今は午前三時過ぎ。
早く寝たので目が覚めてしまい、ラジオを聴いています。
僕の好きなラジオ深夜便で、昭和30年の音楽を聴いています。
昭和30年と言えば僕が四歳で妹が一歳で、きっと両親は僕達子供を一生懸命に育てている中で、家には他に祖母や嫁ぐ前の叔母達が居た頃でした。
当時の世の中は皆が貧しかったので、我が家も貧しかった筈ですが、皆が仲良く暮らしていました。
今聴いている音楽は恐らく一度は聞いた曲なので、断片的なフレーズは聴いた覚えがあります。
勿論、両親も聴いた筈で、聴いていると何だか父や母に出会っている様な気持ちになります。
暖かな気持ちと同時に、もう二度と会えない悲しい気持ちの両方になっています。
父や母にもう一度会いたい、夢でもいい、母が生前に言っていた幽霊になってでも出て来て欲しい。
でも今は、父や母も聴いたであろう音楽を聴きながら同じ気持ちになれています。
六十を半ばになっても、僕の気持ちは未だ子供の頃のままです。
懐かしの音楽も終わり、父や母との再会も終わってしまいました。
でも今夜は、明らかに両親に会う事が出来ました。
三月は父の三回忌ですが、それはおそらく僕が両親の為に行う最後のきちんとした儀式になります。
今日は大寒の様です。