2007年09月25日 | 映画

<ちょっとあらすじ>

フィンランドのヘルシンキ。
食堂を開店させたサチエ(小林聡美)だが、
誰もお客が来ない日が1ヶ月も続いていた。

ある日、日本かぶれの若者が最初のお客として店に入ってくる。
「ガッチャマンの歌、全部ご存知?」
聞かれてもサチエには「誰だ、誰だ、誰だー」しか出てこない。

そんな時本屋で、ムーミンの本を読む
ひとり旅のミドリ(片桐はいり)を見つける。
やがて、マサコ(もたいまさこ)も
引き寄せられるようにかもめ食堂にやってくる…。

<樹庵的感想>

不思議な映画である。
今まで「樹庵のお気楽ナビ」で紹介してきた映画で、
全編繰り返して見たのは「スゥイングガールズ」と「シックスセンス」だけで、
その他は、さわりだけを見直した。
しかし、その「スゥイングガールズ」「シックスセンス」にしても、
見たのは2回。
なのに「かもめ食堂」は4回も見てしまった。

ヘルシンキの裏通りにあるかもめ食堂を舞台にした、
淡々としたストーリーは、すっごい感激や涙があるわけではない。
ここぞという盛り上がりも、ないといえばない。
だから見直すにはさわりだけ見ることが出来なくて
結局全編見ちゃうのだが、
全編でも見れてしまうのだ。何度でも。

禅問答のような台詞が、いたるところに飛び交う。
ミドリもマサコも、居ても立ってもいられない理由があって、
日本から遠く離れた北欧のフィンランドにやってきた。
でもサチエは、その訳はけっして聞かない。
サチエ自身にも、深い訳があることはよくわかる。

ミドリ(どこか遠くに行ってやろうと思った。フィンランドには世界地図を目をつぶって指差して決定しただけだが)
「でも、来てやらないわけには行かなかったんです。…どうしても。」
サチエ「そりゃあ、どうしてもの時は、どうしてもです。」

サチエ「自然の流れと、自分の身体の気を同調させるから合気道っていうんですよ。」
ミドリ「はあ…。」
サチエ「大切なのは身体の真ん中。」

サチエ「こちらにはいつまでいらっしゃる予定なんですか?」
マサコ「決めてないです。」
サチエ「観光とかではなくて?」
マサコ「ふーん、そうですね。そうかもしれないし、そうでないかもしれないし…まだ決めてないんです。」

マサコ「いいわね。やりたいことをやっていらして。」
サチエ「やりたくないことは、やらないだけなんです。」

サチエ「でも、ずっと同じではいられないものですよね。人はみんな変わって行くものですから。」
ミドリ「いい感じに変わっていくといいですね。」
サチエ「…大丈夫。たぶん。」
ミドリ「そうですね。」

ミドリ「サチエさんのいらっしゃいは、すごくいいんですよ。」
マサコ「そうね。サチエさんのいらっしゃいは見ごたえがあるわね。」

ああ、これは癒しなんですなと、わかったのは3回見た後のこと。
この裏通りのかもめ食堂は、サチエのおいしい和食で人々を癒している。
そして、日本から来た訳ありのミドリとマサコも、サチエのかもめ食堂に癒されていく。
そしてなによりサチエ自身が、凛として、しかもあたたかい彼女自身が、
かもめ食堂によって癒されていく。

サチエ役の小林聡美の、演技とは思えない抜けた演技が光ります。
かもめ食堂はたぶん
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこのための映画だったと思いました。

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「元気を出して」と「ロッカーのハナコさん」

2007年09月21日 | テレビ番組

昨日、「うたばん」で
徳永英明が、アカペラで歌っていた「元気を出して」が妙に気になりました。

「元気を出して」は元々竹内まりやの曲ですが、
島谷ひとみのカバーもよかったよね…と思ったら、
この曲をテーマソングにしていた、
NHKのドラマ「ロッカーのハナコさん」を思い出しました。

♪ 涙など見せない強気なあなたを、そんなに悲しませる人は誰なの~
で始まるこの曲。
好きでしたね。特に、最後の
「人生は、あなたが思うほど悪くない。早く元気出して、あの笑顔を見せて」
というのがねぇ…いいよねぇ。

