4月27日の記事について、武田氏が個人を批判したくないという理由で書き直されました。
http://blog.goo.ne.jp/ta6323blue/e/01a3ba8cde16b618bc3e07da12425c4b
再度、学校給食に福島産の食材を使うことについて
疑問点を述べられています。
http://takedanet.com/2011/04/post_f0cd.html
給食 法律上(規制値以下の)汚染された食材は使えない!
(この記事は、ある市の給食問題を取り上げたものを書き直したものです。書き直した理由は、私はこれまで、
「個人を批判せず、意見を批判する」
というのが信条で、今までも首相、東大総長など限られた人以外は、個人の批判を控えてきました。
しかし、このところ、市長などが市民に被ばくを強制する例が目立ち、つい具体的な市長の名前で批判をしました。
でも、やはり個人を批判すると論点が曖昧になりますので、書き直しました。内容はほぼ同じです.)
・・・・・・・・・
食材が汚染し、子供が被ばくしています。
その中で、福島を中心として学校で「地産地消」の食材を使った給食を実施しているようです.
福島ばかりではなく、東京などでも「災害地の農産物を使おう」というキャンペーンなどがあり、給食に「規制値内の野菜」が「安全なもの」として使われて、お母さんを心配させています.
給食の問題は複雑で、これまでもいくつかの論争がありました。
それらは、いずれも学校というものが「集団の規律を教えるところ」なのか、「自由な個人を育てるところなのか」でした。
・・・・・・・・・
給食は児童が一斉に食べますから、一人の児童が「わがまま」を言うと、給食自体が成り立たないという面があります。
一方では、憲法で「思想信条の自由」が認められていて、たとえば宗教上の理由で豚肉が食べられない児童に対して、どのように考えるかという問題があります。
このように給食の問題は、二つの見方がありますが、
「放射線で汚染されている食材を使った給食を児童に強制できるか?」
「市長、教育委員会、校長、給食担当専門家は、それを決める権限があるか?」
について考えてみたいと思います.
なお、「汚染されている野菜」とは、
「規制値内だが、普段に比べて汚染が見られる場合」
とします。つまり、規制値を超える野菜はもともと販売されていないと仮定します.
・・・・・・・・・
従来からの給食問題の議論は、アレルギーの子供の場合と、給食費が払えない親の問題です.これを「行列のできる法律相談所(2006年)」から見てみましょう.
問題は「アレルギーのある子供は当然、弁当が許されるが、アレルギーのない児童の給食拒否、弁当持参を禁止する教師は違法なのか」という設問です.
・・・・・・
【橋下徹弁護士】
弁当禁止は違法ではない。義務教育というのは英数国理社の科目を教える場ではない。集団ルールを教えるのが義務教育で一番重要な事。アレルギーの場合は食べない自由は当然であり、弁当は許されるが、そうでない時に給食を食べない自由を許すと、授業を受けない自由や、体育の科目ごとに授業を受けない自由など、どんな自由でも許されるのかという事になる。自由、自由と言っていたら集団ルールを守れるような子供には成り立たないので、弁当は禁止するべき。
【北村晴夫弁護士】
弁当禁止は違法である。給食を強制するため弁当を禁止するのは違法! 学校給食の目的は、集団行動を教えるためではない。 子供の成長の為、栄養を補給させる為である。 経済的理由や母親が弁当を作る時間がない子供の為に支給している。 集団行動を教えるために「これを食べなさい」と強制するのは本末転倒であり、目的を取り違えている。 学校は「人はそれぞれ違うのだからいじめてはいけませんよ」と教えるべき。「イジメにあうから主義・主張と違うものを食べなさい」というのはおかしな話である。
【住田裕子弁護士】
弁当禁止は違法である。今の世の中の流れとしては「多様性」。
健康上や宗教上の理由、ライフスタイルの信念など、ある意味では正当な理由があってやりかたも相当である限り、弁当持参は認めるべき。
【丸山和也弁護士】
弁当禁止は違法である。教育というのはそれぞれの生徒の個性を引き出してそれを発展させていくことが目的であって、画一的な教育というのは、日本の場合、強すぎるので、そう言うところは自由にしていったほうがのびのびした人間に育つ。
学校が弁当を禁止するのが違法という弁護士が多いのが現状です.
