木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

鬼、河童に濁流の水飲まされる- 3

2007年02月10日 | 一九じいさんのつぶやき
桃源郷といわれるユガテという集落を通過する。
疲労激しい俺にとっては、ただのひなびた集落にしか見えない。
ただ、行程が平坦になったのはうれしい。
しばし順調なペースで行く。
この辺りは植樹林で同じような木しかなく、景観の変化に乏しい。
おや。
そんなことに気が付く余裕が出てきたのだな、
自分で感心したが、
エビガ坂
という急坂がまたもや俺の期待を裏切る。
登ったかと思ったら、また下り、また登る。
ややこしい。
せっかく登ったのに、また降りて、また登るなんて。
おや。
いつの間にか、そんなに苦しくはなくなっている。
これがいわゆる、ランナーズハイというやつだろうか。
今の俺はエベレストだって登れるぞ、という気になっている。
調子に乗って2時間弱くらい歩いただろうか。
峠の茶屋が見えてきた。
後の登りはたいしたことがない。
ひと登りしたら、降りるだけだ。

食べ過ぎた・・・

調子に乗って峠の茶屋でビール3本、おでんと親子丼を平らげてしまった。

後が続かない。
さっきの威勢のよさはどこかに行ってしまった。
幸いなことに顔振峠に出るまでにはそれほどかからなかった。
ここには源義経の伝説がある。
義経が奥州に逃れるときにここを通って、景色がいいので何回も振り返ったという。
また、もう一説には、坂が厳しいので供の者が疲れて顔を振り振り登ったという。
俺には後者の方が当たっているように思える。
景色もそれほどよく感じられない。

下りは楽だと思ったのだが、歩き方が悪いせいか、膝が痛くなってきた。
酔い覚めでだるくなった体を引きずるようにして、黒滝三山までやっとたどりついた。

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