<「ロッカーのハナコさん」ちょっとだけあらすじ>

社内ミステリーツアーで
心霊スポットのひとつ、開かずのロッカーになっている、
備品倉庫のロッカーを空ける羽目になった新入社員瑠布子(吹石一恵)。
そこは10年前に不慮の事故で死んだ
スーパーOLハナコさん(ともさかりえ)が住着いていると噂されていたのです。
他の誰にも見えないのですが、瑠布子にだけは、
ほんとうにロッカーの中で生活している、ハナコさんの姿が見えたのでした…。

<樹庵的感想>

ハナコさん、
さすが元スーパーOLだけあって素晴らしい活躍です。
新入OLの悩みを次々と解決してゆきます。
企画書なんかも一晩で作ってしまいます。

ともさかりえがスタイリッシュでハナコさんにぴったりでした。
ロッカーが心霊スポットというならば、
これはおどろおどろしい話みたいですが、
ハナコさん(の幽霊?)はリカちゃん人形のように可愛くて、
ロッカーの中のお部屋も、これまたリカちゃんハウスのようでした。
こんな幽霊さんなら会ってみたいですね。

でも、さすがに幽霊さんなので、やる時はやります。
たまにですが…。

1話15分で、
完結まで見る気をそぐことなくひっぱってくれた、
海外ドラマで言うと「奥様は魔女」みたいな感じの秀作ドラマでした。

「元気を出して」もドラマのイメージにぴったりでした。
すごく久しぶりに、声に出して歌っている自分に気がつきました。
カラオケで思いきり歌うのもいいかもね。

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「こころの処方箋」

2007年09月19日 | 本と雑誌

昨日につづき、河合隼雄氏の本です。

人の心などわかるはずがない

ふたつよいこと さてないものよ

100%正しい忠告は先ず役に立たない

己を殺して他人を殺す

心の中の勝負は51対49のことが多い

ものごとは努力によって解決しない

うそは常備薬 真実は劇薬

55項目の中からの樹庵セレクトです。

ちょっと読みたくなった項目はありますか?
私がこの中で一番気に入ったのが
「ものごとは努力によって解決しない」です。

これは、インド生まれの宗教家・哲学者クリシュナムルチの言葉だそうです。
なんかこの言葉に出会うために、この2年半があったような気がしますねぇ。

細かいことはいいませんが、
樹庵はこの2年半、人生の冬の季節にあります。
何で?何が悪いわけ?どうすりゃいいわけ?
なんとか解決させたくて、引越しもしたし、
そういう意味ではブログを書くのも努力のひとつかなぁ。
でもね、やっとここ最近になって、少しつかめてきた気がします。
何がって?うーん、冬の過ごし方ってやつですかね。

世の中にはいくら努力をしても解決の緒が見つからなくて苦しむ人が多い。
(中略)しかし翻って考えれば
「努力すればうまくゆく」などということが本当に正しいのか、
なぜそうなのかわからなくなってくる。
私は来談される沢山の人たちのお話を聴いていて、
人間が自分の努力によって何でも解決できると考える方がおかしいのではないか、
と思い始めた。

そして河合先生はこの言葉に出会ったのだそうです。

努力によってものごとは解決しないと知っても、
われわれ凡人は、努力を放棄して平静でなどいられない。
いらいらしたり、そわそわしたり近所迷惑なことである。
そんな状態に陥るくらいなら、努力でもしている方がまだしもましである。
解決などと言うものはしょせんあちらから来るものだから、
そんなことを「目標」にせずに、
せいぜい努力でもさせて頂くというのがいいようである。

「解決などと言うものはしょせんあちらから来るもの」
樹庵も、この心境になるまでに2年半ですよ。
いや、実はまだなりきっていないのかもしれないけど。
でも、思うようにならなくても、いらいらしないように、
楽しい努力をしようと思いました。

追伸
そういうわけで、
ブログも努力で書かないことにしました。
だから毎日更新はしないかもしれないけど、時々は見てくださいね。

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