活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

見てわかる!世界の幻想武器&防具案内

2009-06-04 00:15:28 | 活字の海(読了編)
著者:幻想武具研究会 出版社:笠倉出版社 定価:552円+税
2009年3月刊行
キャッチコピー:
『モンスターハンター』『真・三國無双』『エヴァンゲリオン』
『ベオウルフ』etc.に登場した東西の伝説の武具全100種類を
超美麗イラストで解説!!


行きつけの古書店で、200円コーナーにあった本書をゲット。
キャッチコピーにあるとおり、100種類(正確には、もう少し
ありそうだけど)の武具や防具について、見開き2ページから
ものによっては数ページを費やして紹介してくれている。

全部で六つの章に分類されているが、その章分けには少々疑問が。

第一章 ヨーロッパの剣
第二章 アジア・アフリカの剣

ここまでの分類は、すんなりと納得できるのだが。

第三章 長柄武器
第四章 打撃武器
第五章 射出・投擲武器
第六章 防具

と、三章以降は形質的な特徴からの分類になっているではないか?

その結果、例えば第三章に青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)
が紹介されているが、この使い手で有名なのは三国志の関羽で
あることからも、第二章にて紹介されていて然るべきだろう。

いっそ、一章、二章を廃して、三章以降の各武具の紹介ページの
中で、主な活躍の舞台や産地が紹介されていれば良かったのでは?
と思ってしまう。

ただ、とにもかくにも100種類以上の武具や防具を一堂に会して
紹介してくれた試みは実に面白いので、細かいことは由とする。

別に、正確な辞書を編纂している訳でも無いしね。

これを読んで一番驚いたのは、アーサー王の聖剣エクスカリバー。
この剣を巡るエピソードとして、円卓の騎士の物語が紹介されて
いたのだが、この物語がこうした顛末を迎えていたとは!?

何せ、中世騎士物分野は不得意なので、まともに文献を読むことも
していなかったがために、僕の中でのアーサー王のイメージといえば、
随分昔にテレビでやっていたアーサー王物語レベルでしか無かった
のだから(ああ、恥ずかしい)。

あの中で、盟友となっていった騎士たちが、最後は内紛を起こす
までになるとは。
そしてそのきっかけが、ランスロットとギネビア姫の道ならぬ恋
だとは。

このコラムを書くために、少しアーサー王でググって見たら、
なんと、国際アーサー王学会なるものが有り、しかもその日本支部
まで存在しているのには、びっくりした。

う~む。この道も、奥が深い(笑)。

まあ、アーサー王の物語自体の歴史性を考えれば、そうしたワールド
ワイドな広がりがあっても全くおかしくはないのだが。


ちなみに。
ちょうど、この本を読むのと前後して読んでいたコミックスに、
アーサー王が登場して少々驚いた。
まあこういうシンクロニティを、単なる偶然と冷笑するか、
そのとき、その人に必要なものが、事前に集まってくるような
仕組みが回っているお陰と感じるかは、その人次第だろうけれど。

後者と考えた方が、夢があるよね(笑)。

そのコミックスというのが、「イリヤッド ~入矢堂見聞録」
原作:東周斎 雅楽 画:魚戸 おさむ である。

考古学者・入矢修造が、アトランティスの謎を追い求めていく
ことを骨子としているが、その過程で様々な古代の文明に絡めた
謎や人物が登場し、複雑に絡み合っていく。

その8巻に、ちょうどアーサー王物語の話が出てくるのである。

この作品は、もう結構前に、ビッグコミックオリジナルに連載
されていたもの。

当時、父親が購読していたこの雑誌を斜め見る中で、本作品に
出会ったのだが、最初の頃に作品中で提示された謎かけが解けず、
ずっと歯痒い状態だった。

先日、これも行きつけの古書店で全巻揃っているのを発見し、
思わず大人買いしてしまったのだが、改めて読んでも、まだ謎の
答えは判らない(涙)。

ちなみに、まだ欄外に書かれていた回答篇は読んでいない。
だって、悔しいもんね。

 問題(某私立小学校の入試問題らしい…屈!)
 「川がありました。
  川岸に三人のお坊さんと三匹の鬼がいます。
  三人のお坊さんは、鬼達と一艘の小舟で川を渡らなければ
  なりません。
  ただし、岸でも舟の上でも鬼の数がお坊さんよりも多い時は
  お坊さんは鬼に食べられてしまいます。
  小舟には一度に二人しか乗れません。
  さて、どうしたら全員川を渡れるでしょう?」
 

さて、少し話がそれてしまったが、100種類もの武具を紹介
しているということは、このように少しのきっかけから話を
幾らでも広げられる、という楽しさがある。

少し時間が空いたときに。
手にとってパラパラと読み、興味を覚えれば更に掘り下げていく。
そうした用途にぴったりな、一冊である。

(この稿、了)

見てわかる!世界の幻想武器&防具案内
幻想武具研究会
笠倉出版社

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今回、アーサー王に引っ掛けて取り上げたのが、この作品。
古代史好きなら、是非お読みいただきたい作品である。
イリヤッド―入矢堂見聞録 (8) (ビッグコミックス)
東周斎 雅楽,魚戸 おさむ
小学館

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こちらを読んで、アーサー王を勉強させていただきます…。
アーサー王伝説 (「知の再発見」双書)
アンヌ ベルトゥロ,松村 剛
創元社

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ちゃんと武器について知るには、やはりこういった本を読む
必要があるんだろうな…
武器事典
市川 定春
新紀元社

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