・・・・・・・・・
この議論で判るのは、
1. 法律違反をしてまで学校側が弁当を禁止できない(レベル1)、
2. 児童の健康に影響がある時は弁当を禁止できない(レベル2)、
3. 社会は多様化しているのだから、合理的な理由があれば弁当を禁止できない(レベル3)、
4. 給食は家庭の事情で弁当を持って来ることができない児童のための栄養補給であり、弁当禁止などはまったくできない(レベル4)、
という感覚の差があり、昔でも「レベル1合格」は当然で、今は「レベル3合格」ぐらいのところが社会通念だということも判ります.
・・・・・・・・・
これから見ると、「地産地消」という意味で、福島県の小学校が「福島産」の食材を給食に使うときに、保護者がそれを拒否できるかと言う問題を考えてみたいと思います.
まず、文部省が所轄する法律「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」によると、
1. 放射線の被曝はできるだけ少なくすること、
2. 児童(一般人)の被ばく限界を、食品からの内部被ばくも含めて1年に1ミリシーベルト以内にすること、
としています。

また、左の図は文科省の通達ですが、文科省(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)は現在のホームページに法律の改正で被ばくをみだりに増やす行為に対する罰則規定を強化しています.
ここでは、「一般公衆の線量限度」を1年間1ミリシーベルトとし、かつ「放射性廃棄物」を排気するときの「クリアランスレベル」として、「1年間10マイクロシーベルト以下」としています.

つまり、「被ばくはいろいろなことが原因して起こるので、1つのことで規制するときには、規制値の100分の1」という通常、食品安全などに使われる考え方をそのまま踏襲しています.
(機会を見て「社会の安全を保証する100分の1のルール」についてお話しをします.)
だから、
1. 今、文科省が勝手に「1年1ミリシーベルト」を「1年20ミリシーベルト」にしているが、これは「有罪」で、1年以下の懲役刑になる、
2. 「この食材は大丈夫」というためには、1年間10マイクロシーベルト以下(規制値の100分の1)でなければならない、
と文科省自身がそのホームページで言っていることです.
・・・・・・・・・
つまり、福島産、茨城産のように、現在は1年に10マイクロシーベルト以上の野菜や牛乳が多いので、その食材を給食に使用することは「文科省の法律違反、懲役になる」ことであり、議論の余地無く、学校は給食に「汚染されている可能性のある食材」は使えない事になります。
文科省も先生方も、文科省の法律を犯してまで、児童を被ばくさせようとしないでください。
(平成23年4月29日 午前10時 執筆)
武田邦彦
昨日から民主党は積極的に福島県産を消費しようとキャンペーンを始めました。
本当にこれは国民の命を守るという事から外れていないのか
これが福島県の方達を考えてのことなのか
もっと政府として有効な手立てはないのかを考えたいです。
昨日も新聞に給食に福島県産の牛乳が出て子供たちが喜ぶ記事を掲載していましたが
子供を利用して福島県産の牛乳の安全をアピールするのは疑問です。
携帯の武田氏のブログでは内容は同じですが
コメント欄が設けられています。
小さいお子さんを育てている多くのお母さん達の声が
寄せられていますが、どの方も我が子を健康に育てたいと願って
政府の対応に不安を持っています。
一度、携帯からも武田氏のブログをご覧になることをお勧めいたします。
http://blog.goo.ne.jp/ta6323blue/e/01a3ba8cde16b618bc3e07da12425c4b
再度、学校給食に福島産の食材を使うことについて
疑問点を述べられています。
http://takedanet.com/2011/04/post_f0cd.html
給食 法律上(規制値以下の)汚染された食材は使えない!
(この記事は、ある市の給食問題を取り上げたものを書き直したものです。書き直した理由は、私はこれまで、
「個人を批判せず、意見を批判する」
というのが信条で、今までも首相、東大総長など限られた人以外は、個人の批判を控えてきました。
しかし、このところ、市長などが市民に被ばくを強制する例が目立ち、つい具体的な市長の名前で批判をしました。
でも、やはり個人を批判すると論点が曖昧になりますので、書き直しました。内容はほぼ同じです.)
