たびびと

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生きるか死ぬか1 ホンジュラスの風

2010年11月15日 | ホンジュラスの風
ホンジュラスの田舎に滞在して2年、日中に傘をさして歩いたという記憶がない。
雨季でも、雨が降るのは決まって夜中。何とも便利な気候だと感心した。人々の気持ちの良さが天候にも反映しているのだろうか。

そんなホンジュラスにも、数日間強い雨が降った。
日中も続けて降る強い強い雨である。明らかに今までとは何かが違う雨だった。

そんな雨が続くある日の朝こと。
朝食の時間になり、自分の部屋がある離れからリビングに行くと、
「昨日は大丈夫だった?」
と聞かれた。

「何が?」
と質問すると、何と、ホームステイしている家の前の通りが雨のため水浸しとなり、家の中に浸水する一歩手前だったのだ。

家は少し高床式になっているため、浸水は間逃れた。しかし、近所の家の人は大変だった。
全員が、市の中心部の方(海抜がもう少し高めの地域)の学校や知人の家へ避難したのである。

そのまま強い雨が続いていたら、我が家も浸水、避難の必要があった。

真夜中、外の様子を見ながら、ホームステイのお母さんはとても心配していた。
逃げ遅れた近所の人があまりの雨量に避難ができず、この家に非難していた。

何も知らずにいつもと同じようにぐっすり寝ていたぼく。
ホームステイの家族はあまりの呑気さにあっけにとられていた。

その後の数日間、雨は強くなったり弱くなったり。
そして一週間後、ついに止んだ。

この雨はハリケーンと呼ばれ、多数の死者、避難者を発生させたということを後日、新聞、ニュースで知ることになる。

雨上がりの久しぶりに晴れた日に市内をぐるりと自転車で巡回した。

町はすごいことになっていた。
小学校には多数の避難民が宿泊している。小さな橋、そして首都への幹線道路の橋は陥没。もう仕事どころではなかった。

近所の学校や市役所に何か手伝えることはないかと自転車で通った。食事作りを手伝ったり、いらない服を寄付したりとやれることをやった。

毎日商店街前を自転車で通る。
日に日に市場周辺の商店、出店が閉じていく。市場の店も閉じていく店が多くなり、数字後に全店舗が閉店した。

幹線道路が機能せず物流がストップ。売る商品がなくなったのだ。
数日後、とうとう町中の店が全て閉まった。

どの店も、売り惜しみや便乗値上げをしたということはない。いつも通り商品を売り、在庫がなくなった時点で閉店していた。
こういうときには暴動、強盗が起こることがよくあるようだが、驚くほど静かで、何もおきなかった。食糧の買い占めもなかった。

大多数の市民は飲料水を購入している。水源地帯が農薬等で汚染されていて販売の再開の目途がたったいないとの噂が流れていた。

このとき、
「このままだと食糧、水不足で餓死するのでは」
という死の危機感を生まれて初めて強く実感した。

Goo
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