大学入学祝いに父に買って貰った時計は、セイコーのデジタル時計でした。
デジタル時計の出だしだったので、値段が当時で四万円以上したと記憶しています。
当然ながら機能は今より少なく、時刻の他には曜日と日付位しか付いていなかったと思います。
其ほど高額な入学祝いをくれた父は、僕が大学に入れた事がとても嬉しかったんだと思います。
しかし僕は親のそんな気持ちとは裏腹に、大学時代は勉強よりも空手に明け暮れ、社会に入ってからも転職を繰り返す親不孝な事ばかりしていました。
転職を繰り返した理由は其なりに有りますが、そんな理由は自分の都合でしかありませんから、今更何を言っても始まらない事は承知しています。
しかし両親はそんな僕に対して、限りない愛情を注いでくれましたが、感謝の言葉を言いたくても、既にこの世には居ない存在です。
もしも両親に対して感謝の気持ちを伝える事が出来るならば、其は自分の家族を守りきる事です。
デジタル時計から、今日はそんな事を思いました。