・・・・・・・・・
食材が汚染し、子供が被ばくしています。
その中で、福島を中心として学校で「地産地消」の食材を使った給食を実施しているようです.
福島ばかりではなく、東京などでも「災害地の農産物を使おう」というキャンペーンなどがあり、給食に「規制値内の野菜」が「安全なもの」として使われて、お母さんを心配させています.
給食の問題は複雑で、これまでもいくつかの論争がありました。
それらは、いずれも学校というものが「集団の規律を教えるところ」なのか、「自由な個人を育てるところなのか」でした。
・・・・・・・・・
給食は児童が一斉に食べますから、一人の児童が「わがまま」を言うと、給食自体が成り立たないという面があります。
一方では、憲法で「思想信条の自由」が認められていて、たとえば宗教上の理由で豚肉が食べられない児童に対して、どのように考えるかという問題があります。
このように給食の問題は、二つの見方がありますが、
「放射線で汚染されている食材を使った給食を児童に強制できるか?」
「市長、教育委員会、校長、給食担当専門家は、それを決める権限があるか?」
について考えてみたいと思います.
なお、「汚染されている野菜」とは、
「規制値内だが、普段に比べて汚染が見られる場合」
とします。つまり、規制値を超える野菜はもともと販売されていないと仮定します.
・・・・・・・・・
従来からの給食問題の議論は、アレルギーの子供の場合と、給食費が払えない親の問題です.これを「行列のできる法律相談所(2006年)」から見てみましょう.
問題は「アレルギーのある子供は当然、弁当が許されるが、アレルギーのない児童の給食拒否、弁当持参を禁止する教師は違法なのか」という設問です.
・・・・・・
【橋下徹弁護士】
弁当禁止は違法ではない。義務教育というのは英数国理社の科目を教える場ではない。集団ルールを教えるのが義務教育で一番重要な事。アレルギーの場合は食べない自由は当然であり、弁当は許されるが、そうでない時に給食を食べない自由を許すと、授業を受けない自由や、体育の科目ごとに授業を受けない自由など、どんな自由でも許されるのかという事になる。自由、自由と言っていたら集団ルールを守れるような子供には成り立たないので、弁当は禁止するべき。
【北村晴夫弁護士】
弁当禁止は違法である。給食を強制するため弁当を禁止するのは違法! 学校給食の目的は、集団行動を教えるためではない。 子供の成長の為、栄養を補給させる為である。 経済的理由や母親が弁当を作る時間がない子供の為に支給している。 集団行動を教えるために「これを食べなさい」と強制するのは本末転倒であり、目的を取り違えている。 学校は「人はそれぞれ違うのだからいじめてはいけませんよ」と教えるべき。「イジメにあうから主義・主張と違うものを食べなさい」というのはおかしな話である。
【住田裕子弁護士】
弁当禁止は違法である。今の世の中の流れとしては「多様性」。
健康上や宗教上の理由、ライフスタイルの信念など、ある意味では正当な理由があってやりかたも相当である限り、弁当持参は認めるべき。
【丸山和也弁護士】
弁当禁止は違法である。教育というのはそれぞれの生徒の個性を引き出してそれを発展させていくことが目的であって、画一的な教育というのは、日本の場合、強すぎるので、そう言うところは自由にしていったほうがのびのびした人間に育つ。
学校が弁当を禁止するのが違法という弁護士が多いのが現状です.
・・・・・・・・・
この議論で判るのは、
1. 法律違反をしてまで学校側が弁当を禁止できない(レベル1)、
2. 児童の健康に影響がある時は弁当を禁止できない(レベル2)、
3. 社会は多様化しているのだから、合理的な理由があれば弁当を禁止できない(レベル3)、
4. 給食は家庭の事情で弁当を持って来ることができない児童のための栄養補給であり、弁当禁止などはまったくできない(レベル4)、
という感覚の差があり、昔でも「レベル1合格」は当然で、今は「レベル3合格」ぐらいのところが社会通念だということも判ります.
