木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

スティーブ・ウイリアムス ラスト・ファイト

2010年01月21日 | スポーツの周辺
新日本プロレスや全日本プロレスで活躍したプロレスラーにスティーブ・ウイリアムスという選手がいた。
アメリカンフットボール仕込みのごつごつしたパワープレイを得意とするレスラーで、ドクター・デス、殺人医師の異名で知られた。特に全日本プロレスではテリー・ゴディと人間魚雷コンビを作り大活躍をした。
多分、身体の固さからそうなってしまうのであろう急角度のバックドロップや、オクラホマスタンピードなど力技は迫力があった。
しばらく見ないな、と思ったら昨年7月にIWA JAPANが新宿FACEで行った試合に登場していた。
相手はヘルアントマシン2号というレスラーであったが、スティーブにはかつての輝きはない。
最後はオクラホマスタンピードを決めようとするが、かつてのパワーはなく、単に担ぎ上げた相手が崩れ落ちてフォールに持ち込んだに過ぎない。
これでスリーカウントが決まったが、会場で起こった「ええ!」のざわめきがスティーブの全盛期を知る者としては寂しい。わずか2分半の試合であった。かなりしょっぱい試合であったことは否めない。
試合後リング上でマイクをとったスティーブの声は地を這うように低い。もともとしゃがれ声であったが、こんなに低い声だったか?
その低い声で、スティーブは10月に引退試合を行うと表明。
だが、10月の引退試合は行われなかった。スティーブの体調が悪化したためである。
そして、12月29日他界。

スティーブは5年前に喉頭ガンに罹っていたとのことだった。声帯も全摘出。だから、あのような声だったのだ。
そのガンが今年になって再発していた。
そう考えると闘病生活中のスティーブのファイトがしょっぱくなることは当然で、しょっぱいファイトしかできなくなっている自分を一番きつく感じるのもスティーブ自身であったのではないだろうか。
多分、あの体では普通に寝転んだりおき起き上がるのさえしんどかったのではないだろうか。

プロレスではよく、引退→カムバックが繰り返され、引退もただのポーズのように行われることが多いが、スティーブやジャイアント馬場のように生涯現役にこだわるレスラーもいる。
レスラーの懐事情は分からないし、スティーブももしかしたら金のためにリングに上がっていたのかも知れない。
最後のリングからわずか5ヶ月で亡くなってしまったスティーブであるが、最後までリングにこだわる姿は、根っからのプロレス好きだったのだと信じたい。
プロなのだから、スポーツ選手は観客をうならせるような試合をしなくてはならない、という意見もある。
だが、プロレスは、たとえ、仕組まれた筋書きの中があったとしても、観る者に感動を与えられる特殊なスポーツだ。


以前、私が全日の試合を見に行った際、途中の試合を見にスティーブが会場に出てきたことがある。
「Have a nice fight!」と声をかけたのだが、「ふん」という感じで相手にして貰えなかった。
ファンサービスが悪いなあ、と思い、スティーブにはあまりいい感想を持っていなかったのだが、リング後のスティーブの挨拶を聞いていると、ずいぶん「いい人」になったような感想を受ける。
そういえば、スティーブはアメリカで「ドクターデスからドクターリブへ」という本を出し、教会などでもスピーチを行っていたということだ。

武藤敬司が短いながら、追悼のコメントを述べていた。

それにしても、テリー・ゴディ、ジャンボ鶴田、そしてスティーブまで亡くなったのは寂しい限りである。


スティーブ・ウイリアムス ラストファイト

全日本初登場時のスティーブ・ウイリアムス

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男色ディーノ & ヨシヒコ

2010年01月21日 | スポーツの周辺
あまりにもくだらなく、それゆえに、あまりにも面白い動画を発見した。
果たして、これをプロレスと呼んでいいものかどうか・・・。
動画は10分以上ある長いものなのだが、面白さに短く感じた。
アナウンサーと解説者のまじめな実況も面白さに拍車をかける。

プロレスは八百長だとか、インチキだとか論ずる人がいるが、プロレスはスポーツであると同時にショーでもある。
下記の動画を観て、これが真剣勝負などと言う人はいないが、これもこれで、プロレスのひとつの形であろう。
正統派プロレスファンは眉をひそめるかも知れないが、私自身は楽しめた。
時間がある方はぜひ見て、笑って欲しい。

男色ディーノ・ヨシヒコVSPIZAみちのく・アントーニオ本多

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