ラーメン銀閣@伏見区下鳥羽城ノ越町:ラーメン

京都南部にお住まいの方なら、国道1号線宇治川大橋から京都南インターチェンジに続く車通りの多い道を一度や二度は通ったことがおありだと思う。天下一品、悟空、横綱、第一旭と有名チェーン店の電飾ビカビカのど派手なラーメン屋さんの多いこと!なるほど、インターチェンジの近くなのでお客も多いだろう。マニアックな向きには面白くないところだが、一乗寺などとは違った意味での激戦区。そんな中で唯一単独店として気を吐いているのが銀閣だ。 数年前まではつい通り過ぎてしまうほど地味なお店だったが、約100mほど南に天一の支店がドハデに開業したのを黙って見て入られなかったのか、最近は看板も少しカラフルになって、また、精力的にお店近くの土地を駐車場を確保するなど、並み居る大手チェーン店の攻勢に埋没しないようにがんばっている姿をお店の前を通るたびに感じる。 土日の昼にお店の前を通りかかると、拡張した駐車場は満杯、店内も満杯、お店の前には何人かのお客が並んでいるという光景を目撃している。

銀閣の場合、何より自分のすぐ目の前で、自分が注文したラーメンが作られていく工程を間近に観察できるし、お店の側も実に堂々とお客の前で仕事する。その光景に私はつい見とれてしまう。また、当店のスープは云々...。といった能書きはどこにもない。メニューすらどこにあるのか迷うほどなのがまたいい。それより、目の前で行われている仕事を見ていれば、ラーメンへの期待感は当然のように高まってくる...。思いこみだろうが、「銀閣」のそんなところが私はたまらなく好きだ。
スープも麺も鍋ではなく、釜で作られる。そのどちらも分厚い木のフタがデンと鎮座ましましていて、スープ釜にはガラか、アクか、わからないようなカスが釜の外側にこびりついており、ソレをまた隠す風でもなく堂々と客の目にさらしている。どちらかというと厨房が観察しやすい万福久御山店(2003年11月すでに閉店)でさえ、こんな近くにラーメンを作る現場を見て楽しむことは出来ない。案外、そういうリアルなお店って少ないのだろうか。とにかく銀閣に関しては、カウンターに座るととても楽しい。ラーメンができあがるまでの間、全然退屈しない。というより、観察するのに忙しかった。
スープも麺も、釜にフタしてガンガン行く銀閣。 具はメンマ、ネギ、ロース肉?モモ肉?いやウデかな?のちょっと厚めのチャーシュー。肉そのものの味がジュンと旨い。結構コッテリと濃いスープのはずなのに、麺はしっかり固めで、小麦の香りを漂わせ、ありきたりなストレートだが、しっかりと食べ応えがあって、実に旨い。スープは釜の様子を見ると、もうとにかく強火、フタしてガンガン炊いているのだが、その割りに動物系の臭みや、しつこさを感じさせず、こってりした中に雑味がないところはさすが。また、豚骨を別鍋で煮だし、そのスープを鶏ガラをガンガン炊いた釜に合流させている様子も目撃した。淡い青色の鉢に黄茶濁一辺倒のスープ、ちょっと小ぶりなチャーシューと、少し見た目に貧相な感はあるが、それを飛び越えた旨さはさすがである。
知らない町に旅に出たとき、うまいラーメン食べたくても、お店を探し当ててソコに行く時間もなくて、結局あきらめたこと、ありませんか? 車で京都観光のみなさん、京都南インターチェンジのちょっと南に旨い京都ラーメンありまっせー。
(2002.7)


このサイトを始めた頃に一度食べに行って以来、しばらくぶりでもあったので、画像の撮影しようと再訪した。
銀閣寺近くの屋台から始まったという「銀閣」。ものの本によると、その味を守るべく支店などは一切出さない方針らしい。

まず、ここのラーメンの旨さは、動物系出汁の圧倒的に濃厚な旨さあればこそなのだとあらためて思う。

このところ、魚系の出汁を重ねたダブルスープなどで新たな味わいを売りにするお店も増えつつあるが、ここのどっしり、こってりとした動物系の出汁の旨さには、「あぁ、やっぱりコレだよなぁ」という根源的な味わいがある。全く、貫禄の旨さだ。豚骨と鶏ガラの組み合わせスープだが、強火で煮出した鶏ガラのワイルドな味わいが前にグッと出ているのも銀閣の旨さの特徴だと思う。麺はテボを使わずに大ガマの中に直接泳がせて茹で、平ザルですくい取る。実は湯切りがかなり甘い(というか、ほとんど切らない)が、茹で湯が多少混じると味が壊れるような繊細さはハナっから持ち合わせないような濃厚スープなので、実際食べている分にはそう気になるようなものではない。中くらいの太さの麺は、外側が幾分テロンとした柔らかな感触ながら、芯の強さもあってわずかに弾力のある食感だった。
チャーシューは厨房での作業を見ていると、あらかじめスライスされて、きれいに形を揃えて整えた上でタッパーに入れて冷蔵庫に保管しているようだ。小振りなのは相変わらずだが、けっこうな厚みといくぶん濃いめのしっかりした味付けはスープに負けない主張を持っている。メンマもまた、あえてメンマ特有のあの独特の発酵臭をあえて色濃く残した味付けにしてあるようだ。
(2003.12)
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