・・・・・・・・・
これから見ると、「地産地消」という意味で、福島県の小学校が「福島産」の食材を給食に使うときに、保護者がそれを拒否できるかと言う問題を考えてみたいと思います.
まず、文部省が所轄する法律「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」によると、
1. 放射線の被曝はできるだけ少なくすること、
2. 児童(一般人)の被ばく限界を、食品からの内部被ばくも含めて1年に1ミリシーベルト以内にすること、
としています。

また、左の図は文科省の通達ですが、文科省(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)は現在のホームページに法律の改正で被ばくをみだりに増やす行為に対する罰則規定を強化しています.
ここでは、「一般公衆の線量限度」を1年間1ミリシーベルトとし、かつ「放射性廃棄物」を排気するときの「クリアランスレベル」として、「1年間10マイクロシーベルト以下」としています.

つまり、「被ばくはいろいろなことが原因して起こるので、1つのことで規制するときには、規制値の100分の1」という通常、食品安全などに使われる考え方をそのまま踏襲しています.
(機会を見て「社会の安全を保証する100分の1のルール」についてお話しをします.)
だから、
1. 今、文科省が勝手に「1年1ミリシーベルト」を「1年20ミリシーベルト」にしているが、これは「有罪」で、1年以下の懲役刑になる、
2. 「この食材は大丈夫」というためには、1年間10マイクロシーベルト以下(規制値の100分の1)でなければならない、
と文科省自身がそのホームページで言っていることです.
・・・・・・・・・
つまり、福島産、茨城産のように、現在は1年に10マイクロシーベルト以上の野菜や牛乳が多いので、その食材を給食に使用することは「文科省の法律違反、懲役になる」ことであり、議論の余地無く、学校は給食に「汚染されている可能性のある食材」は使えない事になります。
文科省も先生方も、文科省の法律を犯してまで、児童を被ばくさせようとしないでください。
(平成23年4月29日 午前10時 執筆)
武田邦彦
昨日から民主党は積極的に福島県産を消費しようとキャンペーンを始めました。
本当にこれは国民の命を守るという事から外れていないのか
これが福島県の方達を考えてのことなのか
もっと政府として有効な手立てはないのかを考えたいです。
昨日も新聞に給食に福島県産の牛乳が出て子供たちが喜ぶ記事を掲載していましたが
子供を利用して福島県産の牛乳の安全をアピールするのは疑問です。
携帯の武田氏のブログでは内容は同じですが
コメント欄が設けられています。
小さいお子さんを育てている多くのお母さん達の声が
寄せられていますが、どの方も我が子を健康に育てたいと願って
政府の対応に不安を持っています。
一度、携帯からも武田氏のブログをご覧になることをお勧めいたします。
木下黄太さんの7月15日付けブログポストに紹介されていた、チェルノブイリ被害者救済を続けるドイツ人女医、デルテ・ジーデンドルフ氏のドイツ国営放送によるインタビューの和訳です。
木下さんによると、訳は「FBの「福島第一原発を考えます」グループで、メンバーのドイツ在住の女性翻訳家」がなさったそうで、木下さんのお知り合いの専門家の方もこのドイツ人医師の見解に同意している、とのこと。
ガンだけではないのです。
この女医さんが語るチェルノブイリは、既に日本を見るような思いがします。
以下、翻訳記事の転載(強調は私)
==================================
ドイツ国営放送ARDのニュース番組、TagesschauのHPにチェルノブイリ被害者救済活動を続けるドイツ人女医、デルテ・ジーデンドルフ氏へのインタビュー記事が掲載されています。
以下、翻訳しました。
「チェルノブイリは遺伝子の中で荒れ狂う」
チェルノブイリ事故から四半世紀が経過した。しかし、被曝被害は広がる一方だとデルテ・ジーデンドルフ氏は語る。ジーデンドルフ氏は20年前からベラルーシで医療支援活動を行い、同時に反核運動にも関わって来た。
Tagesschau: ジーデンドルフさん。あなたは1990年以来、ベラルーシの各地を定期的に訪れてチェルノブイリ事故の被害者の救済活動を続けていますね。ベラルーシではどんな事故の影響が見られるのでしょうか。
Siedendorf: 風で運ばれた放射性降下物の量はベラルーシが最大でした。私達の組織のある町の姉妹都市であるKostjukowitischi市はベラルーシ東部の、チェルノブイリから約180km離れたところにあります。その地方の1/3が放射性物質で汚染されました。3万5000人の住民のうち8千人が移住しなければなりませんでした。30以上の村が取り壊されるか、埋められました。
Tagesschau: 現在はどうなっていますか。
Siedendorf: 他のどんな災害とも異なり、被曝被害というのは時間が経つにつれて拡大します。逆さにしたピラミッドのようなものです。フクシマ事故に関しては、今、そのピラミッドの一番下の先の部分にある状態です。チェルノブイリはそれよりももう少し進んでいる。チェルノブイリは遺伝子の中で猛威を振るって います。いえ、遺伝子だけではない、遺伝子が操作するすべての細胞にチェルノブイリが巣食っているのです。25年経った現在は、主に低線量被曝が問題となっています。
Tagesschau: どのような経路で低線量被曝するのでしょうか?
