著者:生田紗代 講談社刊 2009年1月 ¥1470
評者:井上荒野(作家) 2009年4月6日 読売新聞
サブタイトル:もやもやした「何か」
※ この書評の原文は、こちらで読めます。
違うんじゃないのか?
この書評を途中まで読んだときの、ファーストインプレッションである。
評者が、本作を読んで感じたもの。
それは、サブタイトルに如実に示されている。
『もやもやした「何か」』
. . . 本文を読む
文房具が、好きである。
フェチである、という程の資格は無いが、それでも大型文房具店の
中にいる時間は、僕にとっては本屋さん、図書館にいる時と同じ
くらいに大好きである。
そもそも、文房具には、おちゃらけた要素が少ない。
全く無い訳ではないが、殆どの文具は、機能的であること、かつ
美しくあること、材質と価格のバランスを取ること、この三つを
如何にしてマージ(結合)させるかに、最大の腐心を為されて . . . 本文を読む
著者:坂野 昭彦 幻冬舎刊 ¥ 1,470
本書、読むことはおろか、書評すら未読である。
新聞の広告で、その存在を知っただけなのだが、その強烈な標題の
インパクトに、思わず取り上げてしまった。
贋札造りは、勿論犯罪である。
通貨や貨幣の流通量が、政府のコントロールを逸脱するということは、
経済の根幹を揺るがす問題であるがゆえに、贋札造りはどこの国でも
重罪として処分される。
ただ、れっ . . . 本文を読む
作画:かわぐちかいじ 原作:福本伸行 講談社刊
かわぐちかいじ。
「アクター」「沈黙の艦隊」で、週刊モーニングでその橋頭堡を
確固たるものにし、現在連載中の「ジパング」でも自身の信念に
のみ忠実に生きんとする男達を描いている漫画家。
福本伸行。
僕としては「カイジ」シリーズで初めて知った。独特の世界観。
いやが上にも緊張を高めまくるシチュエーション設定の上手さ。
人の弱さ、強さを描かせたら当 . . . 本文を読む
著者:浅田次郎 新潮文庫刊 平成19年5月初版 514円(税別)
うまいなぁ、といつも嘆息する。
この人の文章は、淀みが無い。
結果、前後関係の確認とかで、読み返したりすることも、殆ど不要
である。
だから、すらすらと読めてしまう。
つまりは、無駄が無く、かつツボを押さえた、よい文章ということ
であろう。
本書も、その系譜にしっかりと乗っている。
導入部からして、すぅっと幕末の時代に読 . . . 本文を読む
著者:夏目漱石
そうなれば結局、この物語の中で血肉を得ていた人物といえば、
先生とKだけだったのではないか、という気すらしてくる。
それでは、その二人の間にあった相克とは、果たして二人を
持って自死へと導かざるを得なかったほどのものであったのか?
これもまた判断は難しい。
他人の悩みなど、結局は判った積もりでいても、何ほどにも
理解できていないことの方が多いのだから。
なるほど、先 . . . 本文を読む
著者:夏目漱石
僕と本書の出会いは、遠く中学の頃、国語の教科書に載っていた
ところから始まる。
教科書で、どの部分が引用されていたのか、また、何年生の時の
ものだったのか等、細かい部分は記憶の海に沈んでしまい、浮上の
兆しすらない。
それでも、本書はなんだかずっと頭の片隅に残っていて、いつか
全部読んでみたいと思っていた。
そう思って幾星霜(笑)、先日、とある古書店の書棚で本書を
. . . 本文を読む
さて。
アメイジンググレイス、賛美歌なのである。
何故に、今。と問う。
今なればこそ、と答う。
と、格好をつけるほどのこともない。
たまさか、先日久しぶりに耳にしたこの歌が、妙に耳から離れなかった。
ただ、それだけである。
だが、それもまた、必然なのかもしれない。
すべてのありとあらゆる事物には、偶然は存在せず、
ただ必定の運命に導かれ、出会うものならば。
「アメイジンググレイス」。
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著者:高山文彦 新潮社刊 価格:1680円
評者:若島 正 毎日新聞 2008年11月23日 東京朝刊
サブタイトル:ジョセフィン・ベーカーと囚われた13人
書評サブタイトル:愛憎の軌跡が問いかける生の意味
※ この書評の原文は、こちらで読めます。
ジョセフィン・ベーカー。
1906年に生まれ、1975年に逝去。
正に、20世紀の只中を、数奇な運命の下、生きた女性。
歌手やダンサーとして . . . 本文を読む
筆者:木村葉子 毎日新聞 平成21年4月19日(日) 18面より
サブタイトル:「本の探偵」に依頼
読んだ年■ストーリー■表紙…手がかりもとに解明
これぞ、天職!
この記事を読んで、素直にそう思った。
リファレンサー。
日本語に約すと司書だが、この記事ではもっと、ずっと素晴らしい訳語を
充てている。
それは…
「本の探偵」
大阪府立国際児童文学館にいるリファレンサーの . . . 本文を読む