Siedendorf: たとえばストロンチウムやセシウムなど、半減期が30年ほどの核種に被曝するのです。この30年という半減期ですが、10倍にして考えなければなりません。これらの核種が生物学的サイクルからなくなるまでにそのくらいの時間がかかります。300年という年月はヒトでいうと8~10世代に当たり ますが、この間は被曝による病気が増えると考えられます。
Tagesschau: 放射性物質はどこにあるのですか?
Siedendorf: ベラルーシでは放射性物質はもうとっくに地下水に入り込んでいます。ベラルーシには湿地や砂地があり、地下水脈はそう深くありません。 放射性物質は一年に2cmのペースで地下を降下すると考えられています。今は地下50cmくらいです。その地下水から放射性物質は植物や動物に取り込まれます。砂地ではガイガーカウンターを当てても、今ではもう反応しません。その反対に、森では枯れ葉やコケがあって放射性物質は地中に入り込みませんから、地表に残っています。落ち葉の多い場所や森の縁ではガイガーカウンターが反応します。雨水が溜まる窪地も線量が高いです。
Tagesschau: どのような援助をなさっているのですか?
Siedendorf: 最初の10年間は薬品の原料を現地に運び、薬局で点眼薬や点耳薬、座薬などが調合できるようにしていました。10年前からそれは許可されなくなり、現地の薬局は国が購入して配る医薬品しか販売してはいけないことになりました。
Tagesschau: それはうまく行っているのでしょうか?
Siedendorf: まあ、大体は。でも、特殊な医薬品が不足しています。どういう医薬品が認可されるかは薬を登録しようとする医薬品メーカーが払う賄賂の額で決まるのです。たとえば、ベラルーシには国に認可されているインシュリン薬は二種類しかないのが問題です。子どもに投与するには別のインシュリンが必要な場合が多いのです。糖尿病は、チェルノブイリ事故の後、子ども達の間に急激に増加した病気の一つで、新生児でも糖尿病を発症するケースがあります。そのような場合には私達は個別に援助します。
Tagesschau: 何故、子どもの糖尿病が増加しているのですか?
Siedendorf: セシウムによる低線量被曝が原因だと考えられます。食物連鎖を通じて妊婦の腸内に取り込まれます。子宮内で胎児の膵臓の発達が阻害されるのです。膵臓はインシュリンを分泌する、非常に繊細な器官です。子どもは三歳になるまで修復機能を備えた免疫系を持ちません。また、子どもは大人よりも細胞分 裂が速いです。細胞がちょうど分裂するときに放射線を浴びると、影響が大きいのです。ですから、子どもの場合、ほんの少しの線量の被曝でも成長が妨げられてしまいます。
Tagesschau: 残存する放射線の影響は他にはどんなものがありますか?
Siedendorf: たとえばよく言われるのは、チェルノブイリの近くに住む人達は神経質で、「放射能恐怖症」にかかっているということですね。だから、彼らは何をやっても集中できないのだと。しかし、これは汎発性の脳障害なのです。人が生まれて来た後に最も頻繁に細胞分裂する器官の一つが脳ですから。チェルノブイ リ事故後の最初の世代では夫婦の30%が子どもに恵まれていません。ドイツでも10%がそうです。遺伝子が傷つけられたことで流産や早産、そしてその結果、乳幼児の死亡が増えています。胎児の段階で死なずに生まれて来れば、障害は次の世代へと受け継がれます。
Tagesschau: チェルノブイリ事故の被害者数に関してはいろいろな説がありますが、これはどうしてでしょうか?
Siedendorf: 統計を取っている方から聞いたのですが、行政から「これくらいの数字にしてくれ」と指示されるようですね。お上の言う通りのことを書かないと報奨金がもらえない。2010年の統計には癌患者はほとんど含まれませんでした。若くない人は皆、老衰で亡くなったということになってしまうのです。癌患 者の中には他の原因で亡くなる人もいますし。ですから、ベラルーシやウクライナのような独裁的な国の統計は当てになりません。病気の原因を被曝以外のものにした方が国にとっては安く済みます。原子力ロビーと独裁政治は相性が良い。どちらにとっても、チェルノブイリは終わったものとした方が都合がよいのです。しかし、人々はこう言います。「チェルノブイリは私達の人生そのものだ、とね」
Tagesschau: WHOやIAEAはどのような役割を担っているのでしょうか。
Siedendorf: チェルノブイリの健康被害について私達の知らないことがたくさんあるのは、1959年にWHO とIAEAの間に結ばれた秘密の協定のためです。WHOに被曝による健康被害について何を調査し、何を発表するかはIAEAが決めているのです。そのために多くの国際学会の開催が中止になり、ロシアやベラルーシ、ウクライナの研究者の低線量被曝に関する研究は発表されませんでした。しかし、幸いにも2009年にニューヨーク科学アカデミーがこれらをまとめて発表しました。
Tagesschau: フクシマの被害はどのくらいになると予想されますか?
Siedendorf: フクシマの被害はチェルノブイリ以上になるのではないかと思います。まだ事故は収束の目処が立っていませんし、非常に毒性の強いプルトニウムが放出されています。どれだけの量の放射性物質が海に流れ込んだのか、そしてそれはどこへ向かっているのかについて私達はまったくわからない状態です。そ れに、日本は人口密度が高く、ベラルーシとは比較できません。また、日本では飲料水は山で採集されています。山が放射性物質を含んだ雲の拡散をせき止め、放射性物質は海岸沿いの狭い地域に溜まっています。9ヶ月で事故処理すると日本政府は言っていますが、まったく馬鹿げています。そんなことは空約束に過ぎません。
デルテ・ジーデンドルフ女史は現在は退職した一般医で心理セラピスト。1990年よりチェルノブイリ事故で被曝したベラルーシの村々を定期的に回り、特に被害者に対する医療体制の改善に力を尽くして来た。ジーデンドルフ氏の組織は1991年以来、合計800人以上の子どもとその付添人を保養のためにドイツへ招待している。組織が所在するディーツェンバッハ市とベラルーシのKostjukowitschi市は姉妹都市となった。氏は国際組織「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)の会員でもある。69歳。
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脳障害、と言うよりは遺伝子の障害なのですが、以前に見てちょっと驚いたグラフがあります。英語のWikipediaには、1986年4月に起きたチェルノブイリ事故の影響を示すグラフがいくつか出ていますが、その中に一つ、ベラルーシでのダウン症候群の発生増加のグラフです。1987年の1月に数値が跳ね上がっています。Wikiの記載によると、ドイツでも同様のことが起きたようです。
ありがとうございます。
貴重な情報読ませて頂きました。
木下黄太さんの17日付ブログでは
福島県内の畜産、農作物、水産物を
すべて出荷停止、全面補償が望ましい。
と書かれています。
これは前々から武田邦彦氏が提言されていました。
もっと早い時期に政府が動いていたら、と残念でなりません。